Books

いやいやながらルパンを生み出した作家

ジャック・ドゥルワール

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336063830
ISBN 10 : 4336063834
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

フランスの地方都市ルーアンに生まれ、モーパッサンやフロベールの衣鉢を継ぐレアリスムの小説家としてそのキャリアをスタートさせたものの、妹である大女優ジョルジェットの蔭で単なる売れない一作家だったルブランは、40歳を越えたときに、ふとしたきっかけから怪盗ルパンを生み出す。ルパンは瞬く間に華々しい人気を得て、作者のルブランは華やかな名声と富を手中にするのだが…「つらいんだ。ルパンの奴はどこへでも憑き纏ってくる。ルパンが私の影ではなく、私のほうがルパンの影なのだ」江戸川乱歩や横溝正史をはじめとした数多くの作家たちに大きな影響を与え、現代のアニメ『ルパン三世』にいたるまで、日本でも絶大な人気を誇る“怪盗紳士アルセーヌ・ルパン”の生みの親、モーリス・ルブランの初の決定版伝記。

目次 : 少年時代(一八六四‐一八七八)/ 青年時代(一八七九‐一八八七)/ パリ征服(一八八八‐一八九二)/ モーパッサンの弟子(一八九三‐一八九八)/ 苦しい時(一八九九‐一九〇五)/ ルパン誕生(一九〇五‐一九〇七)/ ルパンのベル・エポック(一九〇七‐一九一〇)/ 大衆作家(一九一〇‐一九一四)/ 戦争(一九一四‐一九一八)/ つづまやかな小説家(一九一八‐一九二四)/ ルパンからの逃亡?(一九二四‐一九二九)/ ルパンの永遠なる作者(一九三〇‐一九三三)/ 最期の日々(一九三四‐一九四一)

【著者紹介】
小林佐江子 : 1971年生まれ。学習院大学人文科学研究科フランス文学専攻博士課程後期単位取得満期退学。ベルギー・リエージュ大学博士課程留学。現在、中央大学商学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
☆

4.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
1
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
期待していた本が、やっとでた。そんな気が...

投稿日:2021/04/29 (木)

期待していた本が、やっとでた。そんな気がする。本格的な文学者を目指す「モーリス・ルブラン」が、「ルパンの作者」として、大衆作家でおわる。また、舞台劇(宝塚でも!?)になった身内の文学者「メーテルリンク」との複雑な感情的な葛藤。それは、「メーテルリンク」が、ノーベル賞受賞者となるに及んで、更なる苦悩になる。また、ベル・エポックに生きた芸実家の不運もある。晩年には、ナチスに悩まされる。同じベル・エポックの代表作の画家ミュシャのように獄死するようなことはないが、要監視の対象者となり第二次世界大戦下で亡くなった。時代に翻弄された大衆作家。非常に興味深くあります。

カニさん さん | 兵庫県 | 不明

0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 星落秋風五丈原

    シャーロックをライヘンバッハから突き落としたかったドイルの気持ちがわかるかもしれないルブラン。女優の妹さんがとても美人なのだけれど老いてゆくうちに貧乏に。

  • engidaruma2006

    世界的に有名な怪盗ルパンを生み出したルブランの伝記。 伝記なのでルブランの生い立ちから詳細に書かれているが、正直、少年期や青年期の部分を読むのは退屈だった。小説家・戯曲家として全く売れず、生活の為に止むを得ず書いたルパン物の短編が思いもよらず大ヒットし、人生が変わっていく辺りからがやはり面白い。ルパン物が売れに売れて成功者にはなっても、それ以外の戯曲がヒットしない事への葛藤も描かれ、老いていく晩年の描写なども重くて寂しい。それでも、初の完全な伝記としては読めて良かった。

  • nranjen

    小学2年の時、近所に新しい小学校が出来て移ったのですが、何もかも新しい図書館(嬉しい!)で、背の小さい自分でも届く場所に置いてあったルパンを一冊、さらに一冊、結局全冊、図書館に入り浸って読んでしまった…という読書体験を可能にしてくれたルブラン。ほのめかされているモーパッサンとの関係もこの本を読むとわかる気がするし、何よりメーテルリンクとの意外な繋がりに驚き!第一次大戦前の雰囲気や交友関係、色々面白いです。占領後も短い期間ですが存命だったのが意外でした。このボリューミーな本の訳者に感謝。

  • パトラッシュ

    ホームズの父ドイルには多くの伝記や研究書があるが、ルパンの父ルブランについては文庫の解説程度しかなかったところへ初の詳細な伝記が出た。題名の「ルパン」を「ホームズ」に変えたならドイルの伝記に流用できるほど、揃って富と名声をもたらしたキャラクターを嫌っていた事実に驚く。作家として目指すところではなく気まぐれで創造した探偵や怪盗で歴史に残るのが耐えられなかったか。特にフローベールやモーパッサンに師事していたルブランには自分の無能さを証明させられたか、巨大な存在になった息子の陰に隠れた気分だったのかもしれない。

  • kan143

    誰もが知っているアルセーヌ・ルパンの、誰も知らない作者の伝記。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items