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捏造 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII

スザンヌ・キャラハン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784750516875
ISBN 10 : 4750516872
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

正気と狂気の違いは、いったいどこにあるのか?精神医療は、正気と狂気の境界をどのように区別してきたのだろうか?誤診断、医療ミス、不足する医療資源…精神医療を取り巻く諸矛盾を徹底的な取材で浮き彫りにすると共に、1973年に行われた衝撃の医療潜入実験「ローゼンハン実験」の真相を探る、スリリングなノンフィクション!

目次 : 第1部(鏡像/ ネリー・ブライ ほか)/ 第2部(デヴィッドの本質/ 「ゆっくり進め、場合によっては足踏みのままでもいい」 ほか)/ 第3部(潜入する/ …結局、人が正気かどうかわかるのは正気でない人だけだ ほか)/ 第4部(真実の追求者/ 「ほかの疑問はすべてここから生まれる」 ほか)/ 第5部(脚注/ 「すべては君の頭の中に」 ほか)

【著者紹介】
スザンナ・キャハラン : 1985年生まれ。ジャーナリスト。ワシントン大学を卒業後、『ニューヨーク・ポスト』社に勤務。報道記者として活躍するが、ある日突然、自己免疫性脳炎という難病を罹患。その闘病記がすぐれたジャーナリストに贈られるシルリアン優秀賞を受賞。その後、治療に奔走した日々について記した著書『脳に棲む魔物』(KADOKAWA)がベストセラーとなり、『彼女が目覚めるその日まで』として映画化される

宮〓真紀 : スペイン語文学・英米文学翻訳家。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • こばまり

    思いも寄らぬ展開でサスペンス小説のような面白さだった。DSMはICDに類したものとの理解していたがその改訂作業は泥臭く、このように賛否両論あるとは知らなかった。精神医療は心理、人文、社会学との親和性が高い独特な科学であると再認識。正気と狂気の境目は曖昧。

  • 泰然

    探偵小説の如きスリリングさと脅威の調査プロセスで迫る、精神医学と精神病院の内幕。本書は著者の自己免疫性脳炎の経験エピソードも挟んで人間の正気と狂気の境界とは何かと、ある研究者の精神病院潜入実験と同論文の謎、更に彼自身の人間像に迫る。さながらタペストリーを作るような緻密な構成はナラティブが頻出する現代にあって秀逸であるし、超自然的な偏見を取り払って人間理性の自立を目指す啓蒙思想の影響と共に迷走する精神医学の闇を描き、読書を「無知の知」の世界へ誘う。原題の口語訳「なりすましの達人」が暗喩する〆は唸らされる。

  • くさてる

    かつて自己免疫性疾患を患い、正気と狂気の境目をさまよった著者は70年代に発表された論文に興味を持つ。それは健康な人々を患と偽らせて精神病院に送り込む実験を通じ、当時の精神疾患の診断の曖昧さを暴くものだった。その論文がきっかけで、精神医療の改革が始まったのだが、著者が調査を始めると、おもわぬ事実が浮かび上がってくる……という内容で、ミステリばりに面白く、同時に「狂気と正気の境目は」「精神医療の問題点」「患者と家族にとって必要な支援」とはというテーマも次々に浮かび上がってくる興味深い内容だった。おすすめです。

  • 本詠み人

    原題The Great Pretender。かつて精神疾患と誤診されかけ、自己免疫性脳炎を完治させた著者。自身は助かったが、誤診されたままならたまったもんじゃない!そこで偽患者デヴィッド・ルーリーになりすまし精神科病棟に潜入した実体験の論文「狂気の場所で正気でいること」=ローゼンハン実験(1973年科学誌『サイエンス』に掲載)を見つける。当時のアメリカ精神病棟の酷い環境や最悪とも思える治療法の記述にゾッとする。この論文がその後の精神科医療に影響を与え、後のDSM診断の改定にも繋がったが…。コメント欄へ⇒

  • 香菜子(かなこ・Kanako)

    なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験。スザンナ・キャハラン先生の著書。正気と狂気を見極めることができない精神科医。精神疾患である人とそうでない人を見極めることができない精神科医。もしそうであれば精神医学に意味はあるのと疑問に思う人がいても不思議ではない。でも狂気に苦しむ人がいて精神疾患で苦しむ人がいることは紛れもない事実。精神医学や精神科医に完璧を求めたところで仕方のないこと。

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