ジョナサン・スウィフト

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ガリヴァ-旅行記

ジョナサン・スウィフト

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003220931
ISBN 10 : 4003220935
Format
Books
Publisher
Release Date
October/1980
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

子供のころ誰しも一度はあの大人国・小人国の物語に胸を躍らせたにちがいない。だが、おとなの目で原作を読むとき、そこにはおのずと別の世界が現出する。他をえぐり自らをえぐるスウィフト(1667‐1745)の筆鋒はほとんど諷刺の枠をつき破り、ついには人間そのものに対する戦慄すべき呪詛へと行きつかずには止まない。

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    世に名高い本だが、全篇を読むのは初めて。これほど哲学的な内容だったとは。初篇の「リリパット渡航記」とそれに続く「ブロブディンナグ渡航記」は、まだまだほんの導入部。次のラピュタあたりから次第に佳境に入るが、スウィフトが本当に書きたかったのは、最後の「フウイヌム国渡航記」だ。この作品は風刺文学などと評されるが、本質はそうした比喩を超えた痛烈な、社会批判、人間批判の書である。しかも、300年前に書かれていながら、全く現代にもそのまま当てはまる本質論なのだ。最後はスウィフトと共に強い厭世観に陥ることになるが。

  • ケイ

    ねねみるさんのレビューを見て。ヤフーはここにあった言葉だと知って尚更読みたくなっていた。最初にガリバーが流れ着いた小人の国や巨人の国の話を改めて読むと、サイズが違うために遠目になるから余計に人間の残酷さや愚かさが見える。最後の流れ着いた先の驚くべき国。強烈な風刺とともに描かれるヤフー。ガリバーが流れ着いて平穏を得た国で、彼は人間の愚かさをはっきりと知るのだ。そして読者はやっと前書きの不可解さが理解できることとなる。スウィフトが暮らしたかった桃源郷がフウイヌム国なのだろうか。

  • nakanaka

    これほど面白く深い作品だとは思わなかった。最近ジャック・ブラック主演の「ガリヴァー旅行記」を観たので思い出しながら読了。しかしながら、リリパット国の話しか知らなかったので残り三篇は様々な発見があり興味深く読めた。後世の人々に読み継がれる作品であることには納得できるし、多くのジャンルに影響を与えた作品だろう。特に目を引いたのは「リリパット」や「ラピュタ」というワードや日本が登場してくる点。また、約300年前の作品なのに風刺が現代社会にもそのまんま当てはまることにスウィフトの偉大さを感じた。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    作者のスイフトはイギリスの属国として扱われたアイルランド生まれで宗教界で出世することを望んだが結局はダブリンの司祭長にしかなれなかった。そのため、彼は宗派ごとの確執や生まれによる差別などを生み出す人間社会に憎悪すらも抱いていた。小人の国では国を潰しかねない生き物、巨人の国ではペット扱い、空の国では無知として扱われる。賢馬の国で人間の克服できない獣性をヤーフーに見出し、人間を憎悪するようになったガリヴァーはなぜ、人間を辞めることが簡単な方法である自殺を選ばなかったのか?それは作者がキリスト教に属しているから

  • セウテス

    児童文学として何度か読んで来たのだが、それは大抵第1章の小人の国を中心とした、最初の一部に過ぎなかった。ガリヴァーは帰国しては又旅に出るを繰り返し、天空の国や科学の国、死者の現れる国や日本や馬の国など、数多くの国へ行っていたのには驚いた。天空の国はラピュタの元であろう、馬の国では人をヤフーと呼ぶなど小ネタ的発見であった。しかし社会や政治に対する痛烈な批判を風刺と言っているのだろうが、私には極度の人間不信と憎悪に感じた。いったい何が作者にこうも言わせたのか、そして何故児童文学に使われるのか疑問に思った。

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