セバスチャン・バリー

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終わりのない日々(仮題)エクス・リブリス

セバスチャン・バリー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560090848
ISBN 10 : 456009084X
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

語り手は、19世紀半ばの大飢饉に陥ったアイルランドで家族を失い、命からがらアメリカ大陸に渡ってきたトマス・マクナルティ。頼るもののない広大な国でトマスを孤独から救ったのは、同じ年頃の宿無しの少年ジョン・コールだった。美しい顔立ちに幼さの残る二人は、ミズーリ州の鉱山町にある酒場で、女装をして鉱夫たちのダンスの相手をする仕事を見つける。初めてドレスに身を包んだとき、トマスは生まれ変わったような不思議な解放感を覚える。やがて体つきが男っぽくなると、二人は食いっぱぐれのない軍隊に入り、先住民との戦いや南北戦争をともに戦っていく―。西部劇を彷彿とさせる銃撃戦、先住民の少女と育む絆、はらはらする脱走劇、胸に迫る埋葬場面などが、勇敢な兵士でありながら女としてのアイデンティティーに目覚めたトマスによって生き生きと語られる。

【著者紹介】
セバスチャン・バリー : 1955年、アイルランドのダブリンに生まれる。小説家、劇作家、詩人。詩的な文章で知られ、現代のアイルランドで最も優れた作家の一人と考えられている。多くの作品は歴史物で、1800年代半ばから第二次世界大戦の頃までの時代を舞台としている。バリーの作品はブッカー賞で最終候補に二度選ばれている(A Long Long WayおよびThe Secret Scripture)。The Secret Scriptureはコスタ賞、、ジェイムズ・ティト・ブラック記念賞を受賞。木4ノはコスタ賞(二度目の受賞はバリーが初)、およびウォルター・スコット賞を受賞。2019年にガーディアン紙が発表した「今を形作った100冊」にも選ばれた

木原善彦 : 1967年鳥取県生まれ。大阪大学大学院人文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • buchipanda3

    古きアメリカ開拓の頃、ただ飢えを満たし生きていくために土埃まみれの道中をジョンと共に駆けたトマス。波乱に満ちたかつてを回想する彼の語りは落ち着きがありながらも、その内面に抱えていた惑いや憂い、そして純朴な喜びが読み手の心に素直に響いてきた。彼は人は心優しくもあり残忍でもあることを知る。世界も自分や家族を大事にしてくれないと失望するが美しくあることも知る。その中をジョンたちとただ過ごせる日々の幸せ、それで充分と思えることを彼は気付く。単調で終わりを忘れてしまいがちな日々こそが大切、そう語る声が心に刻まれた。

  • どんぐり

    インディアン戦争と南北戦争の時代を生き抜くアイルランド人の若者二人と先住民の少女ウィノナの物語。12歳のときに女装の踊り子として雇われた二人は、ゲイの堅い契りを結ぶ。バッファローを追い求め、インディアン戦士と一戦を交え、北軍に入隊して血湧き肉躍る殺戮をくり返す。物語は二人が慈しみ育てることになった先住民のウィノナを拉致され、取り戻す場面から一気に加速。これこそ西部小説の極みだ。小説の連想から半世紀も前に観た映画で『ソルジャー・ブルー』を思い出した。再見できる日はあるだろうか。→

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    アイルランド飢饉で家族を失ったトマスは新天地アメリカで渡る。そこで生涯を共にする相棒、美しきジョン・コールと出逢い、共に女装してダンスホールで働き、先住民を討伐し、南北戦争に従軍し、強制収容所で死にかけ、先住民の娘、ウィノナを育ててと濃密な人生を歩んでいく。親友でもあり、恋人同士でもあり、かけがえのないパートナーでもあるトマスとジョン・コール。彼らには性別に縛られない。かといって「心は女だから」や「ゲイだから」という枠組みで自己を規制して絆を結んだ訳ではない。正直に自己の気持ちと相手に向き合ったからこそだ

  • たま

    アイルランド飢饉で家族を亡くした少年トマスがアメリカに渡り、ジョンと出会い、二人で様々な仕事をしながら−おもに騎兵隊と北軍−生きる。このトマスの語りが、素朴で柔らかい人柄を偲ばせ、とても良い。インディアン戦争も南北戦争も残酷と悲惨の連続だがこの語りの波に運ばれて二人の幸運を祈りつつ(二人とも良いやつだし)一気に読んだ。先住民との戦い、南北戦争、ミンストレルショー、テネシーの煙草農家、大平原を横切る何度もの旅、東部出身の将校、トマスとジョンの揺るぎない愛情、心に残るエピソードとイメージに満ちた物語。

  • ヘラジカ

    魅力的な語りによって最初の一ページから最後の一ページまで心を鷲掴みにされていた。血に塗れた「意地の悪い、ろくでもない世界」も、仲間との友情や家族への愛情も、等しく抒情的で美しさを感じさせる筆致で描かれている。コントラストを成しているとは言え、境界線が不自然でないからこそ、その時代、その世界をありのまま表しているような”真実味”があった。最高の物語を最高の翻訳で堪能。ジョナサン・フレイジャーの『コールド・マウンテン』やレアード・ハントの『ネバ―ホーム』を思い起こす良作。他作品、特に続篇は是非とも読んでみたい

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