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大失敗

スタニスワフ・レム

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336045027
ISBN 10 : 433604502X
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2007
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

遭難救助に失敗し、自らをガラス固化した宇宙飛行士が、22世紀に蘇生して太陽系外惑星とのコンタクトに志願する。しかし意志疎通の手段が見つからず、任務は暗雲を帯びていく…。レム最後の神話的長篇。

【著者紹介】
スタニスワフ・レム : 1921年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領)に生まれる。クラクフのヤギェウォ大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始め、1950年に長篇『失われざる時』三部作を完成(第一部が『変身病棟』)。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長篇『エデン』『ソラリス』『砂漠の惑星』のほか、『金星応答なし』『泰平ヨンの航星日記』『宇宙創世記ロボットの旅』など、多くのSF作品を発表し、その第一人者として高い評価を得る。70年代以降は『完全な真空』『虚数』(いずれも国書刊行会)『挑発』といったメタフィクショナルな作品や文学評論のほか、『泰平ヨンの未来学会議』『泰平ヨンの現場検証』『地球の平和』『大失敗』などを発表。小説から離れた後も、独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、中欧の小都市からめったに外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られた。2006年に死去

久山宏一 : 1958年、埼玉県生まれ。東京外国語大学卒、早稲田大学大学院博士後期課程中退。アダム・ミツキェーヴィチ大学(ポーランド・ポズナン市)より文学博士号(スラヴ文学)取得。現在、東京外国語大学など非常勤講師。ロシア・ポーランド文化研究、ポーランド語通訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • えか

    失敗ではなく『大失敗』である。おそらくここである。レムが自身の最期の小説にこのタイトルを付けたわけは。自身の人生において、失敗なら「あちゃー」ですむが『大失敗』の場合言葉が出ない。というより言葉が見つからない。そして読者も最後の404ページ目で言葉を失う。まさかと思うのだ。自分の読書人生で長年連れ添ってきた、あの人物のあの最期の事を思うと。クリスティーもやはり言葉にならないラストを『カーテン』のなかで、自身の産み出した名探偵に用意したが、かたや人生の幕引きでこなたは大オチといういかにもレムらしいという。

  • 春ドーナツ

    「未知との遭遇」をここまでリアルに描いたものはないだろう(と思う)。活劇的要素はなくて、淡々と物事は進行していくのだけれど、強靭な説得力がある(と思う)。読み進めていく内に、そもそも「人間とは何か」という、ある種宇宙的であり、根源的な問いに私は直面した。答えがあるとすれば、宗教、哲学、物理学から得られるのかも知れない。本書にはこの3要素が濃密に織り合わされている。2篇の作中作は巧妙な伏線であり、アナロジーと解釈できる(思索の有効な手段だと思う)。結末の衝撃で鳥肌が立つ。そして謎に満ちていて、余韻が揺蕩う。

  • ∃.狂茶党

    アルゴ探検隊あるいは聖杯探究。 科学知識で描き出される世界は、視覚化が難しく、何を読んでいるのかわからなくなることもしばしば、だけどこれは冒険活劇の趣向で描かれている。 だからエンタメとしてとにかく読み進める。 レム最後の小説は、これまでも描いてきた、すれ違いが描かれる。 軍拡などへの批判を読み解くことも可能だが、何か疲れる。 英訳版では、レムの了承を得てカットされた、アンチフェミニズムな主張が、心を抉る。こんだけ賢くてもこんなこと書きますか。

  • 月をみるもの

    レムの最後のファーストコンタクトものを読むなら、「天冥の標」が完結し、かつ「三体」の続きが出る前、つまり今しかない。いちばん心に残ったエピソードは、ついに人類が意識を持つAI を完成させたら、「素人質問で恐縮ですが『意識』ってどういうものなんだかご存知でしたら教えてもらえませんか?」って問われた、、、ってエピソードかな。。

  • プラス3

    世のファーストコンタクトSFがあまりにもご都合主義なことに我慢ならなかったレムが「ええ加減にせえよお前ら、ワイがちょっと手本見せたるわ」と腕によりをかけて書き上げた最後の長編。大筋は『ソラリス』と同じだが、『砂漠の惑星』や『天の声』『ゴーレムXIV』などを思い起こさせる記述が至る所にあり、まさしくレムの集大成と呼べる作品です。なのでオチも今まで通り・・・いえ、今まで以上ですね、ハイ。最後の最後でああ来るとか、なんてワーストコンタクトだ!。読了後「レムは最後までレムだったのだなあ」と思い知る。

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