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女であるだけで 新しいマヤの文学

ソル・ケー・モオ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336065650
ISBN 10 : 4336065659
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ある日、夫フロレンシオを誤って殺してしまったオノリーナ。なぜ、彼女は夫を殺す運命を辿ったのか?オノリーナの恩赦を取り付けようと奔走する弁護士デリアとの面会で、オノリーナが語った数々の回想から浮かび上がったのは、14歳で身売りされ突然始まった夫との貧しい生活、夫からの絶え間ない暴力、先住民への差別といった、おそろしく理不尽で困難な事実の数々だった―。史上初のマヤ語先住民女性作家として国際的脚光を浴びるソル・ケー・モオによる、「社会的正義」をテーマに、ツォツィル族先住民女性の夫殺しと恩赦を、法廷劇的手法で描いた、“世界文学”志向の新しいラテンアメリカ文学×フェミニズム小説。

【著者紹介】
ソル・ケー・モオ : 小説家、通訳者。1974年、メキシコ合衆国ユカタン州カロットムル村に生まれる。ユカタン自治大学教育学部卒業後、メキシコ文化芸術基金(FONCA)のスカラシップを得て文学の勉強を始める。2012年には法学部に入り直し、人権に関する知識を養う。2018年に法学修士号を取得。主な小説に『女であるだけで』(2015年、ネサワルコヨトル賞)がある。2019年に『失われた足跡』(未刊)で南北アメリカ先住民文学賞を受賞

吉田栄人 : 東北大学大学院国際文化研究科准教授。1960年、熊本県天草に生まれる。専攻はラテンアメリカ民族学、とりわけユカタン・マヤ社会の祭礼や儀礼、伝統医療、言語、文学などに関する研究。訳書にソル・ケー・モオ『穢れなき太陽』(水声社、2018年。2019年度日本翻訳家協会翻訳特別賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    母を縛りつけ、娘にも同じ役割を強いる父から抜け出した先は、更なる地獄だった。女である事はハンデになるどころか、与える事もなく、奪い尽くしても良いという理由付けにしかならないという不条理。どこまでも増長し、虐げる男性を殴り返さねば、身の安全と尊厳を確保できないという現実。奪われているのにスペイン語を話せない、貧乏である、護るべき者ができたが共に身を助く術を知らないという事で状況を抜け出せない絶望。フロレンシオがオノリーナを買った事を同僚が羨んだという記述に一番、ゾッとした。だけど弱いから強くないわけでは無い

  • nobi

    “コクリート製の屋根に錆びたトタンを被せた州の刑務所”も蒸し暑さも心地良いものとは言えない。なのにオノリーナの言葉は、瀟洒な館に住む貴族の女が心地よい朝を語るかのよう。生活に困窮し身売りされたマヤ種族の彼女が、飛ぶ夢を見たりする場面はあっても、神話的なマヤを想起させる叙述は殆ど見当たらない。白人の夫の手酷い振る舞いを受け続ける彼女の苦渋は、マヤの後裔という設定でなくともあり得そう。身体的感覚から離れてるように感じたいくつかの会話が少し違和感あったけれど、悲惨な出来事の進行が叙事詩のように感じられる不思議。

  • きいち

    いい。◇何も持たない、そう認識することすらできない場所から、自らの言葉を見出し生を獲得するまでの過程、それが効果的な語りの順序で展開される。未知の視界が開けていく感じ。◇序盤の判事への痛烈な「あんたの手に負える問題じゃない」、下卑な記者への応答、そこにいたるまでの支え手とのつながり。◇先住民語によるフェミニズム小説…ってレッテルを貼らせない本づくりもいい。途中まで地図や注が欲しいと思ってたけれど、いや、これは、それが与えられないからこその読書体験だったかもしれない。◇学び続けてる著者の履歴も素敵だ。

  • かもめ通信

    すごく気になっていた本を、書評サイト本が好き!を通じてのいただいた。夫殺しの罪に問われて禁固20年の判決をうけ収監されていたオノリーナは、恩赦を求める世論の高まりを受け、放免されるシーンからはじまる物語。一見平易な文章の中に、力強い信念が感じられた。文学に社会を変える力があると信じる読者にとっては必読書といえるだろう。

  • アヴォカド

    よく耐えてるなーとつらい場面がたくさんある。というか、オノリーナの人生はそんなことばかり。言葉や法でどこまで改善していけるのかと無力感も感じてしまう。でも、どこからでもやっていって改善していくしかない。オノリーナが自分でいくらかでもお金を稼ぐようになると、いくらかずつ強くなっていく。経済力が有効なことも、現実的には多いな。

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