ダフネ・デュ・モーリアー

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レイチェル

ダフネ・デュ・モーリアー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488206031
ISBN 10 : 4488206034
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2004
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

亡き父に代わり、わたしを育てた従兄アンブローズが、イタリアで結婚し、急逝した。わたしは彼の妻レイチェルを恨んだが、彼女に会うやいなや、心を奪われる。財産を相続したら、レイチェルを妻に迎えよう。が、遺された手紙が、想いに影を落とす…アンブローズは彼女に殺されたのか?せめぎあう恋と疑惑。もうひとつの『レベッカ』として世評高い傑作、新訳でここに復活。

【著者紹介】
務台夏子 : 英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    語り手であるフィリップの回想記。語りは、すべてが終わったところから始められ円環を結んで終わる。ただ、残念ながら終結部はあまりにも唐突だ。運命を天に委ねすぎているとの感を免れない。フィリップと、その叔父アンブローズの2代にわたるファンム・ファタルたるレイチェルの作術と悲劇(それは、さまざまな意味において)の物語。女性の客観的な視点(ルイーズがこれを代表するだろう)からは考えられないだろうが、男性の読者たる私にはフィリップがレイチェルに惑溺してゆくのはわからなくもない。彼女はまさにファンム・ファタルなのだ。

  • Kircheis

    ★★★★☆ 名作『レベッカ』を思わせる、死者を起点とした三角関係と悪女の存在感が読者を鬱状態に陥れる極上のサスペンス。 とにかく主人公のフィリップが、どうしようもなく愚かで自己中なので、読んでいて終始イライラしてしまう。確かにレイチェルは貪欲で計算高い悪女だと思うが、それは単に自分の欲に忠実というだけで、そこまで悪いことではない。むしろ、自分なりの誠意はアンブローズに持っていたようだし… 最初から最後まで読者をうんざりした気分にさせる、著者の特異な能力が表れた力作。

  • 遥かなる想い

    全編に漂うレイチェルの妖しい魅惑的な雰囲気が 印象的だった。 読んでいると、なぜか 懐かしい気持ちにさせて くれる展開が、素直に 嬉しい。 もうひとつの『レベッカ』らしいが、そこに居るだけで、男の心を乱す 女レイチェル… 男女の心の動きを、ミステリー要素を 入れながら、巧みに描く。 定番の、愛に溺れて破滅 していく展開だが、精緻な緊迫した心理描写が秀逸 である。何が真実で、何が企てなのかよくわからないまま 終盤に向かい…最後は、突然、読者だけ、置いていかれる …唐突な終わり方も心地よい、そんな物語だった。

  • まふ

    「レベッカ」の姉妹編とされるサスペンス小説。イタリア旅行中の英国コンウォールの領主アシュレー家当主のアンブローズを現地結婚後に謀殺したのではと疑われる新婚の妻レイチェル。そのレイチェルに次第に恋慕し、折角継承した遺産も家宝もあげてしまう従弟のフィリップ。本当にレイチェルは悪人なのか。冷静なレイチェルと舞い上がって沸騰する単細胞のフィリップ、それを固唾を飲んで見つめる地域有力者たち……、それぞれの心理が的確な描写によって冷静に語られ、最後の数ページは目を瞠ってめくる第一級のサスペンスだった。

  • 扉のこちら側

    2016年234冊め。【157/G1000】昔から私の中にある理由がわからない思い込みの一つに、レイチェルだったりレベッカだったりのR(またはL)音の名前の美女は悪女、というイメージがある。実際はEやMの悪女の方が多いと思うのだけれど、Lだとルクレツィア・ボルジアとか。このレイチェルも具体的にこれをやったという描写はされないものの、裏で何かを企んでいる感たっぷりの怪しさだった。怪しいというか妖しい。陰鬱な話だったけれどこれは嫌いではない。

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