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不気味な物語

ステファン・グラビンスキ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336063328
ISBN 10 : 433606332X
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

恍惚の獄へ。死と官能が纏繞する悪夢の狂宴12篇。ポーランド文学史上随一の恐怖小説作家による傑作短篇集。

【著者紹介】
ステファン・グラビンスキ : 1887年、オーストリア=ハンガリー帝国領ガリツィア・ロドメリア王国のカミョンカ・ストルミウォーヴァに生まれる。ルヴフ大学でポーランド文学と古典文献学を学び、在学中に作家デビューするが、卒業後は教職に就く。1918年に短篇集『薔薇の丘にて』、1919年に連作短篇集『動きの悪魔』を発表し注目を浴びる。短篇を本領とし、短篇集を次々と出版した。ポーランド文学史上ほぼ唯一の恐怖小説ジャンルの古典的作家。1936年に死去

芝田文乃 : 1964年、神奈川生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。ポーランド語翻訳者、写真家、エディトリアル・デザイナー。1992年より東京、クラクフなどで写真展開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    『狂気の巡礼』で苦戦して半分残して中断したのだが、これは良かった。その狂気の中にそうっと浸れた。特に『弔いの鐘』 すべてがメビウスの輪のように、なぜか途中からおかしなことになっている。その感覚が癖になりそうだった。訳も読みやすい(訳者 芝田文乃) 表紙の色も質感も好きなのだが、「不気味な物語」というタイトルだけが この本を書棚の目立つところに置くのを躊躇わせる。

  • 吉田あや

    轟々とうねりを上げて立ち昇り消失していく「火の書」から一転、風の膨らみ、咲き誇る芳しい花々、眩しい程に揺らめく光、生命の息吹に満ちたこの世の愉楽…と見せかけて、今回も不穏なシェイクスピアのような物語を奏で、彼岸へと誘い込むグラビンスキ。心地よく不安で、美しく悍ましい短篇たちを読み終えると、そこには物語を彩ったファム・ファタル達が乳白色の雪花石膏で象られ、ズラリと並んだ彼岸の景色が見えてくるよう。淡く透けたヴェールの裏で待ち受ける甘い憂いに微睡む幸せ。

  • かりさ

    高貴な装丁が素晴らしく美しい。妖艶で官能的なグラビンスキの幻想世界は、毎夜夢の中へ誘ってくれる至福の時間。死と狂気漂う物語はそのどれもが陰鬱なものでなく、耽美に彩られた怪奇奇譚集。百年前にこれほど夢中に陶酔させてくれる怪奇幻想の世界をポーランド語で紡いでいた作家がいたこと、不気味ながら耽美な物語の翻訳、美しい装丁と造本を経てこうして手にし読めることの幸せに包まれる読書でした。お気に入りは「シャモタ氏の恋人」「追跡」「視線」「投影」「屋根裏」。

  • カフカ

    ポーランド人作家ステファン・グラビンスキによる怪奇幻想短篇集。装幀とタイトルからかなり怖いホラー小説なのでは…と恐る恐る読み始めたものの、いずれの作品も男女間に起こる怪奇が官能的に描かれていて、淫靡に、時に残酷に、生温かい血の香りに満ち満ちた耽美な物語だった。それぞれにどれも印象深いのだが、特に「シャモタ氏の恋人」、「サラの家で」、「情熱」が好み。夜な夜な妖しく忍び寄る悪夢に魅了される読書時間だった。

  • HANA

    この著者の最初の作品が訳された時の謳い文句が「ポーランドのラヴクラフト」。そういう意味では本書が最もその謳い文句に相応しいと思う。ラヴクラフトの某作品を思わせるものから古典的な怪奇小説まで幅広く収録され、どれも目が離せない出来。収録作の中では「シャモタ氏の恋人」や「サラの家で」、「偶然」言った作品が面白いが、よく考えるとどれも男がファム・ファタルに吸い取られる話だよなあ、物理的な意味で。後はこれぞ怪奇小説という「投影」や神経症的な「視線」もまた面白く読めた。造本の美しさ、内容共に満足のいく一冊でした。

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