ジェニファー・イーガン

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ならずものがやってくる ハヤカワ文庫

ジェニファー・イーガン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784151200823
ISBN 10 : 4151200827
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ふと目に留まった見知らぬ人の鞄と、そこからのぞく財布。サーシャはこらえきれず財布に手を伸ばすが…。問題を抱える若い女性と、その上司の元パンクロッカーからはじまる物語は、過去と未来を行き来しながら、二人が人生の軌跡を交えた人々につながっていく。あふれる詩情と優れた構成で描かれる、さまざまな生の落胆と希望。世界的ベストセラーとなったピュリッツァー賞、全米批評家協会賞受賞作。

【著者紹介】
ジェニファー・イーガン : 1962年、シカゴ生まれ。ペンシルヴァニア大学卒業。1993年に短篇集Emerald Cityを刊行。1995年に発表した初の長篇『インヴィジブル・サーカス』はベストセラーとなり、映画化された。長篇第二作Look at Me(2001)で全米図書賞最終候補となり、『ならずものがやってくる』でピュリッツァー賞、全米批評家協会賞、ロサンゼルス・タイムズ文学賞、全英図書賞(国際部門)を受賞。ニューヨーク在住

谷崎由依 : 京都大学文学研究科修士課程修了、作家、翻訳家、近畿大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイ

    親もつらいのだと子供は理解するべきなのか。サーシャがそうしてしまう原因は? ルルは? 子は親を見ている。親も子の反応を観察している。みな、傷つきやすく、深く傷ついている。うまくいく離婚なんて、子供からしたらないのじゃないかとは言ってはいけないことだ。親もつらいのだから。それをこうやってバラバラに書くことでうまく表現されているなと思う。1番愛すべきなのは、釣った大きな魚をプレゼントにしようと思った男。たずねたいのは、流された男は、どこから語っているのかということ。

  • Willie the Wildcat

    青春時代からそれぞれの道。〇☓世界は同じも、過程に差異。視点が異なることで、同じ世界にも差異。解は、”構造性”か。嫌悪、憤慨、愛着、不適合、欲望、執着、そして不満・・・。60年代後半のUS反戦・ヒッピー時代を彷彿。「A」から「B」は時に主副、時に主主。人生の転機ではあるが、そこに持続性。人生の表裏を踏まえた紆余曲折の中、前進する1人1人姿勢と関係性の変遷、特に”再構築”に共感。人の歩む道って、〇☓だけじゃないんだよなぁ。

  • ちえ

    13の章はそれぞれ主人公が違いながら少しずつ登場人物が重なっている。途中でA,Bと分かれていて、解説を読んでやっとわかったのだがレコードアルバムの様な凝った作りになっている。各章の作りも独特。60年代から現代、あるいはもう少し先のアメリカの変わり様をニューヨークを舞台に描いていて、読み終わる頃に、時間は過ぎていながら始めに戻っているようにも感じた。アメリカのロック事情を詳しければより楽しめただろう。◆ガーディアン1000

  • つねじろう

    最初、くやもなるっのらてがずと読んでしまった。出足と云うか序盤は取っ付き難い。だってピューリッツア賞だもの。途中でレコードのアルバム仕立てと云うことに気付いたら読み易くなった。高校時代のパンクバンドメンバーの光と影。その過ごした時間は誰にとっても平等なはずなのに結果は其々違うという皮肉や残酷さを物語つつでもそれ一辺倒じゃないんだぞ的な気持ち良い裏切りもある。各々の章の視点や文体の違い(パワポで度肝を抜かれる)で惑わされてはいけない。本当のボーカルの声に耳を貸さないとならずものを見過ごしてしまう。傑作です。

  • kieth文

    "人に歴史あり"は番組名だがこの小説はその名言を思い出させる。主人公のベニーは若い頃からバンドを組み、プロデューサーのルーの下で働いて、後にはレコードレーベルの創始者となり成功を収めた。その人生に深く関わるサーシャのこれまた人生も深掘りされてゆく。 一つ言えることは、若い時はみんな希望に満ちて将来のことなんて何も考えず能天気にしている。そして時は誰彼の区別もなく過ぎてゆくということ。この物語はまさにその"時"が主題だ。「時間ってやつは、ならずものだ。」と今は落魄れたかつてのスターが言うシーンが印象的。

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