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逆行の夏 ジョン・ヴァーリイ傑作選 ハヤカワ文庫

ジョン・ヴァーリイ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784150120191
ISBN 10 : 4150120196
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

水星で暮らすぼくとママのところに、クローンの姉が月からやってきた。太陽が膨大な光をもたらすこの“逆行の夏”に姉と水銀洞へ出かけたぼくは、今まで隠されていた家族の真実を知る。ほろ苦くも美しいボーイ・ミーツ・ガールを描いた表題作、目も耳も不自由な人々のユートピアを提示してあまたの賞に輝いた「残像」など、怜悧で官能的なヴィジョンがあふれる6篇を収録。ヴァーリイの粋を結集したベスト・オブ・ベスト。

【著者紹介】
ジョン・ヴァーリイ : 1947年、テキサス州オースティン生まれ。1974年、“F&SF”誌にて「ピクニック・オン・ニアサイド」でデビュー。描き出される独自の未来社会が読者に支持され、以降、ヒューゴー賞をはじめとするSF関連の賞を立て続けに受賞した。70年代後半から80年代のアメリカSFを代表する作家のひとりである(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • MICK KICHI

    独創的なイメージを駆使して、しかも読み易い、バーリイのイメージ はそんな作品群。テクノロジーの発達予見と社会学的考察が興味深い。未来世界の太陽系を描いた<八世界>シリーズに含まれる「逆行の夏」は水星の驚異的な自然のイメージが圧倒的に描かれる。名作「残像」は唯一無二の社会学的見地から、現在の宗教的コミュニティを遥かに凌駕する存在を示唆してくれる。一度体験すると忘れられないインパクトで押し寄せてきます。オウム真理教の主犯がいなくなって、本当の精神的繋がりとは何かを考えざるを得ない。

  • ゆかーん

    全体的にアンハッピーな終わり方で、切ない気持ちになりました。一番印象に残ったのは、表題作の「逆行の夏」。水星に暮らすぼくに、クローンの姉が月から会いに来てくれたという話。しかしながら、姉が語る親の秘密に衝撃が走りました!性別を変えたいと願った、母の本心がとても近未来的です。もう一つの賞に輝いた「残像」も印象的でした!原子炉事故による放射線漏れで、多くの障碍児が生まれてしまう現実。身寄りのない彼らが生活する、ユートピアでの生き方がとても神秘的でした…。「絶望の中での幸福」を感じさせる世界に圧倒されました。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    この作者はお初にお目にかかりますが、全体的に近親相姦を匂わせている作品が多いですね。そして女の不意打ちと後出し感が満載σ^_^;特に自分の立っている所がひっくり返るような驚愕に見舞われる青年の少年期の終わりである表題作は遣る瀬無い。「バービーは何故、死ぬ」は「多数いる同一の個による殺人の場合、責任は誰に負わせられるのか?」という生贄の羊論への問いが重く、のし掛かります。PRESS ENTERの繋がっているからこその怖さや知ること、常に見られていることへの恐れはネットが発達した現在だからこそ、リアルで怖い

  • Small World

    学生時代から読んでみたいなーと思っていたヴァーリイ、絶版も多かったりするのですが、近年、短編集が相次いで出てたりするので、遅まきながら初読みです。読んでみると、性的な表現も多くて、大人のSFって感じでした。特によかったのが「残像」で、これってSFなのか?と思わせる雰囲気なんですが、タイトルの意味が深すぎて、、なかなか印象深かったです。

  • もち

    「それも人生で、これまでのことも人生よ」◆電子世界で全てを手にした男が、頭を撃ち抜いて死んだ。迂遠なプログラムの遺書。隣人の元兵士と、調査のため派遣された女性技師は、心を通わせつつ、不透明な真実に近づいていく。(『PRESS ENTER ■』)■想像力溢れる世界観が華やかに惑わすが、描かれている信念はとても普遍的なものに思える。にもかかわらず、嚥下は極めて難しい。どの編でも一度は、心からぞくりとする情景に出会う。妖艶な歪さに、魅せられた。

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