ジョン・ディクソン・カー

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火刑法廷

ジョン・ディクソン・カー

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784150703707
ISBN 10 : 4150703701
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Product Description

壁を抜ける婦人…墓場から消えた死体…そして毒殺魔の伝説が甦る。
《ミステリマガジン》オールタイム・ベスト(2006年)第2位! 黄金期の巨匠最大の傑作が新訳で登場

Content Description

広大な敷地を所有するデスパード家の当主が急死。その夜、当主の寝室で目撃されたのは古風な衣装をまとった婦人の姿だった。その婦人は壁を通り抜けて消えてしまう…伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人の手を借りて埋葬された遺体の発掘を試みる。だが、密閉された地下の霊廟から遺体は跡形もなく消え失せていたのだ!消える人形、死体消失、毒殺魔の伝説。無気味な雰囲気を孕んで展開するミステリの一級品。

【著者紹介】
ジョン・ディクスン・カー : 1906年、ペンシルヴェニア州生まれ。1930年に『夜歩く』を発表し、専業作家となる。1932年に結婚してイギリスに移住。以後、カーター・ディクスンなどのペンネームと本名のジョン・ディクスン・カー名義を併用して多くの長短篇作品を発表し、「ミステリ黄金期」の巨匠の一人に数えられる。密室殺人や不可能犯罪ものを得意とし、また怪奇的な雰囲気を活かした作品や歴史ミステリも数多い。評論などでも活躍した。第二次世界大戦を機にアメリカに帰国。その後も渡英したが1977年にサウスカロライナ州で死去

加賀山卓朗 : 1962年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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密室の帝王とも称されるカーの代表作の一つ...

投稿日:2019/01/07 (月)

密室の帝王とも称されるカーの代表作の一つ。発表当初よりも、後年になるにしたがって評価の高まった作品である。 デスパード家の当主が急死。当初は病死と思われたものの、毒殺ではないかという疑いが持ち上がる。使用人がその夜、当主の部屋で女性を目撃したと証言したのだ。しかし、その女性は部屋から消失したように見えたとも証言する。真相を確かめるべく、当主の死体を改めようとするが、遺体は忽然と消えていた… カーのオカルト趣味と密室トリックがちょうどいい具合でまざりあった作品。ラストに不思議な余韻が残る快作。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • W-G

    読メ内のコミュでカーの話で盛り上がったので久しぶりに読んでみた。前半の単調さが気になったものの、解決編からはまぁ盛り上がる。初読は中学生の時だが、このもやもやしたラストをちゃんと面白いと思えていた当時の自分に驚き。しかし、よく言われる事ではあるが、人間消失トリックは見取り図がないと読者は推理するのも困難。カーの作品はそういうのも多い。後は名前がややこしい。デプレとドープリーが混乱した。ここら辺りは気になるところではあったが、新本格を経過した現代から見ると先見性も感じられ、さすがオールタイムベスト級の一冊。

  • Kircheis

    ★★★★☆ ホラーのような雰囲気と密室が実にカーらしい作品。 あまり場面の変化はなく、一堂が会し会話をしていくことで物語は進行していく。 序盤は昔の毒殺魔とマリーの相似や転生などがバカらしく感じて物語に入り込めなかった。しかし、マイルズの墓を発掘した後くらいからグイグイ引きつけられて一気読みできた。 ただし肝心の謎解きは個人的にはさほどびっくりするものではなかった。 エピローグでは予想もつかなかった真実がチラリと明かされるが、こういう二段オチも含めて映画向きな小説だと思う。

  • 青乃108号

    推理小説はどちらかと言えば苦手で、さほど詳しい訳ではない。作者の名前はどこかで聞いた事があった程度で、この物語については全く知らず白紙の状態で読んだ。そしたら。まあ凄かった。さすがにこれこそが一級品。格調高く品があり、かつ恐怖と驚異に満ちた物語。読めば生涯、忘れられないものになる。

  • 修一朗

    ディクスン・カー初読み。どういうタイプのミステリーなのか見当がつかず法廷ミステリーなのかという思い込みで読み始めた。火刑法廷っていうのは古いフランスのギロチン刑のことだったのね。オカルトに見える犯罪が昔の遺恨が動機と思いきや,実は現実的な動機だったっていう展開は王道タイプだ。緻密に張り巡らされていてこれは面白かった。怪奇な雰囲気から,終盤一気に現実的な合理的推理が披露される展開は本格系ミステリーの醍醐味だ。他のカー作品も読んでみようと思う。

  • utinopoti27

    80年以上前に発表されたカーの傑作ミステリを手に取ってみた。本作の読みどころはおよそ次の通り。密室から壁をすり抜けるように消えた毒殺者と思しき女性の謎、地下霊廟から消えた死体の謎、主人公の妻は何者なのか。火刑裁判にかけられた中世ヨーロッパの毒殺魔の復活を彷彿とさせるあたりは、薄気味悪さを存分に醸し出している。真相へ辿り着くには難解な叙述トリックを読み解かねばならないのだが、本作を名作たらしめている主な理由は、エピローグの衝撃にある。邪悪な魔女の血は、やはり途絶えていなかったのか。背筋が凍りつくほどの余韻だ

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