Books

神学・政治論 上 古典新訳文庫

スピノザ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334752897
ISBN 10 : 4334752896
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

現代において重要性を増す“危険な”思想家スピノザの神髄。「思想・言論・表現の自由」をどう守り抜くか?『エチカ』と並ぶスピノザの主著、70年ぶりの待望の新訳!

目次 : 第1章 預言について/ 第2章 預言者について/ 第3章 ヘブライ人たちの「お召し」について。また預言とは、ヘブライ人たちだけに独自に与えられた贈り物だったかについて/ 第4章 神の法について/ 第5章 さまざまな儀礼が定められた理由について。また、歴史物語を信じることについて。つまり、そういう物語を信じることはどういう理由で、また誰にとって必要なのかについて/ 第6章 奇跡について/ 第7章 聖書の解釈について/ 第8章 この章では、モーセ五書やヨシュア記、士師記、ルツ記、サムエル記、列王記は本人の著作ではないことを示す。その後これらすべてについて、著者は複数いたのか、一人だけだったのか、また誰だったのか探究する/ 第9章 同じ各巻について、別の問題が取り上げられる。エズラはこれらの巻に最終的な仕上げを施したのか、またヘブライ語の聖書写本に見られる欄外の書き込みは異本の読みだったのか、といった問題である

【著者紹介】
スピノザ : 1632‐1677。オランダ・アムステルダム生まれの哲学者。父母ともポルトガルから迫害を逃れてきたユダヤ人で、父はユダヤ人居住区で貿易商を営んでいた。父の死後弟と2人で家業を継ぐが、思想・宗教上の理由でユダヤ人共同体から破門を宣告され、経営権を弟に譲り隠居。以後、オランダ各地でつつましい生活を送りながら、独自の哲学を築き上げた。1670年、『神学・政治論』を匿名で刊行するが、数年後に禁書処分となる。晩年に完成した主著『エチカ』は、当局の監視が厳しく、刊行を断念

吉田量彦 : 1971年茨城県水戸市生まれ。慶應義塾大学文学部、同大学院文学研究科を経て、ドイツ・ハンブルク大学にて学位取得(哲学博士)。17・18世紀の西洋近代哲学を専攻。2011年より、東京国際大学商学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • おたま

    スピノザの思想には関心があり、これまでは解説書を読んできた。主著『エチカ』は大変難解だと定評の著作であるので、スピノザの著作に手を着けるのを躊躇していた。しかし、この『神学・政治論』を読んでみると、それほど難しいとは思われなかった。スピノザの語り口は平明だし、吉田量彦の訳も大変分かりやすく工夫がこらされている。「訳者まえがき」でも概要の解説があるし、なんといってもスピノザ自身が「序文」においてこの著書の狙いと、各章の概説を行ってくれている。なんとも丁寧な本であり、スピノザ思想の入門書として最適に思えた。

  • 加納恭史

    さて、依然からスピノザには興味があったが、エチカは難解なので、暫くためらっていた。汎神論が詳しく書かれていなかったので残念だった。そこで汎神論に至るスピノザの良き本が本書であることが分かり手に取る。まだはじめにと序文あたりから読み始めだが、私の期待にそう内容の要約で大変に嬉しく思います。良本に巡り会うのは実はなかなか難しい。キリスト教徒の偏見が覚めやらぬ17世紀にスピノザが信教の自由を、それも汎神論を唱えたことは実に素晴らしいことだ。だだ当時は発禁処分であり、現代を切り開いた功績は実に見事なことだな。

  • ころこ

    我々近代人は『神学・政治論』の内、政治論のために前半を紐解いたはずです。目次をみると、どうやら第16章位にならないと政治の話は出てこない。しかも、『エチカ』をはじめとするスピノザの思想にとって、聖書解釈は重要ではない。とすれば、前半は読む意義に乏しい。ということで、大半を飛ばしました。せっかくの新訳が、後半が読まれないことになるのは勿体ないので、後半に労力を割きましょう。

  • 1.3manen

    1670年初出。悲惨な状況におかれているからこそ、民衆はどこにも長く安らいではいられない。民衆に最も歓迎されるのは、新しいもの、裏切られたことのないものに限られる(34頁)。民衆は迷信にとらわれやすく、永遠そのものよりも時の遺物を好むから神の言葉それ自体よりも聖書の各巻を崇拝しがちなので、そこからさまざまな先入見が生じてきた(45頁〜)。ものごとを判断する自由と、信仰の根拠を自分の好むように解する権利は、どんな人にも保障されなければならない(47頁)。 

  • chanvesa

    「法の世界」と「魂の世界」を峻別し(223頁)、後者の原則である宗教を、自由に解釈・判断することを幸福の条件としている(355頁)。一方、「人間にとって本当の幸福は真実を知ること(146頁)」としているが、この真実とは、「自分自身の内に含む神の本性(56頁)」に迫ることなのかもしれない。また、「法の世界」を単に「魂の世界」との対比するのではなく、ホッブス的自然状態の解消としての役割が強調される(232頁)。このバランス感覚は「自分を自然に従わせようと努めている哲学者(275頁)」にこそ見出だすのだろうか?

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items