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電脳の歌 スタニスワフ・レム・コレクション

スタニスワフ・レム

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336071354
ISBN 10 : 4336071357
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

《宇宙がまだ今日ほど乱れていなかった頃、すべての星はきちんと並んでいたので、左から右に、または、上から下に容易に数えられたし、大きめで青い星々は別個にひとかたまりになり、小さめで黄ばんだ星々は二級天体として隅っこに追いやられ、宇宙空間にはいかなる埃も塵も星雲ごみも見当たらなかった、そんな古き良き時代、〈永久全能免許状〉を持つ建造師たちが時折旅に出ては、遠く離れた人々に親切な忠告や助けをもたらすのが通例であった》
かくて全能のロボット建造師トルルルとクラパウツィウスのふたり組は、中世の騎士のごとく広大無辺の宇宙を隅から隅まで旅し、行く先々で権力に貪欲な惑星の王たちや、暗黒に住まう未知の怪物からつきつけられるとんでもない難題の数々にぶち当たる羽目に。──そんなふたりの奇想天外、奇妙奇天烈、抱腹絶倒の冒険を、諧謔と風刺、機智とユーモア、パロディに言語遊戯、文体実験や文明論的批評などを交えて寓話風に描いた愉快な連作短篇集。
邦訳版『宇宙創世記ロボットの旅』には未収録だった作品を精選増補し、新訳および本邦初訳でお届けする決定版。

【目次】
いかにして世界は助かったか
トルルルの機械
大いなる殴打
トルルルとクラパウツィウスの七つの旅
 探検旅行その一、あるいはガルガンツィヤンの罠
 探検旅行その一A、あるいはトルルルの電遊詩人
 探検旅行その二、あるいはムジヒウス王のオファー
 探検旅行その三、あるいは確率の竜
 探検旅行その四、あるいは、トルルルがパンタークティク王子を愛の苦悩から救わんがため、いかにオンナトロンを使用したか、そしてその後いかに子供砲を使うようになったか
 探検旅行その五、あるいはバレリヨン王のおふざけについて
 探検旅行その五A、あるいはトルルルの助言
 探検旅行その六、あるいは、トルルルとクラパウツィウス、第二種悪魔を作りて盗賊大面を打ち破りし事
 探検旅行その七、あるいは、己の完璧さがいかにしてトルルルを悪へと導いたか
ゲニアロン王の三つの物語る機械のおとぎ話
ツィフラーニョの教育

ロボットの旅、言葉の冒険――『電脳の歌』訳者あとがき(芝田文乃)
解説 トランスヒューマンが人間を逆照射する――『電脳の歌』の詩学と記憶の考古学(沼野充義)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • garth

    あまりにも愛しすぎた吉上昭三、村手善治訳(集英社)を追憶のメモ。「非モデュラの群がるサイバネの野の果てに/わが負うべき積分をもとめんとて/サイバネ人は心おののかせつ極地にいたりぬ。/去れ、逆変を狙うベクトルの伏兵よ!」

  • pushuca

    レムの技術オタク振りに遊べた。無類に面白い。

  • たか

    二人の「建造師」のつくるロボットにまつわるドタバタ劇、という形式の連作短篇で、表面的には笑える話だが、どこまでも深みのある作品になってもいる。現代的な眼からは「電遊詩人」も〈顧問〉も〈第二種悪魔〉も生成AIの話をしているように読めてくる。深い技術的な理解に基づいているからか今読んでも古い感じがしないし、人間・社会にどのような(悪)影響を引き起こすかという洞察も深くて唸らされる。電力問題、使用者自身を賢くはしない、情報洪水を引き起こす…などもはや未来予知。言葉遊びも極限に達していて、翻訳者の手腕にも脱帽。

  • ロックとSF、たまに文学

    レムの短編のドタバタスプラティックさは好き。

  • funa1g

    旧訳に比べるとプレーンな訳になっていて御伽噺感が薄くなっており、結構印象が違う。目玉はやはり初訳の作品たちで、旧訳が全編の四割以下で、旧訳を持っていても読む価値がある。とはいえ、長めの二作「ゲニアロン王の三つの物語る機械のおとぎ話」「ツィフラーニョの教育」はどちらも小説というよりは良くも悪くも架空書評のような説明的な話で、長さに対して面白いかというと…。もちろんアイデアは面白く、「ツィフラーニョの教育」の二人目の語り手の人類社会の伸長と破滅を戯画化しての語りつくしは名人芸。人類の愚かさをこれでもかと描く。

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