ジュリアーノ・ダ・エンポリ

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クレムリンの魔術師

ジュリアーノ・ダ・エンポリ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560094686
ISBN 10 : 4560094683
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
林昌宏 ,  

Content Description

彼は「クレムリンの魔術師」として知られていた。ヴァディム・バラノフは、ロシアの皇帝の黒幕になる前はTVのリアリティ番組のプロデューサーだったという。“私”はある夜、SNSで知り合った人物からモスクワ郊外の邸宅に招かれて、その祖父の代からの「ロシアの権力の歴史」を知る。ヴァディム・バラノフには、舞台芸術アカデミーで演劇を学んだ青春時代、ヒッピーの両親をもつクセニアという美しい恋人がいたという。ロシアのプロパガンダ戦略や、ウクライナとの戦争において、ヴァディム・バラノフはどんな役割を担っていたのだろうか?エリツィン、クリントン、メルケル…実在の政治家たちも実名で登場し、ソチ冬季オリンピック開会式で赤軍合唱団にダフト・パンクを歌わせた史実なども挿話され、プーチンの権力掌握術やロシアの国民感情が語られてゆく。迫真のリアルポリティーク小説(全31章)。2022年バルザック賞受賞、ゴンクール賞最終候補など、話題沸騰のベストセラー!アカデミー・フランセーズ賞受賞作品。

【著者紹介】
ジュリアーノ・ダ・エンポリ : 1973年、イタリア人の父親とスイス人の母親との間にパリで生まれる。ローマ・ラ・サピエンツァ大学を卒業し、パリ政治学院にて政治学で修士号を取得。フィレンツェ市の副市長、そしてイタリア首相のアドバイザーを務めた後、現在はパリ政治学院にて教鞭をとる

林昌宏 : 1965年、名古屋市生まれ。翻訳家。立命館大学経済学部経済学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • absinthe

    ロシア人の物の見方が良く判る本。架空の大統領補佐官の独白を綴ったという体裁の小説。小説らしい興味深さは無いが、どこかミステリ風でもあって、プーチンの真に迫った描写は興味深い。世間には、モラハラパワハラDV夫に盲目的に尽くしてしまう破滅的な依存女がたまにいるが、ロシア人とロシア指導者の関係はそれに似ている気がする。こういう女は自分に誠実な優しい男は眼中に無いため、次に選ぶのも似たような男である。皇帝の時代、共産主義の時代、資本主義の時代、独裁大統領の時代。破滅的に繰り返している。優しい男が嫌いなのだ。

  • 天の川

    凄い…。この小説が書かれたのはウクライナ侵攻の1年前。語り手のモデルはプーチン政権のイデオロギーを作り上げた「灰色の枢機卿」(この本では「クレムリンの魔術師」)。ソ連崩壊後の資本主義導入による混乱とオリガルヒの登場、プーチンの国民感情を操作する手法、「主権民主主義」を掲げる彼の帝国を作り上げる経緯が語られる。愛国心、宗教への忠誠…世界には様々な価値観が存在し、プーチンに限らず権力者はそれを巧みに操作する。欧米の価値観が絶対的な世界標準ではない。だからと言って無辜の人々の命が奪われていいはずは決してない。

  • Sam

    敢えて言えばノンフィクション小説と呼ぶのだろうがそれはどうでもいい。ロシアやウクライナに関するつまらない新書を読むくらいなら絶対に本書を読むべきで、それくらい本書は面白くかつ勉強になる。著者はロシア人であろうと思ったら実はパリで学んだ欧州人と知って驚いた。ロシアに住んだことのない人間がロシアについてこれほどの洞察力を持てるものだろうか。本書のテーマは「権力」であるが、「クレムリンの魔術師」の一人語りを通してロシア的権力、それを体現したプーチンや伏魔殿としてのクレムリンの姿を鮮やかに描きだしている。傑作。

  • たま

    原著は2022年3月刊。架空の人物バラノフ(実在のロシア大統領補佐官がモデル)がロシア政治を語る。対象はプーチンはじめ実在の人物で、記事では書けない部分を小説で読ませる仕掛け。一人語りが単調で小説としての面白味は感じなかったが、ソ連崩壊後の混乱、プーチンの登場、プーチン一派の【ロシアは偉大なのに欧米にやられている式】考え方、或いはプーチンの政敵らの俗っぽい人物像などは分かりやすい。ウクライナ侵攻から1年、プーチン一派にはうんざり、反対派にも全く期待できそうにないことが良く分かった。

  • ヘラジカ

    「皇帝の帝国は戦争から誕生した。よって、この帝国が最終的に戦争に至るのは道理だった。」大部分が史実をベースにし、実在の人物がモデルにあるとは言え、会話や政治論を語る筆致があまりに自然で驚いた。途中まで完全なノンフィクションかと思っていたくらいだ。クレムリンの魔術師が”話”を終えても、この物語自体、皇帝の独演はまだ結末を迎えていないという事実に慄く。今なお進行するウクライナ戦争への道程、前夜を描いた小説として素晴らしかった。陳腐な言い方ではあるが、これこそ今読むべき一冊である。傑作。

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