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黒人小屋通り

ジョゼフ・ゾベル

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784861827297
ISBN 10 : 4861827299
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

カリブ海に浮かぶフランス領マルチニック島。農園で働く祖母のもとにあずけられた少年は、仲間たちや大人たちに囲まれ、貧しいながらも天真爛漫な少年時代を過ごす。『マルチニックの少年』として映画化もされ、ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した不朽の名作、半世紀以上にわたって読み継がれる現代の古典、待望の本邦初訳!

【著者紹介】
ジョゼフ・ゾベル : 1915〜2006年。フランス領カリブ海植民地(現フランス海外県)マルチニック生まれ。幼いころ、サトウキビ畑で働く祖母にあずけられ、プランテーションで育つ。1950年、自伝的小説『黒人小屋通り』が文芸誌『ガゼット・デ・レットル』で読者賞受賞。同作品は1983年に映画化され、ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞。日本でも『マルチニックの少年』の邦題で公開された。2018年には漫画版も刊行されている。フランス語圏カリブ海文学を代表する小説家として、今日でも欧米で親しまれている

松井裕史 : 金城学院大学文学部専任講師。ニューヨーク市大学大学院センターで博士候補資格取得後、フランスのパリ第八大学で博士号取得。文学博士。フランスおよびフランス語圏文学、とりわけカリブ海が専門(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイ

    カリブ海フランス領アンティーユ島出身の作家が、30代の時にパリで書き上げた作品。クレオール文学。奴隷が開放されたとて、働き場は白人のもとしかない時代。出稼ぎの母から離れ、プランテーション農場で働く祖母に育てられる主人公。貧しく厳しい生活の中でも、子供たちは生き生きとしている。働き者の祖母マン・ティヌの厳しさと愛情深さの賜物だ。そして、全体を貫くアフリカ系としての矜恃と誇り。彼が勉強に打ち込むようになってからは、特にジョジョとカルメンと過ごす時間が増えてからは、全体に溢れる詩情が消えていった(続く)

  • ち〜

    奴隷制度廃止後の1930年代のカリブ海にあるフランス領の島。遠くで働く母の代わりに、さとうきび畑で低賃金で過酷な労働を強いられる祖母に育てられているジョゼ。自分と同じ仕事に就かせまいとする祖母の苦労のお陰で、黒人小屋通りの中で唯一、教育が受けられたジョゼ。貧しいながらも誇り高く死んでいった、または労働の美しい姿を見せる黒人種、少し肌の色の違うだけで豊かに暮らす混血種、自分より勉学が劣っている白人種など、様々な人種との出会いが語られる。世界が広がっても心は黒人小屋通りや祖母の元にある所がホッとさせられる。

  • たまきら

    どこか突き抜けたような明るさに、逆に胸が痛みました。けれども同時に笑いがいかに生き延びる際に大切な武器なのか、ということにも気づかされます。次の一歩を踏み出す元気さえ持てそうにない時の、空っぽでつよがりかもしれない、笑い。その強さに学ばされた気がします。

  • Porco

    カリブ海文学の基本書だそう。確かに、カリブ海文学によくあるポリフォニーやマジックリアリズムは使われておらず、読みやすい。ちょっと淡々としていると感じるくらい。「訳者あとがき」が非常に充実していて、大小アンティル諸島の歴史もカリブ海文学の歴史も、とても勉強になりました。

  • Red-sky

    海外小説読んだーって感じがした。昔ほど翻訳に読みにくさは感じないものの、自伝的小説だからかストーリーがあってないような、エピソードの羅列が続く感じで、これを楽しめるには自分にはまだまだ修行が足りなかった。植民地の黒人の子どもが労働せず勉学に励むには家族が相当強い意志と信念を持って推し進めていかなくてはいけないことはよくわかった。カリブ海と聞くと陽気なイメージだったけどその歴史、奴隷制、混交文化とかなり複雑。

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