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ISBN 10 : 4622085259
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19世紀になって、ダーウィンを筆頭とする科学の発達が、はじめてキリスト教会の権威に打ち勝った。それは、ドイツ、フランス、イギリスに、期せずして偉大な「思想家」たちが誕生した時代でもある。まるで、無数の水滴がひとつの「歴史」という大河に合流するかのように、19世紀は、一方で経済を基盤にした帝国主義を発展させ、他方で、民主主義を大きく前進させた。そこで視野に入ってくるのは、イギリスが繁栄を謳歌したヴィクトリア時代であり、カール・マルクスにはじまる社会主義の黎明であり、アメリカの南北戦争であり、アイルランド自治独立問題の先鋭化である。しかしネルーは、「民主主義」なるもののはらむ複雑な問題点と限界を、透徹した洞察力で見抜き、けっして見逃さない。20世紀に突入する直前の時代が、厚みと含蓄に富んだ歴史として、ふたたび語られる。
目次 : 回顧/ イラン文化の伝統/ ペルシアの帝国主義と民族主義/ 一八四八年のヨーロッパ/ イタリアの統一と独立/ ドイツの勃興/ 大思想家たち/ ダーウィンと科学の勝利/ 民主主義の前進/ 社会主義の黎明〔ほか〕
【著者紹介】
ジャワーハルラール・ネルー : 1889‐1964。インドの政治家、民族独立運動の指導者。英国の支配に抵抗、1945年までに下獄9回、人生の最盛期を獄中に過した。この間、ガンディーの不服従非暴力運動にも協力した。1947年の独立とともに首相、外相および連邦関係相を兼ねた。49年連邦首相会議、55年憲法の成立、51年インド経済5カ年計画、54年ジュネーヴ会議、55年バンドンのアジア・アフリカ会議と内政に外交に多面的な活躍をした。その反帝国主義、反植民地主義、反人種差別主義には戦後世界をリードしていく歴史感覚と民衆への愛情があった
大山聰 : 1915年東京に生まれる。1938年東京大学文学部卒業。早稲田大学、東京都立大学教授、成城大学文芸学部教授、および東京芸術大学、早稲田大学講師を歴任。2002年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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