Books

親密な異邦人

チョン・ハナ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065320471
ISBN 10 : 406532047X
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

7年間小説を書けずにいる小説家――「私」は、目にとめた新聞広告に衝撃を受ける。そこには、「この本を書いた人を探しています」というフレーズと小説の一部が掲載されていた。その小説は、「私」がデビューする前に、誰にも知らせずに投稿していた作品だったのだ。事情を調べ始めた「私」は、謎の多い女性「イ・ユミ」に辿り着き、彼女の人生を追うことになる。

ある時は、キラキラした女子大生。ある時は、評判のいいピアノ教師。ある時は、センスのある大学講師。ある時は、優しい医師。またある時は、ーー。

虚像で塗り固めた幾重もの仮面の裏から徐々に表れる真実の素顔。


【著者紹介】
チョン・ハナ : 1982年、ソウル特別市生まれ。建国大学校国文科卒業、同大学院博士課程修了。2005年大学在学中、大山大学文学賞を受賞してデビュー。『月の海』で文学トンネ作家賞、『エニ』で統營市文学賞、金溶益小説文学賞、『親密な異邦人』で韓戊淑文学賞などを受賞した

古川綾子 : 神田外語大学韓国語学科卒業。延世大学教育大学院韓国語教育科修了。神田外語大学講師。NHKラジオステップアップハングル講座2021年7‐9月期の講師を務める。ユン・テホ『未生ミセン』で第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ふじさん

    図書館本。7年間小説を書けずにいる作家が偶然目にした新聞広告に、作家デビューする前に投稿した作品が掲載されていた。ここから物語は始まる。事情を調べ始めた作家は、謎の多い女性に辿り着き、彼女の書いた日記等から、彼女の嘘で固められた波瀾の人生を追うことになる。イ・ユミ、イ・ユサン、Mと次々と名前を変え、ある時には、キラキラした女子大生。ある時は、評判のいいピアノ教師。ある時は、センスの大学講師。ある時は、優しい医師と。男性中心の社会で生き残るために、経歴詐称を繰り返し、虚像で塗り固めた姿が徐々に明らかになる。

  • ケイティ

    失踪したユミという人物を探す女性小説家と、ユミの半生が交互に描かれるミステリー仕立てのストーリー。全体的に淡々と冷めた心理描写と視点が切なく胸に刺さる。嘘と偽りで塗り固めたユミの過去が少しずつ明らかになるが、大半はパズルを完成させるためのピースをはめるような地道なもの。生来の悪人でなく生存戦略でもあり、偽った先々で不思議と輝く存在感がある。事実は一つでも、気持ちや状況が変われば嘘にカウントする人もいて、何が嘘で真実かは人の数だけ醸成されていく。断罪せず、その虚しさや欲望、閉塞感に迫る情緒がとても良かった。

  • M H

    小説を書けず、夫との関係にも問題を抱える「私」は自分がかつて書いたはずの小説が投稿されているのを知り、イ・ユミという女性の人生を辿ることになる。嘘で塗り固めて経歴を、時には性別すら偽って生き延びていくイ・ユミ。1度嘘をつくと次の嘘を招くとはいえ、悪人というほどでもなく、ここまでくるとすごいとしか。結末はああするしかないだろう。「私」の人生に倦んだような閉塞感が読んでいて辛かった。

  • kibita

    今までに読んだ韓国文学にしては異色、新鮮だった。ささいな嘘から始まり、経歴詐称果ては性別まで、それぞれのその嘘の人生を次々と生きていた人(しかも輝いて)を追う、自分の作品を騙られた作家。名門女子大生、素晴らしいピアノ教師から音大の専任講師、優しい医師。関係者のインタビューで顕になっていく謎の人物、イ・ユミ。彼女の人生と、それを追う作家の人生が同時進行に語られ、行き着く先が気になりどんどん読ませられた。以前観たドラマ『アンナ』の原作だった事に1番驚いた。

  • nekomurice

    ずっと嘘をついているのは相当しんどいだろうなと思っていたら「ずっと変わらぬ切実な願いはただ一つ、本物の自分は誰なのかを忘れることだった。変装と嘘のほうが実物だと言じ込む錯乱状態に陥ること。」(この言葉ももう信じられないけど)とあって、思っているよりはるかに重症だった。あの時のあの嘘からここまで嘘で固められた人生になるとは…。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items