ディーノ・ブッツァーティ

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山のバルナボ 岩波少年文庫

ディーノ・ブッツァーティ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784001146295
ISBN 10 : 4001146290
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

若き森林警備隊員バルナボは、山岳地帯にある火薬庫が盗賊に襲われたとき、怖気づいて岩かげに隠れてしまう。解雇され山を離れたあとも、恥の意識に囚われつづけるバルナボに、やがて名誉挽回のチャンスがおとずれるが‥‥。峰々のそそり立つ美しい自然を舞台に心の苦悩と平安を描きだした、イタリアの人気作家のデビュー作。

【著者紹介】
川端則子 : 埼玉県生まれ。立教大学ドイツ文学科卒業。日伊協会のほか、フィレンツェ、ヴェネツィアなどでイタリア児童文学とイタリア語の研修を重ねる。第12回いたばし国際絵本翻訳大賞イタリア語部門特別賞受賞

山村浩二 : アニメーション作家、絵本作家。『頭山』『カフカ田舎医者』などで、世界4大アニメーション映画祭すべてでグランプリを受賞。東京藝術大学教授、米国アカデミー賞会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • NAO

    森林警備隊員は、いつかはやってくるに違いない山賊に備えて待っている。この「待っている」という行為は、ブッツァーティの代表作『タタール人の砂漠』のテーマにもなっている。「いつ起きるかわからないことを待ち、それが起きたら武勲をあげる」ということは、人生そのものだ。だが、何一つ起きない可能性もあるし、何か起きたときに武勲をあげれない可能性もある。「何一つ起きなかった」のが『タタール人の砂漠』の主人公で、「事件が起きたが武勲をあげれなかった」のがバルナボだ。

  • はる

    若き森林警備隊員バルナボは、盗賊に襲われたとき、怖気づいて逃げてしまう。解雇され山を離れたあとも、恥の意識に囚われつづけるバルナボ。だが、やがて名誉挽回のチャンスがおとずれる……。最初の出版は1933年。山岳地帯の美しさと瑞々しい空気の描写が秀逸。主人公の悩み苦しむ姿や親友とのやりとりも緊迫感があり、今読んでも古さを感じさせない。世界観に引き込まれた。

  • おだまん

    ブッツァーティのデビュー作。タタール人の砂漠を始めとする著書の芽があちこちに見えて、かなりボコボコになりました😅。登山家でもあり、モデルのドロミテアルプス、実物を見たいと思ってしまうほど、山と自然の描写が素晴らしい。

  • qwer0987

    内省的な話と感じた。森林警備隊員のバルナボは盗賊の襲撃から逃げたため隊を追われ恥の意識にさいなまれる。友人のベルトンはそんな彼を思いやるけど、一度隊を離れたバルナボは結局隊に居場所はない。宿舎で警備隊がやって来るのを待ち受けていた話には胸を締め付けられた。だがその後、彼は盗賊と対峙し、うまく対処して恥の意識を乗り越える。そこで初めて彼は自分の人生に向き直れたのではないか。そうして彼は疎外された組織から抜け出て、一人の世界で生きるべく山に入る。それは寂しいかもしれないが、前向きな姿に見えた。

  • ぱせり

    遠近の山の景観の描写が美しいのだけれど、最後のほうで、バルナボが感じる山が取り立てて素晴らしい。山は、現実にあるけれど、違うものであるのかもしれない。バルナボのように、私たち誰もに、自分の山があるのかもしれない。物語は静か。最初から最後まで静かだ。でも、最初の静けさと最後の静けさはまるっきり違う。

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