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Susan Sontag

スーザン・ソンタグ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622074762
ISBN 10 : 4622074761
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

戦火の下で悲惨な生活を強いられているセルビアの人々と協同して、ソンタグはベケットの『ゴドーを待ちながら』の演出をした――「上演の終り近く、ゴドーは今日は来ない、しかし明日にはかならず来るだろうという使いの言葉に続くウラディミールとエストラゴンの長い悲劇的な沈黙のとき、私の眼は涙で痛み始めていた……観客の誰一人として音を立てる者はいなかった。聞こえてくるのは、劇場の外から来る音だけであった。国連軍の武装した人員輸送車が轟音を立てて通りを走る音と、狙撃兵の銃声だけであった」


フランスの雑誌のアンケートに答えるなかで、ソンタグはこう言明している――
「行進に参加したり、何かを歌ったりする前に守るべき鉄則とは――共感の強弱はさておいて、その場に居合わせて、そこで、じかに、かなりの時間、その国、戦争、不正義、その他の対象について体験していないかぎり、自説を世に問う権利はないということ/そのような直接の知識と経験がないならば、沈黙すること」
オペラやダンスについての「ワーグナーの流体」「『自然の光』のための用語集」、写真にかんしては「ベロックについて」「ボーランドの赤ん坊たち」、さらに読書や翻訳の問題、戦時下サラエボへの旅、ジョゼフ・ブロツキー追悼など。『書くこと、ロラン・バルトについて』につづく、行動する批評家の真面目を示すエッセイを集成。


【目次】
見ること(続き)
『自然の光』のための用語集
彼らの感情の思い出に
ダンサーとダンス
リンカーン・カーステイン
ワーグナーの流体
嘆きのエクスタシー
イタリア写真の百年
ベロックについて
ボーランドの赤ん坊たち
あるメープルソープ


そこ と ここ
ハリバートンへのオマージュ
ひとりでいること
読むこと、書くこと
三十年後に……
旅の問題
ヨーロッパとは何か(もうひとつの哀歌)
ピューラモスとティスベーの超コミカルな嘆き(幕間劇)
アンケートに答えて
サラエボでゴドーを待ちながら
「そこ」と「ここ」
ジョゼフ・ブロツキー
翻訳されるということ


初出一覧
訳者あとがき


【著者】
スーザン・ソンタグ Susan Sontag (1933-2004)
アメリカの作家・批評家。長篇小説にはThe Benefactor, 『死の装具』(早川書房)『火山に恋して』(みすず初号、In Americaがある。また、短篇集や戯曲、『写真論』(晶文社)『隠喩としての病い・エイズとその隠喩』『土星の徴しの下に』『他者の苦痛へのまなざし』(みすず書房)などのエッセイがある。さらに四つの長篇映画の脚本執筆と監督をし、アメリカとヨーロッパにおいて劇の演出も手がけた。その中には、包囲されたサラエボで上演されたベケットの『ゴドーを待ちながら』の演出も含まれる。2001年に「イェルサレム賞」を受賞。


富山太佳夫 とみやま・たかお
1947年鳥取県に生れる。1970年東京大学英文科卒業。1973年同大学大学院修士課程修了。現在 青山学院大学教授。著書『シャーロック・ホームズの世紀末』(青土社)『ポパイの影に』(みすず書房)『文化と精読』(名古屋大学出版会)『笑う大英帝国』『英文学への挑戦』(岩波書店)『おサルの系譜学』(みすず書房)ほか。訳書 ソンタグ『隠喩としての病い・エイズとその隠喩』『火山に恋して』『土星の徴しの下に』『書くこと、ロラン・バルトについて』(みすず書房)カラー『ディコンストラクションI・II』(共訳、岩波書店)ウォー『大転落』(岩波書店)ショウォールター『性のアナーキー』(共訳、みすず書房)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。


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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 兎乃

    ソンタグが1993年戦時下のサラエボで演出した「ゴドーを待ちながら」。その体験を語る。また本書は多様で幅広い諸々のエッセイが扱われている。ポーランド系ユダヤ人移民の血をひくソンタグ。最後の「翻訳されるということ」の章、政治的背景や歴史の中で「言語」に対峙するソンタグの真摯さを強く感じた。"私は翻訳される側なのだ――近代的な意味で、そして、ウィクリフの散種した、今はない意味でも。私は翻訳を監督しながら、私の言葉の死と転移を監督してしまっているのだ" 多様なエッセイ、どの頁にも記憶に残る「音」があった。

  • メルセ・ひすい

    肖像写真について⇒写真家…ロバート・メイプルソープ彼の欲望。ロマンティックな愛着や感嘆の念そしてー数え切れないポジティブナ感情を抱く。写真を撮る瞬間にその対象に向けられた視線は被写体から離れて、総称化する。かたちを識別する視線と化す。そのもの自体への反応ではなくなるのだ。私は見つめられるものとなる。… スーザン・ソンタグのような批評家がまたいつか登場することがあるのだろうか。メイプルソープからブロツキーまで、「書くこと、ロラン・バルトについて」に続く、行動する批評家の真面目を示すエッセイを集成。

  • Happy Like a Honeybee

    スーザンソンタグのエッセイ集。 メイプルソープやハリバートンなど写真家や著述家なども。 セルビアと国連軍によるサラエボ包囲。 時のジャーナリストは「戦争の勝負はテレビ上で決まる」と声高く叫ぶ。 だったら「そこ」ではなく、「ここ」で距離を確かめろとソンタグは力説する。 紛争など再考するきっかけになる一冊である。

  • 更新停止中

    ダンスを見た事が殆ど無いのでダンスについて書いた文章を読む能力がない。でも舞台は全く見ないし興味ないし「ゴド待ち」読んだ事さえないのに、表題のエッセイは本書で一番面白かった(最後でちょっと泣きさえした)し、映画は嫌いだけど映画に関する文章は読める。でもダンスに関する所は全く置いてきぼりなのは、映画や演劇の方がダンスより「一般常識」として浸透してるからか、私の認識のせいか、それともダンスというものの特性なのか。そんな訳で前半は読むのに時間がかかったけれど、サラエボ絡みの話はやはりいろいろ刺さるものがあった。

  • rinrin

    【BOOK(2014)-067】!!!!!!

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