ジェームズ・ティプトリー

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愛はさだめ、さだめは死

ジェームズ・ティプトリー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784150107307
ISBN 10 : 4150107300
Format
Books
Publisher
Release Date
August/1987
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

自然と本能のまえにとまどう異星生物のライフサイクルを、斬新なスタイルで描き、1973年度ネビュラ賞に輝く表題作ほか、コンピュータによって他人の肉体とつながれた女の悲劇を通して、熾烈な未来社会をかいま見せ、1974年度ヒューゴー賞を獲得したサイバーパンクSFの先駆的作品「接続された女」、ユカタン半島に不時着した飛行機の乗客が体験した意外な事件を軸に、男女の性の落差を鋭くえぐった問題作「男たちの知らない女」など、つねにアメリカSF界の話題を独占し、注目をあつめつづけたティプトリーが、現代SFの頂点をきわめた華麗なる傑作中短篇全12篇を結集!

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 催涙雨

    機械に繋がれた見目の良くない女性が美しく偶像的で素敵な生活を送ることを義務付けられた肉体をオペレートする。その過程でアイデンティティの所在が曖昧になっていく。世界に見放された人間が、偽物の身体でシミュレートする人生と自分を混同していく姿には読者に痛みに近い感覚を与える悲愴さがある。Pバークとポールの出会いは壮絶であまりにも哀しい。「接続された女」は設定もシナリオも文句のつけどころのないすばらしい作品だった。あとは「エイン博士の最後の飛行」「断層」「最後の午後に」も割りと好み。

  • miyu

    何度も言うが私にはSFを読みこなす素質も感性もない。そういう人間にとってこの本は難儀だ。SFのプロ的な読者の皆様は「は?なに?このアヴァンギャルド理解出来ないわけ?信じられない!」と思われるだろう。ええ全く解りません(太字強調・笑)正直言って最近ようやくSFに触れ始めた自分にとってはどれも目新しくないのだ。しかし私が今までどっかで読んだであろうSFまがい作品こそパクリであったのだと今さらながらに気づいた。ほぼ1970年代初め発表作品だと思えばその着眼点やら展開は確かに驚きだし、彼女が元祖なのは間違いない。

  • zirou1984

    俺の選ぶ厨二病を煽り立てるタイトルで賞第1位。かっこいい。特徴のある文体は時代がかった翻訳だからか原文からなのか。表題作以外にも「すべての種類のイエス」「乙女に映しておぼろげに」のタイトルは痺れるものがあるし、内容で言えば表題作に加え「接続された女」辺りは割と面白い。が、この短編集、最初と最後の解説がある意味本編並に面白いことになっていて正直感想に困っている。小説も面白いはずなのに、どう考えても著者の人生がそれ以上にとてつもないことになっているのだ。内容も含め、ここまでぶん投げられた感は久々な読書体験。

  • とも

    ティプトリーの第2短編集。2冊目にして既に傑作量産体制。再読。 「エイン博士〜」いまの時代に読まれる一篇、予言の書。「接続された女」これも予言の書、VTuberは読まない方がいいかも。「男たちの知らない女」迷いなき母娘、すごい。「愛はさだめ〜」本能に支配される動物(昆虫?)達、再読の方がすごさを感じる。「楽園の乳」離れた故郷と思わぬ帰還。望郷はティプトリーの中心テーマのひとつ。 前に読んだのはSF読み始めの頃。それ以来で久しぶりだったが古臭くなくとても新鮮だった。必読本。

  • Apple

    エイリアンの存在とそれとの交流によって、ヴェールが除かれる人間社会の姿、個人と種族の捉え方に関するアイデアが共通して描かれていたように思いました。「男たちが知らない女」とかキレがあるなあと感じました。「男たちは戦いに明け暮れるが女性は戦場そのものだ」みたいな一文が印象に残りました。本能的な欲望と生殖の営みを描いていると思しき表題作は想像力を働かせて読んでみないといけないのでしょうがよく分からなかったのが正直なところ。しかし優れた骨太SF短編揃いなので、その中でよいアクセントと言えるのかなと思いました。

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