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ISBN 10 : 4880654736
Content Description
本書は二つの記念碑的講演を収めている。一八五七年七月十日と十三日、ラスキンはマンチェスターで二つの講演を行った。彼はのちに自分の生涯を貫く主要な真理はここで最初に示され、その後の芸術の政治的影響について書いたことはこれら最初の講義の拡大にすぎないと語っている。ラスキンは美術・工芸の例を示して、働く場は競争ではなく協力の場となるべきであり、働く人々は自分に最もふさわしい仕事に就くよう配慮されるべきであり、父権主義の政策下、国家は模範的な雇用主であるべきと定義した。この見解は独創的で異端であり世上の評価は氷の矢となって放たれたが、ビクトリア朝中期の希望的な精神とよく一致し、ウィリアム・モリスをはじめ多くの賛同者と後継者を生んで、今日の再評価の気運につながる。
目次 : 第1講 芸術の発見と適用(発見/ 適用)/ 第2講 芸術の蓄積と分配(蓄積/ 分配)/ 補遺(父権/ 公的扶助を受ける権利/ 能力訓練学校/ 社会の嗜好/ 新需要の創出/ 文学の経済論/ 国家の水先案内人/ 絹と紫)
【著者紹介】
ジョン・ラスキン : 1819‐1900。十九世紀のイギリスを代表する評論家・美術批評家。ロンドンの富裕な商人の家に生まれヨーロッパ各地の風景や優れた美術、建築に接して育った。オックスフォード大学を卒業、のちに同大教授。二十四歳でターナーの作品を弁護する『近代画家論』を発表、一躍注目を浴びる。自身も製図を手がけ水彩画を描き、ラファエル前派運動のパトロンでもあった。偉大な建築は国民の宗教性、美的感受性の高さを示すとし『建築の七燈』『ヴェネツィアの石』などでヨーロッパ建築を調査、その基礎を支える労働者の生活に目を転じ、実践的立場から社会、経済、政治の改革論を発表した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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