トッド・e・ファインバーグ

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意識の進化的起源 カンブリア爆発で心は生まれた

トッド・e・ファインバーグ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784326102631
ISBN 10 : 4326102632
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

意識はいつ、どのように生まれたのか―鍵は、動物が一気に多様化したカンブリア爆発と、世界をイメージとして捉える視覚の進化にあった。意識研究者と生物学者がタッグを組み、原初の意識、そして意識のハード・プロブレム自体の起源を探る。感情の進化、さらには昆虫やイカ・タコ類の意識も論じながら、多角的なアプローチが収斂していく道筋に知的興奮を覚える1冊。

目次 : 第1章 主観性の謎/ 第2章 一般的な生物学的特性と特殊な神経生物学的特性/ 第3章 脳の誕生/ 第4章 カンブリア爆発/ 第5章 意識の発端/ 第6章 脊椎動物の感覚意識の二段階的進化/ 第7章 感性の探求/ 第8章 感性の解明/ 第9章 意識に背骨は必要か/ 第10章 神経生物学的自然主義―知の統合

【著者紹介】
トッド・E・ファインバーグ : M.D.(医師)、マウント・サイナイ医科大学。マウント・サイナイ医科大学教授。専門は意識科学、特に自我の精神医学

ジョン・M・マラット : Ph.D.in Anatomy(解剖学博士)、シカゴ大学。ワシントン大学とワシントン州立大学の准教授を兼任。専門は分子系統学や形態学、特に脊椎動物の解剖学

鈴木大地 : 博士(理学)、筑波大学。学術振興会海外特別研究員(カロリンスカ研究所)。博士号取得後、学術振興会特別研究員(筑波大学)を経て現職。専門は進化発生学や神経科学、特に初期脊椎動物の神経系の進化。生物学の哲学や心の哲学にも関心があり、気鋭の哲学者との研究会や共同研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • カレイ.シュウ

    カンブリア期に脊椎動物が誕生し、意識が生まれた。難しいが面白い…正直半分も理解できなかったけれど、解剖学的にどの生物がどの程度の意識を持つのか考察している。意識と一口に言えず、様々な段階があり、魚類は恐怖や痛みを感じていないかもという説は、さかな釣りするものとしてはホッとしてます。

  • アキ

    意識とは何か?いつから意識が生まれたのか?意識の研究は今まで科学的研究は困難と思われてきた。しかし昨今盛んになった進化生物学と分子生物学で意識の起源の研究成果を900もの文献で示している。意識の研究という哲学的な問題、つまり1人称的な主観的経験と3人称的説明との間にある哲学的ギャップを主観的経験と脳の間にある神経生物学的ギャップに還元し、そのギャップそのものを神経進化的アプローチで紐解くと著者らは5億6千年前から5億2千年前に最初の脊椎動物と共に複雑な脳が発達したカンブリア時代こそがそうであると主張する。

  • かんやん

    意識を外受容(視覚、触覚など同型的。世界をシミュレートとする)、内受容(痛み、飢え、欲求など)、情感(快不快など)に分け、その発生と進化を神経生物学的に記述し、クオリアなど哲学上の問題に答える。脚気の検査や瞳孔の開閉などの意識に上らない反射が、意識の起源と見られる。世界をシミュレートとし、欲求を意識することが適応的というのは、肯ける。では、意識はいつ生まれたのか?頭索動物ナメクジウオと原始的な脊椎動物ヤツメウナギの脳の解剖学的比較により、カンブリア紀の眼の誕生まで遡る。受容器から視床を経て脳に至る→

  • evifrei

    『意識』とは、自主経験をいう。『痛み』を『赤い』という色覚ではなく正しく『痛み』という感覚で捉えるクオリアなどが、自主経験の一例として挙げられる。著者はこれらの自主経験の始まりを、カンブリア爆発と呼ばれる生命の多様性が花開いた古生代に求める。この時代に、捕食者と被捕食者の双方に視覚や聴覚を始めとする外用機関の軍拡競争とも呼ばれるべき進化が生じ、これが意識の萌芽となった。この仮定に従うと、古生代の節足動物は既に意識を持っていたと考えられる。哺乳類が誕生するより遥かに前だ。人類より意識が先に生まれていたのか。

  • Gokkey

    意識の進化的起源を哲学、神経科学、比較神経解剖学、古生物学的な知見に基づき包括的に議論する挑戦的な一冊。このアプローチを著書らは「神経生物学的自然主義」と名付ける。意識の萌芽と呼ぶべきものの実体は脳の特定の領域に存在するニューロンの活動というような形で還元的に理解できるものではなく、外部環境情報の受容等が脳幹(進化的に古い)へ情報を送る事に起因する総合的な活動である(ダマシオのソマティックマーカー仮説の拡大解釈と理解)。この感覚受容器の進化的な出現順等の知見から、意識の起源に関するストーリーが展開される。

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