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ISBN 10 : 4862557759
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その男、幻獣につき
この男の後ろにいるのは、エムバペか、ムバッペか、はたまたンバペか‥‥私たちは知らない
彼はひとつの理想であり、約束であり、夢をみる権利の象徴でもある。
わずか数年で、キリアン・エムバペは世界の頂点へと登りつめた。ひとつの「声」となり、モデルとなった。コパ、プラティニ、ジダンと並んで、フランスサッカーの殿堂入りを果たすのに時間はかからなかった。そして、あのペレから認められるという栄誉をすら手にしたのだ。
彼は自分のやり方で支配する――ボールによって。
彼は自分のルールを押しとおし、人々を魅了し、驚かせる。
国家、監督、チームメイト――誰も彼には抗えず、誰も彼から逃れられない。
彼を見つめ、彼の言葉に耳を傾けることは、社会の鼓動を聴くことだ。
エムバペはすでに「歴史」を書きあげた。
残されているのは、その続きを書くことだけである。
プロローグ 現象
第1章 現代サッカーのリヴァイアサン 数字の重み/数字の力/「ミスター・パーセンテージ」あるいは肉食動物の出現
第2章 確かな価値 アンチ・ネイマール/フォローする、フォローされる/正しい値段、価値の問題/リスクは別のところに
第3章 話題の人物
第4章 たった一人、彼だけのメディア 出発からのメディア現象/自分の時代に属すること/すべてが違っているという印象
第5章 エムバペ、登録されるブランド エムバペInc.R/ブランドになる/コピーライトと登録ブランド/
第6章 新世代を予感させる選手 厄介な君主の助言者/キリアンと《リキッド・モダニティ》、私達の時代の物語
第7章 エムバペあるいはインフルエンサーの合法性 才能の専制政治、権力をもつサッカー選手/「私」の時代/ナルシスの失墜
第8章 メイク・キリアン・グレート・アゲイン 二一世紀のフランス人は一人のアメリカ人である
第9章 私たちが見たいフランス 体現する者/フランスの天才/解放する者/私たちが望むフランスの姿
第10章 フランスで最初の政治的人間
第11章 外国に向けたフランスの顔 フランスの最初の一人/ショーウィンドーとして/ソフト・パワーとエムバペ/
第12章 キリアン一族、成功の坩堝 キリアンのルーツ/ボンディー、そして世界/どのようにして成功する?
第13章 エムバペ現象の限界 リーダー? どんなリーダー?/激突の感覚、愛情の不在
第14章 マラドーナ、プラティニ、ジダン‥‥歴史のなかの場所はどこに?
第15章 愛の物語はパリで破局する あまりにも、あまりにも/起こり得ない契約延長の不在
第16章 キリアン、彼はまだ世界が待望する存在ではない
第17章 マドリード、ただそれだけ‥‥
夢と現実/その間にも‥‥/そしていま‥‥?
エピローグ そして? キリアン大統領?
【著者紹介】
ジャン=バティスト・ゲガン : フランスにおけるスポーツ地政学の専門家の一人。特殊コンサルタントであり、パリで教鞭も執っている。講演者、ジャーナリスト、そしてパリ・サンジェルマン(PSG)のサポーターでもあり、現代スポーツの諸問題に関する著書を十数冊執筆。パリ在住
クレマン・ペルニア : ジャーナリストおよびコメンテーターとして、カナル・プリュスやCNewsなど複数のメディアで活動中。著書は4冊あり、そのうち2冊はパリ・サンジェルマンの歴史を扱っている。パリ在住
陣野俊史 : 1961年生まれ、長崎県長崎市出身。フランス文化研究者、作家、文芸批評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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