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よそ者たちの愛 エクス・リブリス

テレツィア・モーラ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560090619
ISBN 10 : 4560090610
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

孤独や言い知れぬ閉塞感を抱えながら、都市の片隅で不器用に生きる人々。どこにでも、誰のなかにも存在する“よそ者”たちの様々な思いを描く。ハンガリー系ドイツ語作家によるほろ苦くも胸に沁みる十の物語。ブレーメン文学賞受賞作品。ドイツ語文学の最高賞、ビューヒナー賞受賞作家による短篇集。

【著者紹介】
テレツィア・モーラ : 1971年、オーストリア国境に近いハンガリーの町ショプロン生まれ。ドイツ語を話すマイノリティの家庭で、ハンガリー語・ドイツ語の二か国語を母語として育つ。1990年にドイツに移住、フンボルト大学で演劇学とハンガリー文学を修める。デビュー作の短篇集『奇妙なマテリアル』(1999年)中の一篇でバッハマン賞、初の長篇『日々』(2004年)でライプツィヒ・ブックフェア文学賞、長篇三部作の第二作『怪物』(2013年)でドイツ書籍賞など、多数の文学賞を受賞。2018年、作家としての活動に対しドイツ語文学の最高賞であるビューヒナー賞が与えられた。『よそ者たちの愛』もブレーメン文学賞を受賞している。ハンガリー文学のドイツ語翻訳者としても高名

鈴木仁子 : 1956年生まれ。名古屋大学大学院博士課程前期中退。椙山女学園大学教員。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    「普通」とどこか違う、人を愛し切れない。若くして、そして歳を重ね、努力し、自分を繕っても「普通」には決して届かない自分の人生に諦めをつけた人々の心情を掬い出した短編集。アルコール中毒の男の不変を描いた「チーターの問題」。そんな彼が動物園の飼育員試験に不合格になった時の回答に「別にこんな回答でも良いじゃない。面白いし」と思う私もズレているのだろう。「森に迷う」は仕事終わりに朝晩の陽を見る日常が溜まらなく、好きな主人公に共感。だからこそ、腹違いの姉の激励が大きなお世話だ。あんな目に遭って溜飲を下げる事が出来た

  • ヘラジカ

    ドイツ文学。エイリアンとは言っても人の道から大きく踏み外したわけではなく、自らのいる場所からほんの少しだけ逸脱した者たちの、そこはかとなく滑稽で、身を切られるような哀しみに満ちた一生。素晴らしかった。なんと表現したら良いか分からない良さだと思いながら読んでいたが、最後の一作でもしかしたら一種の「侘び寂び」なのかもしれないと思った。特徴のない人生を切り取っているようでいながら非常に濃厚。架空の生をこうまで緊密に組み上げられるとは。善良でちっぽけな異邦人たちが愛おしい。これこそが本物の文学ではないだろうか。

  • ちえ

    ハンガリーでドイツ語を話すマイノリティとして育った作者。どの話も自分自身を「よそ者」と感じてしまう人達の物語。社会生活ができていないわけではないが、周りにどこかなじめなさや距離を感じてしまう彼らはどこか私自身や知っている人達に重なる。「エイリアンたちの愛」の最後のエヴァとドルフのやり取り、「永久機関」のトムが別トムのHPを覗き続ける場面。アウシュビッツで死亡したユダヤ人画家フェリックス・ヌスバウムの妻フェルカの視点で二人の亡命生活を描いた「布巾をまとった自画像」の重さ。出会えてよかったと思える一冊。

  • りつこ

    「普通」から外れてしまった人たちが、非力な自分の力でどうにかしようともがいたり、ひと時誰かと番ってみたり、前に進もうとしたり、道に迷ったりしている。短編集なんだけれど、人物や景色がシンクロして、それがまた自分も物語の中で迷子になってしまっているような感覚で楽しい。不安になったり自分の足元がぐらつくような物語が多いのに不思議と少し慰められる。どれも好きだけど「エイリアンたちの愛」「チーターの問題」「賜物 または慈愛の女神は移住する」が特に好き。久しぶりにガツンときた短編集。

  • hiroizm

    スウェーデンの新聞の文芸欄で評価が高めのハンガリー出身のドイツ語作家で気になって読書。こちらは10編の短編集。貴重品が入ったバッグのひったくられ、その犯人をひたすら走り追う初老マラソンマニアの意識の流れを通して、彼のマラソン以外はイマイチな半生を描いた「魚は泳ぐ、鳥は飛ぶ」、不幸な生い立ちゆえに生活力のない若い男女恋人同士のやるせない日常と破局を、成り行きで二人に関わった女性料理人の視点で描いた「エイリアンたちの愛」が印象に残った。

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