スチュアート・ダイベック

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路地裏の子供たち

スチュアート・ダイベック

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560096949
ISBN 10 : 4560096945
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

うらぶれた路地裏が冒険と発見に満ちていた子供時代を叙情豊かに描くデビュー短篇集。夏になるとどこからか現れる行商人の秘密を知った「パラツキーマン」。高架下の廃屋でたくさんの鳥たちと暮らす風変わりな男との邂逅を描く「血のスープ」。少々ネジが飛んでいるけれど子供たちのいい遊び仲間だった「近所の酔っ払い」。人生の岐路に立った少年二人が夜更けの雪の町をさまよう「長い思い」。映画の恐怖が現実に忍び込んできて逃げ惑う少年を描く「ホラームービー」。不思議な生業を営む叔父との奇妙な日々が胸を打つ結末に行きつく「見習い」など珠玉の11篇に、日本版特別寄稿エッセイを収録。

【著者紹介】
スチュアート・ダイベック : 1942年シカゴ生まれの作家・詩人。ポーランド系移民の子として労働者階級が暮らす地域で育つ。『シカゴ育ち』(1990)収録の「荒廃地域」「熱い氷」「ペットミルク」ですぐれた短篇小説に贈られるO・ヘンリー賞を受賞。ウェスタンミシガン大学、ノースウェスタン大学で文学を教えながら創作活動を続けている

柴田元幸 : 翻訳家。アメリカ文学研究者。訳書の他、著書『生半可な學者』(白水Uブックス、講談社エッセイ賞受賞)、『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会、サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイ

    舞台は都会の一部の貧しい移民の街。貧しいのだろうが、飢えることも無く、みんななんとか生きている。逞しさは感じられず、しかし諦感があるわけでも無く、だがやはり希望もなく、そんな中で子供たちは生きている。友と会い、街を歩き、不思議な物と出会い、おかしな隣人と会話し…、そんなこんながたまらなく魅力的で、とても濃密な短編集。不具者も、病んだものも、みんな息をしている。『ザワークラウトスープ』ほとんど隠れているお店の、もしかしたら1杯で1年幸せになれるスープ。『見習い』叔父さんの想いが、将来強さになりますように。

  • りつこ

    「シカゴ育ち」を読んだのはもう20年前だったか。これはダイベックのデビュー作とのこと。短編集だが、問題を抱えた家庭の子供の話が多い。悪い方悪い方へと自ら進んで流れていったり、逃れてきたはずの故郷へ戻ってきたり、ドロップアウトした友だちを見捨てたり、あるいは見捨てられたり。違う国の話なのになぜか懐かしい。それもノスタルジックに浸るような懐かしさではなく、せっかく今まで忘れていたのにと原が立ってくるような懐かしさ。面白かったけどちょっと絶望。

  • キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

    シカゴの貧しい地域の子供達についての短編集。クオレやパール街とは全くちがう世界。豊かな社会の中の貧しい世界で、余裕のない大人たちの下で逃げたりうろついたり振り回されたりしながらも、群れて遊ぶ。小さな子どもは何とか大人の役に立とうと努力するし、少し大きくなると理不尽な親に反抗しながら身をすり減らしていくし、もっと大きくなると世の中の自分の立ち位置を知り絶望と闘う。自分の子供時代を思い出した。貧しくはなかったけど余裕はなく、いつも子どもで群れてたよ。楽しい事ばかりではなかった。

  • あーびん

    スチュアート・ダイベックのはじめての短編集。翻訳された柴田さんは自身の生まれ育った川崎を連想すると仰っていたが、そのシカゴの路地の風景は感傷にみちており、なんだか自分の子供時代の忘れかけていた記憶が呼び起こされる。子供の時の秘密の遊びや、日常のふとした瞬間にみえる暴力、性への無邪気な好奇心、死への圧倒的な恐れ。瑞々しく、すこしの痛みを伴う思い出の記録。

  • DEE

    日常を生きていると、たまに「おや?」と思うことが誰にでもあると思う。でもそれはまばたきしたり、見直したりすると消えてしまったりする。 この短編集の作品は、それが消えずにその先の日常に繋がっているような印象。 大事件が起きるわけではないけど、その後では確実に何かが変わる。きっかけはホラー映画だったり交通事故だったり一杯のスープだったりするのだけど、何かしらの変化がある。友達どちらか帰り道が長くなる方が「長い思い」を持つ。いい言葉だなと思った。

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