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セックスロボットと人造肉 テクノロジーは性、食、生、死を 征服 できるか

ジェニー・クリーマン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784575317367
ISBN 10 : 4575317365
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「性愛」「肉食」「生殖」「自死」。
それはテクノロジーの、最後のフロンティア。

高性能AIを搭載し、あなたの欲望をすべて叶えるロボットは「完璧な伴侶」になりうるか?
人工で培養した肉は動物たちの権利を守り、気候変動を防ぎ、地球を救うだろうか?
妊娠も出産も、代理母すら必要ない人工子宮による生殖は本当に女性たちを社会的に救うのか?
人間にとって「満たされた、完璧な死」とは何なのか……?

科学と倫理の境界でゆらぐ、21世紀の性、食、生、死。生命倫理、暴走する資本主義、ジェンダーとフェミニズム、気候変動、管理社会、ウェルビーイング……様々な命題が複雑に絡み合う最新技術開発の最前線で、気鋭のジャーナリストがその進歩や課題、あるいは華やかなシリコンバレーの起業家たちをはじめとしたプレイヤーの虚実を5年にわたって現場取材し、21世紀の「人間性」のゆくえを考察した、グレーな近未来ガイド。
Jenny Kleeman “SEX ROBOT & VEGAN MEAT - Adventures at the Frontier of Birth, Food, Sex and Death”の完訳。
[本書概要]

人間性の根幹ともいえる領域に、科学はどこまで介入を許されるのか?
そして、科学にすべてを委ねたとき、私たちの人間性はどうなるのか?

本書は「テクノロジーがすべてを解決する、バラ色の未来」を称揚するものではありません。その最前線で研究、ビジネス、議論を続ける人たちを取材しながら、むしろ「その未来は本当にバラ色か?」「高度に発達したテクノロジーは、私たちの生命倫理や人間観をどう変えてしまうのか?」という疑問が綴られたものです。

・高性能AIを搭載し、性欲や孤独を満たすことを含む「あらゆる欲望を叶えてくれる理想のパートナー」に見えるロボットは、人間から他者を尊重し健全な関わりを持つ能力を奪うことにならないか?

・動物を殺さず、良心の呵責もなく食べられる「最初から命をもつことなく作られた食肉=培養肉」は果たして動物の権利を守り、私たちの文化をよりよいものにするのか?

・誰ひとり妊娠も出産もせず十月十日の胚胎を可能にし、誰でも子供が持てる「人工子宮」は子を求める人の福音になりうるが、母体や、女性の社会的な権利を危うくもするのではないか?

・自らの生命をいつでも、好きな時に、快適に終えることのできる尊厳死マシンを作り、超高額で売る人たちは、本当に人々が求める「満たされた死」のことを考えているか?

こうした命題とともに展開されるルポルタージュを読み進めるにつれ、我々に耳なじみのないテクノロジーの最前線を紹介する本ではなく、むしろレトロスペクティヴな未来像、我々がこれまでに親しんできた数々の創作やディストピアSFが現実化した近い将来の世界の青写真を見ているような気持ちになるかもしれません。

マーガレット・アトウッドやジョージ・オーウェル、オクテイヴィア・バトラー、村田紗耶香、カズオ・イシグロ、伊藤計劃、新井素子、手塚治虫、萩尾望都、スパイク・ジョーンズ、リドリー・スコット、早川千絵、あるいは小島秀夫……。
数えきれないほどの作家の想像力を刺激してきた「生命科学、管理社会、資本主義が行きつくところまで行った世界で、私たちの人間性はどうなってしまうのか?」という問い。本作で描かれるのは、それが今まさに現実のものとなろうとしている最前線の風景です。そして、その果実や恩恵が少数の富める者に独占されていく世界への警鐘を込めた、近未来のガイドブックといえます。


[目次]

PART1 セックスの未来:「完璧な伴侶」よ、眼ざめよ
第1章「魔法が生まれるところ」
第2章 幻想のパートナー
第3章「ロボットなら痛くもかゆくもない」
第4章 人のようなモノ、モノのような人

PART2 食の未来:クリーンな肉、クリーンな心
第5章 牛の強制収容所
第6章 肉を愛するヴィーガン
第7章 あっちの水はにがいぞ
第8章 支配欲の味

PART3 生殖の未来:母胎のいない子どもたち
第9章 妊娠ビジネス
第10章 バイオバッグ
第11章 非の打ちどころのない妊娠
第12章「もう女に用はない」

PART4 死の未来:機械仕掛けのメフィスト
第13章 死のDIY
第14章 「自殺界のイーロン・マスク」
第15章 「完璧な死」とは何か

装丁・デザイン:畑ユリエ


[著者・訳者プロフィール]
著者:ジェニー・クリーマン
ジャーナリスト、ドキュメンタリー製作者。『ガーディアン』『トータス』『タイムズ』『サンデー・タイムズ』などに記事を執筆。これまでBBC One「パノラマ」、チャンネル4「ディスパッチーズ」、HBO「ヴァイス・ニュース・トゥナイト」の記者として活動したほか、チャンネル4「アンレポーテッド・ワールド」で13のドキュメンタリーを製作。現在はタイムズ・ラジオ「ブレックファスト」の司会(金曜〜日曜日)を務めている。本書が初の著書となる。


訳者:安藤貴子(あんどう・たかこ)
英語翻訳者。訳書に『シリコンバレー式 心と体が整う最強のファスティング』(CCCメディアハウス)、『ロケット科学者の思考法』(サンマーク出版)、『無人戦の世紀』(共訳、原書房)、『約束してくれないか、父さん』(共訳、早川書房)、『私たちの真実』(共訳、光文社)など。


【著者紹介】
ジェニー・クリーマン : イギリスのジャーナリスト、ドキュメンタリー製作者。『ガーディアン』『トータス』『タイムズ』『サンデー・タイムズ』に記事を執筆。これまでBBC One「パノラマ」、チャンネル4「ディスパッチーズ」、HBO「ヴァイス・ニュース・トゥナイト」の記者として活動したほか、チャンネル4「アンレポーテッド・ワールド」で13のドキュメンタリーを製作。現在はタイムズ・ラジオ「ブレックファスト」の司会(金曜〜日曜日)を務めている。『セックスロボットと人造肉―テクノロジーは性、食、生、死を“征服”できるか』が初の著書となる

安藤貴子訳 : 英語翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • やいっち

    著者は、イギリスのジャーナリスト、ドキュメンタリー製作者ということで、分かりやすく興味深く書いてくれている。やや著者の<健全な>価値観、常識に囚われすぎの感は否めないが、我々一般の常識の立場からの最新テクノロジーの実情を迫ってくれている。というか、ややはったりめいた起業家も多いようという心証を抱いておられると感じる。

  • Vakira

    人間は生物であるので生きるための必須の行動は、今を生かす食と命を繋げる生殖だ。これは生物としての自然な欲求。この本、この題名何?大好きなエロスとSF?なんて想像してしまいますが、実はこの自然欲求に対しての人間コントロールへの挑戦ノンフィクション。著者クリーマンさんが記者となって最新情報を聞きまくる。アンドロイドは突き詰めると性の処理役になってしまうのか?それともパートナーの代役となりうるのか?動物性タンパク質は他で代用できるのか?同性愛カップルに自分の遺伝子の子供は持てる?そもそも人工子宮は実現可能?

  • くさてる

    副題の通りに、本来は生きた人間だけが持つ営みを人工的なもので代用するテクノロジーについて取材したジャーナリストによるノンフィクション。とりあえず、こういうセンシティブな問題に関しては、取材する側は中立あるいは偏見抜きの健全な好奇心を持ってほしいと思うのだけど、この著者ははそうでなく……。最初のセックスドールの章で、「ああ、このひとはこういうものを必要としている人間のことを根本的に不健全で歪んだものだと認識してるんだ」と思ってしまって、無理、となりました。他の章も同様な感想です。

  • ロア

    「もし、一切の妥協がいらない理想のパートナーが手に入り、動物を殺さなくても肉が食べられ、妊娠しなくても子供を持て、苦しみのない死が得られるとしたら、人間はいったいどうなるのだろうか」テクノロジーの進歩を簡単に礼賛せず、敢えて強力に猛烈に疑ってかかり、決しておもねらない姿勢は好感度大!これこそ真のジャーナリズムってもんじゃないですか?!原書自体がもともと良いのか翻訳が良いのかその両方なのか、めちゃくちゃ読みやすくて面白かったです(*´ω`*)

  • 香菜子(かなこ・Kanako)

    セックスロボットと人造肉 テクノロジーは性、食、生、死を“征服"できるか。ジェニー・クリーマン先生の著書。セックスロボットと人造肉ができてテクノロジーが性、食、生、死を“征服"できたとしたら、人間社会は大きく変わっていく。セックスロボットと人造肉ができてテクノロジーが性、食、生、死を“征服"できたとしたら、人間は人間でなくなってしまうのかも。セックスロボットと人造肉ができてテクノロジーが性、食、生、死を“征服"できたとしたら、人間の存在価値はなくなってしまうのかも。

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