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大分断 格差と停滞を生んだ「現状満足階級」の実像

タイラー・コーエン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784757123632
ISBN 10 : 4757123639
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

安定・安全志向が強く、変化を嫌う「現状満足階級」の台頭が分断を拡大させ、イノベーションを減退させる―。社会階層の流動性はなぜ失われたのか?デジタル技術がなぜ格差の拡大を生むのか?開拓者精神を失った世界はどこに向かうのか?全米ベストセラー『大停滞』『大格差』で論争を呼んだ経済学者が、「変わらない時代」の快適さに警鐘を鳴らす。

目次 : はじめに―日本は「現状満足階級」の先駆者だ/ 第1章 現状満足階級の誕生/ 第2章 移住大国の変容/ 第3章 甦る社会的分断/ 第4章 創造しなくなったアメリカ人/ 第5章 マッチング社会の幸福論/ 第6章 アメリカ人が暴動をやめた理由/ 第7章 活力を失った社会/ 第8章 民主主義の形骸化が進む/ 第9章 現状満足階級が崩壊する日/ 解説 タイラー・コーエンの思想的立ち位置―リバタリアニズム(自由至上主義)という視点(渡辺靖(慶應義塾大学SFC教授))

【著者紹介】
タイラー・コーエン : 米国ジョージ・メイソン大学経済学教授・同大学マルカタスセンター所長。1962年生まれ。ハーバード大学にて経済学博士号取得。人気経済学ブログ「Marginal Revolution」、オンライン教育プロジェクト「MRUniversity」を運営するなど、最も発信力のある経済学者として知られる

渡辺靖 : 慶應義塾大学SFC教授。専門はアメリカ研究、文化政策論。1967年生まれ。ハーバード大学大学院博士課程修了(Ph.D.社会人類学)。ハーバード大学国際問題研究所、オクスフォード大学シニア・アソシエート、ケンブリッジ大学フェローなどを経て現職。著書に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会、サントリー学芸賞)など

池村千秋 : 翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • まゆまゆ

    安定・安全意向が強く、変化を嫌う「現状満足」思考の人々は日本だけではなくアメリカでも増えている。以前より生活の質が上昇し、より安全で平和的な社会となったが、進歩とイノベーションを妨げる障壁も増え、社会の停滞を招いている。新たな世界を築くことよりも今ある世界の要素を並べ直す事にばかりエネルギーが費やされていては、社会的な分断はこれからも続くだろう、と。

  • パトラッシュ

    欲しいものを手に入れたり知識欲を満たすには自分で動くしかなかった1960年代にネットが存在していたら、あの激しい学生運動はなかっただろう。未来を信じられたからこそ必死に勝利を摑もうとしたのだが、スマホを操作すれば苦労もなく何でも得られる今の世代は安定志向に走り、社会の活力や流動性を消してしまう。これに911以来のテロへの恐怖が加わり、安全保障を題目に官僚による集権政治が進むと、否応なく現状満足階級のリセットへの欲望は高まる。現状維持のまま「偉大さを取り戻す」と連呼したトランプの大統領当選は必然だったのだ。

  • K1

    今が悪くはないから、現状に満足している。悪くないなら、変化なんてとんでもないーそう考える人が増えて、格差が固定化し、社会が停滞していると。変化を望んでいるけれど、その方向性が間違っているっていうか・・現状を維持できるなんて無理と、とっとと気づけってことかしらね。

  • izw

    アメリカ人が、現状維持志向が強まり、活動が停滞している現実を指摘している。移住・転職が減少していて、多様化が失われ社会で分断が多くなっているという。イノベーションが減少しているという、IT業界の興隆からすると非常に違和感のある分析もある。この現象を生み出しているのが現状満足階級であり、その志向をよく表しているのが「NIMBY(Not In My Backyard)」という言葉。そして日本は現状満足の先駆者であり、快進撃から停滞の時代へと社会規範を素早く転換させたのは、日本の強さと柔軟性の現れであり(続く)

  • 羊山羊

    現状満足階級とマッチング精度の向上をキーワードに、現代米国社会の流動性の低さと大分断が社会に再びかつての騒乱を巻き起こすことを危惧する1冊。人類学者たちが幸せな未来を予測する中、苦しい1冊ではあるが社会の分断に対する多方面からの検討はハッとさせられる。問題は、それこそ本著は、本著を読むべき人々の所に届くのかどうか。本著中の微妙な歯切れの悪さや曖昧さは、それこそ本著が現代にマッチングしていないことへの証左にも思えてしまう。

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