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高い城 / 文学エッセイ

スタニスワフ・レム

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336045065
ISBN 10 : 4336045062
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2004
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

発見と読書と秘密文書作成に明け暮れた、恐るべき子ども時代の記憶と、SF・構造主義・文学などをめぐる大胆かつ精密な議論&エッセイ。作家レム誕生前史とその思考を示す、レム・ワールドのふたつの極地。

【著者紹介】
スタニスワフ・レム : 1921年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領)に生まれる。クラクフのヤギェウォ大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始め、1950年に長篇『失われざる時』三部作を完成(第一部が『変身病棟』)。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長篇『エデン』『ソラリス』『砂漠の惑星』のほか、『金星応答なし』『泰平ヨンの航星日記』『宇宙創世記ロボットの旅』など、多くのSF作品を発表。同時に、サイバネティクスをテーマとした『対話』や、人類の科学技術の未来を論じた『技術大全』、自然科学の理論を適用した経験論的文学論『偶然の哲学』といった理論的大著を発表し、70年には現代SFの全二冊の研究書『SFと未来学』を完成。70年代以降は『完全な真空』『虚数』『挑発』といったメタフィクショナルな作品や文学評論のほか、『泰平ヨンの未来学会議』『泰平ヨンの現場検証』『フィアスコ(大失敗)』などを発表。小説から離れた現在も、独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、中欧の小都市からめったに外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られている

沼野充義 : 1954年、東京生まれ。東京大学卒、ハーバード大学スラヴ語学文学科に学ぶ。ワルシャワ大学講師を経て、現在、東京大学教授

巽孝之 : 1955年、東京生まれ。上智大学卒、コーネル大学英文学科博士課程修了。現在、慶応義塾大学文学部教授

芝田文乃 : 1964年、神奈川生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。フリーのエディトリアル・デザイナー、写真家。1992年より東京、クラクフなどで写真展開催

加藤有子 : 1975年、秋田生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在学中(表象文化論、ポーランド文学)。ポーランド、ワルシャワ大学に留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 三柴ゆよし

    かつてゴンブローヴィッチは「ボルヘスを殺せ」と言った。レムはもっと辛辣だ。ボルヘスの作品に共通する構造を無惨に暴き出し、彼を最もすぐれた図書館員、偉人の亜流、文学的たわむれの人として一蹴する。その他、ナボコフとドストエフスキーを並べて語るという、ナボコフが読んだら激怒のうえ即死みたいな評論もすごい。前から怖い人だと思っていたが、やっぱりレムは怖かった。記憶のなかの物と者とに密着、活写することで甘なセンチメンタリズムに陥ることを避けている、完璧に退屈な少年時代の回想記「高い城」はしかし俺の好みではなかった。

  • ∃.狂茶党

    『SFの構造分析』ふたつの自伝を読んでからだと、この文章は、願いのようにも捉えられる。 文学とSFの違いファンタジー・幻想文学との違い、などから、レムを魅了した「SF」少数派である「正しいSF」への諦めのような感情が感じられる。 IQ180の天才少年にとっては世界を広めるものこそが「SF」だったのだろう。

  • ふみふみ

    文学エッセイの方ですが、自分はディック好きなのでディック論が特に読みごたえありました。アメリカSFの権威・商業主義、閉鎖性を批判する一方、ディックの功績、SFの決まりごとを打ち破る独創性、想像力を高く評価。内容は矛盾だらけで安っぽさも否めないけど、この孤軍奮闘する想像力をまのあたりにすると、それだけでもう十分、ポーランドの読者諸君よ、ディックの著作は注意深く、そして好意的に読もうぜと。さくっと要約しましたが、レムの文学論、文学批判論、「ユービック」分析などなど織り交ぜた内容は、抽象的で難しい文章に更に直訳

  • プラス3

    『高い城』自伝小説だが、あのレムがまともな?モノを書くはずがなく、めちゃくちゃ面白いです、ハイ。『文学エッセイ』というかハイレベルな批評・評論。「ドストエフスキーぐらい小学生の時に読んでるよな?」みたいな感じで、レムの博識っぷりが遺憾なく発揮されております。気になるのはやっぱりディック評。ディック感覚を高く評価してたのは知ってたけど「紙と鉛筆があれば、SFとしておかしなとこはいくらでも挙げられるが大事なのはそこじゃないだろ」とすごくまともなことに逆に驚いたw。

  • roughfractus02

    ナチス侵攻の時代背景を描かない自伝は、友達と初恋という部品からできたおもちゃを扱うように、少年時代を分解する。そこに生じる執着や愛玩の感情に懐かしさはない(『高い城』)。小説に慣れた読者が感情を描くのが不得手と見なす作者のエッセイ(ドストエフスキーからディックまで)も、SF論も構造主義批判も科学をベースに構成された機械かどうかが問われ、作品論の主人公も精神分析にかけられ、そこに描かれない宇宙人の文化すら要求される。フィクションを仮説と捉える作者にとって、作品は読者の読みより未来の検証に開かれているようだ。

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