Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• starbro

  読了日：2023/03/14

  エジプト人ノーベル文学賞作家、ナギーブ・マフフーズ、初読です。1940年代カイロの下町、掃き溜めに鶴、ミハーダの人生が軽妙に描かれていました。機会を見つけて著者の他作品も読んでみたいと思います。 https://sakuhinsha.com/oversea/29567.html

• buchipanda3

  読了日：2024/01/24

  カイロの古き下町に生きる人々の日常を描いた群像劇。時代は二つ目の大戦の頃、町が見せる隣人たちの濃い結び付きにどこか懐かしさを感じながら、喜怒哀楽に富み自分に真っ正直な生き方と敬虔深さを持ち合わせる登場人物たちの活き活きとした姿が織りなす物語を堪能した。そこには喜劇も悲劇も罵り合いも下世話な噂話もあり、それらを隔てなく祈りの言葉と共に皆で思いを共有する姿が印象的。フセイニ氏が巡礼に立つ際に唱えた慈悲と寛大さの長い言葉、それがその後に語られたあの恋物語の結末に捧げられているように思えてとても深く感じ入った。

• 天の川

  読了日：2024/09/17

  カイロの袋小路、貧困が巣くうミダック横丁に住む個性豊かな人々の色と欲にまみれた人間模様。とは言え、狭い横町内の濃い人間関係の中のこと。欠点まみれの人々が繰り広げるいくつもの悲喜劇は、卑近で猥雑で実に人間臭く、微笑ましささえ感じる。先日読んだ山本周五郎の「季節のない街」に通底する世界のように思った。横町に現れた闖入者に混沌とした小宇宙は破られる。美貌を自覚し裕福な生活を夢見たハミーダの転落が招いた悲劇がほろ苦い。巡礼に出たフセイニ氏がその結末を知らなかったことは幸いだ…。人間模様に惹きこまれた一冊。

• ヘラジカ

  読了日：2023/02/01

  カイロの下町、欲望渦巻くミダック横町を舞台にした群像劇。悪女と悪漢、泥棒や色狂い、人格者に好青年……個性豊かな登場人物たちの人生が交錯する。訳者自身の「意外」との言葉通り、ノーベル文学賞を受賞している作家の、こんなにも面白い作品が今まで翻訳されてこなかったとは驚きだ。視点やシーンは頻繁に切り替わるが、あまりに刺激的で癖の強いキャラクター達に惹かれて、どっぷり横町に入り浸ってしまった。なんとも言えないほろ苦さを覚えるフィナーレも、とある登場人物の小粋な台詞で幕を閉じるため自然と口元が綻んだ。流石の傑作。

• 星落秋風五丈原

  読了日：2023/03/28

  恋あり人情あり涙ありエジプトカイロの下町の様々な人間模様。このままほのぼのいくのかなぁと思いきやクライマックスでとんでもない事件が。

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