ソロモン・ヴォルコフ

Individuals/organizations Page

Books

ショスタコーヴィチとスターリン

ソロモン・ヴォルコフ

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784766424997
ISBN 10 : 4766424999
Format
Books
Release Date
April/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ソヴィエト社会主義時代、独裁者スターリンにたいし抵抗とも服従ともいいがたい両義的な態度をとったショスタコーヴィチ。彼が生み出した作品もまた、時にプロパガンダ風であり、時に反体制的であるような二重性を帯びていた。著者ヴォルコフは、ショスタコーヴィチ再評価の機運をつくった前著『ショスタコーヴィチの証言』刊行四半世紀を経て、歴史的裏付けをとりつつ、独自の手法により作曲家の実像にさらに迫ろうと試みている。本書では、内面的なジレンマを抱えながらも、スターリンと直接わたりあうショスタコーヴィチを、ロシア史上の独特の人格、聖愚者に見立て、権力者との対峙の仕方を詳細に分析しているのである。スターリンは冷酷な顔をもつと同時に、芸術を愛する独裁者でもあった。しかし単に芸術家を庇護したわけではなく、彼らを国家的プロパガンダに利用し、弾圧した。パステルナーク、マンデリシターム、ブルガーコフ、エイゼンシュテイン、ゴーリキー、プロコーフィエフ…同時代の芸術家との関わりのなかで、ショスタコーヴィチは全体主義と芸術の相克をどのように乗り越えようとしたのか、スリリングに描き出していく。

目次 : プロローグ 皇帝と詩人/ 第1章 幻影と誘惑/ 第2章 一九三六年―原因と結果/ 第3章 一九三六年―スフィンクスの目前で/ 第4章 皇帝の慈悲/ 第5章 戦争―憂慮と大勝利/ 第6章 一九四八年―「あらゆる場所に目を光らせ、敵を根絶せよ!」/ 第7章 断末魔の痙攣と皇帝の死/ エピローグ スターリンの陰に

【著者紹介】
ソロモン・ヴォルコフ : 1944年、旧ソ連タジク共和国生まれ。アメリカを拠点として活躍する音楽学者・ロシア文化史家・ジャーナリスト。1959年、レニングラード音楽院付属特別音楽学校入学。レニングラード音楽院卒業後、雑誌『ソヴィエト音楽』の編集員を務める。1976年、アメニカに亡命

亀山郁夫 : 名古屋外国語大学学長。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学

梅津紀雄 : 工学院大学教育推進機構非常勤講師。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学

前田和泉 : 東京外国語大学大学院准教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了

古川哲 : 東京外国語大学・共立女子大学非常勤講師。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • syaori

    「スポンサーとなりうるのは、国家だけ」という体制の中、ショスタコーヴィチが独裁者とどう「格闘」し創作活動上の信念を守ろうとしたかを辿る本。独裁者スターリンは「文化とその創造者たち」への敬意を持ち、しかし政治的な利害のためにはそれを無視できる人物で、そのためショスタコも難しい立場から作品を発表してゆくことになりますが、その中で彼が「個人的な体験を普遍的な体験に変え」その内面を音楽の中に秘めたかが、作品と生涯を通して語られます。彼の作品から感じる叙事性と悲壮な良心の出所について様々に示唆をもらえる本でした。

  • BLACK無糖好き

    ショスタコーヴィチの名前は、封鎖下のレニングラードの伝説の演奏会に纏わる文脈でよく目にする、先日テレビで交響曲第七番を、スターリンとルーズベルトがいかに政治的に利用したかを放映していたのに触発され本書を手に取る。この作曲家の生涯をスターリンとの対峙(抵抗と服従)を軸に、その内面に迫りながら描いている。この困難な時代に文化人が個々の作品と、政治イデオロギーに折り合いをつける術は命がけでもある。その緊迫感が、自分自身ソビエト時代の文化にあまり馴染みがないにも関わらず、本書を興味深く読めた要因。

  • どら猫さとっち

    スターリンの独裁政権下、作曲家ショスタコーヴィチはどのように作品を生み出し、生きていったか。20世紀の音楽史のなかで、最も過酷な時代を生きた作曲家を追った評伝。ショスタコーヴィチは好きでよく聴いているが、スターリンの弾圧や抑圧に屈せず、従順ながら反逆の芽を出していった。コミカルでシニカル、そして暗さや重さを織り込んだ音楽から社会や人生を垣間見える世界がある。ショスタコーヴィチについて知りたい人におすすめしたい。

  • NyanNyanShinji

    著者はソロモン・ヴォルコフ。ショスタコーヴィチ好きならピンとくるだろう。いわゆる偽書とされた『ショスタコーヴィチの証言』の作者である。その『証言』から四半世紀を経てつづられた本書はそのタイトルのショスタコーヴィチとスターリンとの関係を超えて、ソヴィエト連邦建国からショスタコーヴィチの死去までの時期の同国の文化史をもカバーする。それは勿論当時の皇帝スターリンの文化政策により血塗られた文化史ではあるけども。その文化史を通していかにショスタコーヴィチが創作活動を行ったかのレポートは壮絶なものだった。汚名返上だ!

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items