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桜の園

チェーホフ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003262252
ISBN 10 : 4003262255
Format
Books
Publisher
Release Date
March/1998
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェルナーの日記

    チェーホフは、その後のロシア文壇界に大きな影響を与えた。彼の作品集の中で最後の戯曲作に当たる。主人公ラネーフスカヤ夫人が娘アーニャの付き添いでパリから5年ぶりに自分の土地へ戻るが、かつてのように裕福な暮らしはもはや望めず、金に困る一家。桜の園は借金返済のため売りに出されようとしていた―― 没落貴族の人々を通してペシミズム(悲観主義・厭世観)の世界観を表現した俊作。本作のモチーフは太宰治の”斜陽”に似ていることから太宰は本作から着想を得たとされている。

  • たーぼー

    この予測された不可避の結末を生み出す為には、『未来でなく過去を』と『過去でなく未来を』が調和され、決定的な善し悪しでは測れない物語に仕上げることが条件なのだろう。象徴的な言葉は、万年学生トロフィーモフの『(過去の)誇りに何の意味がある?』だと思うが、一方で『あの清らかな時代の幸福』というものは、いくら錆くれ残骸化しようとも侵しがたい矜持がある、というチェーホフの複雑な想いも垣間見える。国家と時代に翻弄された人々の、右往左往がない交ぜになった喜劇(悲劇)の果てに、桜の樹の下にはゼニが埋まっているという虚無。

  • いちろく

    課題本。ページを開いて戯曲の脚本と知り驚く。セリフだけの構成だからか中々頭に残らず、朗読を聞いた後に本書を読了というカタチに切り替えた。社会情勢が変わっていく中で、没落していく特権階級と新たな権力層の立場が、桜の園を通じて描かれていく点は解りやすい。時代の変化を深刻に受け止めきれていない旧特権階級の人達をどう捉えるか、伺ってみたくなる。私には、新しい門出を明るくというよりも、現実が解っていない脳天気な集団に思えてならない。本書にも書かれているように、この作品はコメディ。悲劇ではなく喜劇である所もまた一興。

  • みつ

    何度も読んだ作を今回は比較的新しい小野理子氏の訳で。桜の時期に手に取るべくチェーホフの四大戯曲を発表順にまとめて読んだ。通じて改めて感じるのは、本作がドラマの不在という点で、先行作よりも一層徹底しているということ。桜の園の競売を題材に、失っていくものへの哀惜と新しい生活への戸惑いが、ラネーフスカヤ夫人の世代と娘アーニャの世代を対比しつつ、曖昧に静かに進行する。アーニャとトロフィーモフの台詞「さよなら、古い生活!」「こんにちは、新しい人生!」は、若くして世を去ったチェーホフの未来への希望だったろうか。➡️

  • ぺったらぺたら子 

    俗世間のルールを一瞬にして無化する真空地帯。それがラネーフスカヤ夫人。その無垢な姿をドストのムイシュキンと較べてみてもいい。無垢とは完結したループであり、他者によって傷付けられることのない一つの聖性。それは逆に、周りを壊して行かずにはおられない一つの暴力でもある。訳者の訳文と解説は『ワーニャおじさん』でも見事だったのだけれど、本作でも素晴らしく、特に解説には、いかに自分がだたボーッと読んでいるだけなのか思い知らされる。特にロパーヒンとワーリャとの関係とその心理。何と難しくも繊細緻密に作られている事か。

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