トムスコット=フィリップス

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なぜヒトだけが言葉を話せるのか コミュニケーションから探る言語の起源と進化

トムスコット=フィリップス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784130820202
ISBN 10 : 4130820206
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

他者の心を読む能力を基盤とするコミュニケーションこそが、言語の起源・進化の謎を解く鍵である―。言語学、認知科学、進化生物学などの成果を把握したうえで、それらを統合した瞠目すべき見解を説得力をもって提示する。「人間とは何か」という根源的な問いに興味をもつすべての人へ。

目次 : 第1章 コミュニケーションへの二つのアプローチ/ 第2章 コミュニケーションシステムの出現/ 第3章 認知とコミュニケーション/ 第4章 意図明示コミュニケーションの起源/ 第5章 個々の言語を組み立てる/ 第6章 進化的適応/ エピローグ 大問題に答える

【著者紹介】
トムスコット=フィリップス : 中央ヨーロッパ大学上席研究員。認知と文化の関係が主な専門領域で、特にヒトのコミュニケーションに特有の性質に関心がある。2011年に欧州人間行動進化協会の新進研究者賞、2010年に英国心理学会の卓越博士研究賞などを受賞

畔上耕介 : 1973年生れ。翻訳家、放送大学選科履修生、東京言語研究所理論言語学講座受講生。言語学と数学の哲学的基礎に関心を持つ他、自閉症スペクトラム(ASD)者としての体験から着想した人間精神の構造についての仮説を研究している

石塚政行 : 1987年生れ。東京大学大学院人文社会系研究科助教。専門はバスク語・認知言語学

田中太一 : 1988年生れ。東京大学大学院人文社会系博士課程。専門は認知言語学・日本語学

中澤恒子 : 1956年生れ。東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は理論言語学

西村義樹 : 1960年生れ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は認知言語学

山泉実 : 1979年生れ。大阪大学大学院言語文化研究科准教授。専門は意味論・語用論、特に「なぜヒトだけが言葉を話せるのか―コミュニケーションから探る言語の起源と進化」を源流の一つとする指示参照ファイル理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • zoe

    話し手が意図を明示する場合は確定的に明示する必要があり、受け手は他者の心を読むこと、推論が必要である。人が集団として行動する中で社会的認知が確立し、コミュニケーションを取り始める。ヒトだけが大規模で複雑な社会集団として暮らしはじめた。その中で生じた慣習やコードは、広がり固定化し、文化と共に進化し、確かな言語として確立していった。メモ。誇示的表示。

  • mim42

    「意図明示コミュニケーション」が言語の起源に深く関わったとする論説。関連性理論が論理的母体。「意図的コミュニケーション」との違い。自然コードと慣習コード、伝達意図に埋込まれた情報意図、{信号/応答, 契機, 強要, 偶然}*{働きかけの設計, 反応の設計}のマトリクス、儀式化と感覚操作、文化的牽引因子(声調等)、等の概念ツール。畢竟、大規模な集団で暮らすには政治等の必要性から、読心のような高度な社会的認知が自然選択され、結果として意図明示/推論コミュニケーションが可能となった。今年読んだ中での最良の一冊。

  • ニッポニテスは中州へ泳ぐ

    ☆=5/5 花京院が最後に撃ったエメラルドスプラッシュが対DIO戦を勝利にみちびくことができた理由が書いてある本(書いてない)。 「意図明示的コミュニケーション」が主題なのだが、これが面白い。パッと思いつく限りだと推論主義とかと絡めて考えてみたい内容だ。

  • iwtn_

    題の通り。言語の起源は書中で示される、意思明示・推論コミュニケーションから発生しているという主張と、それを裏付けたり既存の理論に対する反論が展開される。 固い文体で理解が難しいところもあったが、確かに説得力のあるように読めなくはない。相手の意図を推察し、そして相手がどう推察しているのか、ということを想像できないと、文脈に大きく影響される人間の言語的な説明できないとしている。これは確かにそうで、いわゆる高階層のメタ認知が成立しているフシが人類には確かにある。となると、AIにもそれが必要になるのか?

  • 清水勇

    研究者対象の本なので結構理解困難だったが言語の起源という謎解きは楽しめた。言語の起源の解明に哲学、生物学、言語学、人類学、認知科学、霊長類学の専門家が取り組んでおり、それらの研究論文を読破した著者が、理論と実証の両面で最も根拠ある妥当な説明の輪郭を提示する。生物は細菌でも信号を受発信して交流するが、ヒトだけが相手の心を読んで操作しようとする欲望が生まれたことで「意図明示・推論コミュニケーション」という無限に応用できる交流方法を確立し言語を生み出せたとする。著者による多面的で丁寧な説明は説得力が高く納得。

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