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ヴィータ 遺棄された者たちの生

ジョアン・ビエウ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622087861
ISBN 10 : 4622087863
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

社会から見殺しにされた人々が死を待つ、ブラジルの施設「ヴィータ」。そこに暮らす一女性と人類学者との人間的交流が生んだ民族誌。「人間」を選別する権力構造を暴く。周縁化された人々の生きられた経験を復元し更新し続けるために、現代において人類学の果たすべき使命は何かを問い直す話題作。本書は、マーガレット・ミード賞ほか数々の賞を受賞した。

目次 : 第1部 ヴィータ/ 第2部 カタリナと文字/ 第3部 医療記録/ 第4部 家族/ 第5部 生物学と倫理/ 第6部 辞書

【著者紹介】
ジョアオ・ビール : 南ブラジルで生まれ育つ。ブラジルで神学とジャーナリズムの学士号および哲学の修士号を取得したのち、1999年にカリフォルニア大学バークレー校で文化人類学の博士号を取得。1996年にはカリフォルニア州バークレーにある宗教学総合研究センターで宗教学の博士号を取得。専門は医療人類学。1998‐2000年には博士研究員としてハーヴァード大学に所属。現在はプリンストン大学人類学部教授および同大学の「グローバル・ヘルスと健康政策」プログラムの事務局長およびブラジル研究所の事務局長を務める

桑島薫 : シカゴ大学大学院修士課程、東京大学大学院博士課程修了。現在、名城大学経営学部准教授。博士(学術)。文化人類学専攻

水野友美子 : ロンドン大学ゴールドスミス校大学院修士課程、一橋大学大学院修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Willie the Wildcat

    掲載されたモノクロ写真の数々が訴える『生』。カタリナの辞書は、カタリナの半生における社会の仕組みやヒトの心の”矛盾”の裏付け。”矛盾”故に違法ではないのが、真の問題であり痛み。『ex-XX』と「非市民」はそれぞれ、生の意義と証と解釈。(衣食住以前の問題の)アイデンティティであり人間の尊厳である。社会的に遺棄されることと引き換えに得た”公的死ぬ場所”であるヴィータで得た人格?!とは究極のアイロニー。カタリナの”真相”が解明され、実母の遺体と共に埋葬されたのが唯一の救い。

  • BLACK無糖好き

    [ヴィータ]:薬物依存症患者・精神病患者・高齢者など社会から遺棄された人々を収容するブラジル南部の保護施設。◇人類学者の著者が同施設に収容された一人の女性のライフ・ヒストリーを通して、人間が生産性という基準で選別され、排除される社会のメカニズムを解き明かす。◆正直、かなり心を揺さぶられた。人は誰でもその人だけの物語を持っている。ただ黙って死を待つだけの存在ではない。生きる尊さ。人類学・民族誌の新たな可能性まで感じさせてくれたこの作品に出会えた事に感謝したい。

  • ぴーまん

    医療者側として読むと暗い気持ちになる。構造的な暴力に対して精神医学はあまりに無力で、ときにはその一部にさえなってしまうというのが恐ろしい。 丁寧な聞き取りを通じて、ひとりの人間がジェンダーや難病によって社会の中で徐々に周縁化され、精神医療の枠組みで取り扱わるようになり、やがて遺棄されるまでの過程がありありと描かれている。一方で、精神疾患の取り扱い方というか、構造的暴力の被害者である人間の主体性を主張するために(生物学的な意味での)「精神疾患がない」ことを証明しようとする姿勢には違和感を覚えた。

  • aof

    やーおもしろかった。ここ最近で一番面白かったな。 ライフヒストリーから社会を見ていく手法って知らなかったから、人類学の可能性をめちゃくちゃ感じた。 その一方で、私はカタリナを疎外する体制の側にいるよなと突きつけられているようで自分の仕事のあり方、私は仕事の力を使ってなにをやってるんだろうと考えさせられた。 個人の具体と、組織の文脈ってどうつなぎ合わされるといいんだろうなぁ。

  • Y.Yokota

    圧倒的だった。ラテン語で「生」を意味するブラジルの保護施設"Vita"は、名前とは裏腹に社会から遺棄された人々が死を待つような施設になっていた。人類学者の著者はそこの住人の1人カタリナがどのような過程でヴィータに来るに至ったのか調査し、社会や家族から疎外、というか遺棄される環境を暴き出していく。哲学的立場からはじまり、ブラジルの社会情勢も含めていかに多くの組織や人々が遺棄に加担しているか、紐解いていく様は快くも恐ろしい。

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