ドナテッラ・ディ・ピエトラントーニオ

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戻ってきた娘

ドナテッラ・ディ・ピエトラントーニオ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784093567220
ISBN 10 : 4093567220
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

わたしはなぜここに連れてこられたのだろう?中流家庭の一人娘として育った13歳の「わたし」は、それまで両親と思っていた人たちから突然手放され、理由も知らされぬまま、貧しい実の家族のもとに帰された。母親は冷たく、父親と兄たちの暴力が絶えない家のなかで、自我を覆された「戻ってきた娘」が唯一感情を分かちあえたのは、奔放な妹のアドリアーナだった。世界28か国で翻訳、2021年映画化。心を鷲掴みにする少女たちの成長の物語。カンピエッロ賞受賞。イタリアで30万部のベストセラー。

【著者紹介】
ドナテッラ・ディ・ピエトラントニオ : 1962年、イタリア中部アブルッツォ州テーラモ生まれ。1986年にラクイラ大学の歯学部を卒業後、小児歯科医として働きはじめる。2011年、生まれ故郷の村を舞台にした処女小説『川のような母』でトロペア文学賞を受賞、2013年にはラクイラ地震(2009年)をテーマとした2作目『美しきわが町』でブランカーティ賞を受賞。2017年2月、やはりアブルッツォ州を舞台にした『戻ってきた娘』を発表、ベストセラーになり、イタリアの二大文学賞のひとつカンピエッロ賞を受賞

関口英子 : 埼玉県生まれ。イタリア語翻訳家。2014年に『月を見つけたチャウラ ピランデッロ短篇集』で第一回須賀敦子翻訳賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • NAO

    家庭とは、子どもにとって一番安らげる場所、信じられる場所だ。そして、その中心にいるのが母親だといってもいいだろう。なのに、その家庭も、母親さえも、信じられないものだったとしたら、子どもは、何を信じ、何を心の拠り所にしたらいいだろう。とはいえ、その家庭、決して磐石なものではない。大人の事情で、変化したり、簡単に壊れたりする。なのに、その中にいる子どもは、何も知らなかったりする。自分が知らないうちに、勝手に自分のことをやりとりする親たち。そこには、いろんな事情があるのは確かだろう。だが、子どもは、ものではない

  • ナミのママ

    イタリア・カンピエッロ賞ほか受賞。1975年、13歳のわたし。裕福な家庭からいきなり田舎の貧しい大家族に引き渡される。そこが本当の両親と兄弟のいる家族の家だった。…環境の違い、生活の違いに戸惑い、いつか迎えに来てくれる事を疑わない姿が痛ましい。やがてモノのようにやりとりをした両方の母に怒りを覚える。おそらく日本の田舎でもこの年代には似たような事があったのだろうと想像しながら読む。揺れ動きながら成長し、次第にたくましくなっていく姿に思わず応援してしまう。次作も発売されたそうなので翻訳を待ちたい。

  • きょん

    13歳の「わたし」がある日突然本当の家族の許へ戻される。中流家庭と貧困家庭の落差に戸惑い、実母と養母の間で葛藤するわたし。また以前の優しい母の所に戻れる日を信じて待つわたしの心の叫びになぜなぜと一緒に問う私がいる。大人たちが必死に隠していた事実が明らかになった時、時代の残酷さや抑圧された女性という言葉が頭の中を駆け巡った。

  • ヘラジカ

    新しい環境と家族に対する適応と交流、育ての母親への思いなど、シンプルながら細やかに描かれた成長物語である。貧乏とは言えあまり過酷な経験はせず、優しさに溢れた人間関係ばかりなのに、虚しさと孤独感が隙間風のように寒々と吹き込んでいるような印象を受けた。感情の機微を描くのが非常に巧い。なんとなく作者の自伝的な小説なのかと思っていたが、後書きを読むとどうやらそうではないらしい。物語としては率直すぎる部分もあり、終わり方も含めてやや物足りなさも感じたものの、個性的で優しい妹との絆や両親の不器用な愛情は胸に響いた。

  • タツ フカガワ

    海辺の町でなに不自由なく育った13歳の娘はある日母親から、生みの親の元へ戻るよう言われる。少女はそこで初めて自分が養女だったことを知る。山間の村にある貧しいアパートには実の両親のもとに三人の兄と妹と弟がいた。初めて読むイタリア小説は感動ものの一冊でした。二人の母親の間でよりどころを見つけられない少女の苦悩や、妹と絆を深めていく様子を描く瑞々しい文章(翻訳も)がたびたび胸を震わせる。読了後に改めてカバーを見ると再び目が潤んできました。続編もぜひとも邦訳を出していただきたいものです。

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