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君の手が語ること

デビット・ゾペティ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784803804775
ISBN 10 : 480380477X
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

国文学教授で還暦を迎えるベルギー人の「僕」と岐阜に住む看護師の梓は、手話の世界を通じて出会い、互いに惹かれあう。梓の住む岐阜での逢瀬で梓の抱える闇を感じながら、二人の愛はデフリンピック会場で意外な展開を迎える。

【著者紹介】
デビット・ゾペティ : 1962年、スイス生まれ。高校時代から独学で日本語を学ぶ。90年、同志社大学(国文専攻)卒。91年、初の外国人正社員としてテレビ朝日に入社。96年、『いちげんさん』ですばる文学賞を受賞、芥川賞候補となる。98年、執筆に専念するためにテレビ朝日を退社。著書に『旅日記』(日本エッセイスト賞受賞)などがある。また、現在、執筆のかたわら、東京都内の地域手話通訳者を目指して、刻苦勉励中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • しゃが

    梓は中途聴覚障害を負い、世界の輪郭が突然変わってしまった。それでも彼女は「役に立つかどうか」ではなく、自立した自分の感性の赴くままに生き直そうとしている。手話も、太鼓やステップを伝う振動も、失われたものの代わりというよりも、いまの身体で世界を確かめるための手段だ。周囲のある種の思いやりに安易にもたれず、葛藤しながらも自分の形を取り戻していく姿には、強さというより誠実な息づかいがある。読後には、世界は耳だけで受け取るものではないと、気づかされる。

  • ドシル

    日本語が母国ではない方が書いたと言うことに驚いた。 第二言語の書き言葉をここまで操り、物語を紡ぎだすことができるのだなあと感心してしまった。 この作品の主人公は、著者同様に日本で暮らす外国人で日本手話を学んでいる聴者。地域の通訳活動もしている。 そんな彼の大人の恋愛小説で、デフリンピックがカギになっている。 東京デフリンピック開催前に発行されているから、フィクションなので開閉会式に自由に参加できて羨ましい(笑) 後半に、手話表現を描写したシーンに「ジェスチャー」と出てくるのが残念。

  • Maumim

    手話での会話が小説の中で展開されていく。デビット・ゾペティの端正な文章がいいなあ。母語ではない日本語なのに…というのは彼にとってはもはや余計だな。デフリンピックの楽しげな雰囲気、2人の艶やかな空気感。最後に梓が伝えた「言葉」はなんだったのか。説明はあるけど、具体はない。読むことを楽しめた小説。

  • ブックマニア

    相当のキャリアを積んだらしい作者にとって要らぬ感想だろうが、外国人がここまで瑞々しい日本語を書けるとは驚き。感心して一気に読んだ。聴者ながら手話で語り合うベルギー人の「僕」と年下の看護師梓。この設定の意図が明らかになった時、激しい衝撃を受けると共に、巧い!と思わず唸った。馴染みのなかった手話という視覚的言語の奥深さにも魅了された。その描写は美しくて的確で、ちょうど冗長にならない程度。デフリンピックの競技会場で梓の姿を必死に探す「僕」のことが少し可哀想になったが、結末に救われた。味わい深い恋愛小説だった。

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