ジェイン・オースティン

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マンスフィールド・パーク 下 岩波文庫

ジェイン・オースティン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003222287
ISBN 10 : 4003222288
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

周囲の皆が大賛成する結婚話をどうしても受け入れないファニー。自分の恵まれた環境に気づかせようと、伯父のサー・トマスはファニーを貧しい実家に里帰りさせる。だがその間に、マンスフィールドに関わる人びとには次々と思わぬ出来事が起こり―。本作理解の鍵となる戯曲『恋人たちの誓い』も、本邦初訳で全編収録。(全2冊)。

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • まふ

    下巻ではファニーが結婚申込者ヘンリーはもとより準男爵のサー・トマスなどの説得を振り切って結婚を拒み続ける。そのうちにヘンリーがバートラム家から他家に嫁いだジューリアと駆け落ちする事件が発生し、事態は急転する…。最後はハピーエンドとなるが、ジェイン・オースティンの相も変らぬ登場人物設定の的確さ、それぞれの語り口のうまさにしびれながら読んだ。ファニーの性格が暗いという批判があるようだが、むしろその性格だからこそ一途に思い通りの世界を導き出す力となったのではないかと思った。味わい深い作品である。G1000。

  • みつ

    熱烈な求婚に伯父のサー・トマスも同意し、次第に包囲網が狭められていきながらも自己を曲げないファニー。居心地が悪そうなマンスフィールド・パークから実家へ戻るが、自分の居場所はここではないと再発見する。そこから新たにもたらされる情報は驚きの連続で、そのいくつかは霞んでしまいそうになる。終わり近くでさらに展開を速め、最後に主人公の落ち着く先は冒頭から予感していたもの。ただ、他の作品ほどハッピー・エンドの感が少ないのは、複雑な本作の構成によるものか。そのあたりの事情は、特異性にも着目した充実した解説で納得できた。

  • フリウリ

    自然主義以前では、「善」寄りの人々と「悪」寄りの人々との戦いでは、「善」の人々が勝つことは当然であり、どのように決着がつくのかを楽しみに読みました。興味深かったのは、「悪」の人々は、どれほど改心を求めても改心は得られない、その理由は育てられた「環境」だ、ということを細かく説明する最後の部分で、親の悪影響を受けたクローフォド兄妹、ノリス夫人の悪影響を受けたマライアは、ノリス夫人ともども舞台から去っていきます。ツッコミどころはありますが、人間個人、および人間関係の精緻な分析と構築を、十分に味わいました。8

  • ひでお

    読み終わってみて、最初はやっぱりオースティンだなあというのが印象でした。まるでキラキラした少女漫画のような、と一見そう思えるのですが、付録になっている戯曲と、そして解説を読むと、そう簡単ではない作品の性格が見えてきます。ハッピーエンドに見えて、果たしてそうなのか?登場人物の感情は物語の中でどう変わったのか?おそらく何度か読み返してオースティンの本音が垣間見えるのかもしれません。

  • amanon

    上下合わせて八百頁というヴォリューム的には大作に類するのだが、なぜかいわゆる大作感が希薄というのは、改めて考えると不思議。いみじくも訳者解説で、「根性が悪い」と評されているように、一見、朴訥とした平穏な風景を描いているようでいながら、時折皮肉やシニカルな表現が多々見受けられるのが肝か。また、ドラマチックな展開に乏しいといわれがちでありながらも、不倫や駆け落ち、大事故と十分にドラマチックな展開がありながらも、でもよくも悪くもどこか予定調和的な印象を受けるのも妙。後、ファニーの両親は、元祖毒親かもしれない。

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