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クオーレ 岩波文庫

デ・アミーチス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003770078
ISBN 10 : 4003770072
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ジェノバの少年マルコが母親を捜して遠くアンデスの麓の町まで旅する「母をたずねて三千里」の原作を収録.どこの国でも,いつの時代でも変わらない親子の愛や家族の絆,あるいは博愛の精神を,心あたたまる筆致で描く,デ・アミーチス(1846―1908)の代表作.世界中の人びとに愛読されつづけてきたイタリア文学の古典的名作の新訳.改版


目次

十 月
 始業式の日
 担任の先生
 不幸なできごと
 カラブリアの男の子
 ぼくの同級生
 やさしいふるまい
 二年のときの先生
 屋根裏部屋で
 学 校
 パドヴァの愛国少年(今月のお話)
 えんとつ掃除の子
 万霊節(死者の日)


十一月
 ぼくの友だちガッローネ
 炭屋と紳士
 弟の担任の先生
 かあさん
 同級生のコレッティ
 校長先生
 兵隊さん
 ネッリをかばうもの
 クラスの一番
 ロンバルディーアの少年監視兵(今月のお話)
 貧しいひとたち


十二月
 商売人
 み え
 初 雪
 左官屋くん
 雪合戦
 女の先生たち
 けがをしたひとの家で
 フィレンツェのちいさな代書屋(今月のお話)
 意志の力
 感謝の気持ち


一 月
 助手の先生
 スタルディの図書室
 鍛冶屋の息子
 うれしいお客さま
 ヴィットリオ・エマヌエーレの葬儀
 フランティ,学校を追いだされる
 サルデーニャの少年鼓手(今月のお話)
 国を愛する心
 ねたみ
 フランティのおかあさん
 希 望


二 月
 ふさわしいメダル
 すばらしい決心
 機関車
 思いあがり
 仕事のけが
 囚 人
 おとうの看護人(今月のお話)
 仕事場
 ちいさな道化師
 謝肉祭の最後の日
 目の見えない子どもたち
 病気の先生
 道


三 月
 夜の学校
 けんか
 子どもの親たち
 七十八号
 ちいさな死
 三月十四日の前日
 賞状授与式
 口あらそい
 ねえさん
 ロマーニャの血(今月のお話)
 瀕死の「左官屋くん」
 カヴール伯爵


四 月
 春
 ウンベルト王
 幼稚園
 体育の授業で
 とうさんの先生
 回復期
 労働者の友だち
 ガッローネのおかあさん
 ジュゼッペ・マッツィーニ
 市民勲章(今月のお話)


五 月
 くる病の子どもたち
 犠 牲
 火 事
 母をたずねて三千里アペニン山脈からアンデス山脈まで(今月のお話)
 夏
 詩
 耳のきこえない女の子


六 月
 ガリバルディ
 軍 隊
 イタリア
 気温三十二度
 とうさん
 野原で
 工員さんの賞状授与式
 先生が亡くなった
 ありがとう
 遭 難(最後の月のお話)


七 月
 かあさんの最後のページ
 試 験
 最後の試験
 さようなら


《解説》想像力のゆくえ――教育と物語のはざまで(和田忠彦)

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Book Meter Reviews

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  • のっち♬

    三年生男子の視点で綴るイタリアの公立小学校の一年間の物語。豊かな自然描写に紀行作家としての筆が光っている。悪童は放校し、虐待親は改心させたりして常に少年たちの清らかな心にフォーカスしている点や、反論の余地を与えない両親の助言などは著者の生真面目さによるものだろう。後者に関してはいささか窮屈なくらい。「今月のお話」では博愛や愛国心の訴えに拍車がかかり、「統一され解放されたばかりのイタリア」を守っていってほしいという著者の切実な想いが溢れている。特に有名な『母をたずねて三千里』での盛り上がりは本編を圧倒する。

  • Willie the Wildcat

    楽しみだった『母を訪ねて三千里』。記載主要5都市の行程をググる。直線距離で約12,360キロ、3,169里。他者に笑われても、これをやってみたかった。でもアメデオがいない!?さて本編。主人公の日記、それに対する両親の返信、そして様々な物語という構成。少々Nationalism色が強いと感じる場面が多々あり、『あとがき』の著者の経歴を見て納得。表題も腹に落ちる。踏まえると尚更、鍛冶屋の息子プレコッシがメダルを授与した件が印象的。親を思う子の心、それを見守る周囲の温かみ。古き良き時代、ふっと感じる寂しさ也。

  • Miyoshi Hirotaka

    小国に分裂していたイタリア半島が統一運動や独立戦争を通じてイタリア王国となったのは19世紀後半。舞台となったミラノは子供が煙突掃除をしたり、母親が中南米に出稼ぎに行ったりと経済的に劣悪な環境だった。11歳の男の子の視点で日常生活のエピソードが語られ、それに対する家族の忠告、今月のお話という三部構成で一年が描かれる。物語は、家族の愛、友情、勇気、自己犠牲、英雄への敬意、愛国心、弱者への博愛というクオーレ(心)を描く。どの国にも国民を創生するプロセスがあった。『母を訪ねて三千里』はその挿入話のうち一つの再話。

  • 混沌工房

    《再読》初読は小学生のとき、岩波少年文庫にて。もう一度読みたいな〜と思っていたら、はからずも岩波文庫にて再会。小学生の頃、何度も読み返していたせいか、エピソードのほとんどをおぼえていた!! 反面、両親や姉の書き込み箇所はほぼおぼえていなかったけど。今読むと、両親や先生を尊敬し、軍人たちに感謝し、よく働きよく勉強し…といささか説教臭い。好きなのは、聴覚障害を持つ少女と、外国に出稼ぎに出ていた父親の、数年ぶりに再会のエピソード。

  • Kotaro Nagai

    本日読了。クオーレとはイタリア語で心を意味する。この作品は1886年に刊行。11歳の少年の新学期の10月〜翌7月までの日記、先生が今月の話として語る物語を書き取ったもの、父母姉からの手紙で構成される。今月の話の5月の話として紹介されるのが「母をたずねて三千里」である。今月の話は概ね10ページ未満の短いものだが、「母をたずねて三千里」だけは56ページと突出して長い。別に創作した物を組み込んだのでは?少年の日記や父母の手紙に、時に説教くさいところもあるが19世紀トリノの街の風俗や学校の様子が活写されて楽しい。

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