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ISBN 10 : 4766424107
Content Description
1970年代の終わり、フランスの人々は、日本の前衛芸術「舞踏」を大きな衝撃をもって迎え入れた。大野一雄、カルロッタ池田、山海塾、室伏鴻、笠井叡、そして土方巽…多くの日本人ダンサーがフランスで“発見”された。本書は、舞踏がその上陸から今日まで、この地の人々を魅了しつづけている歴史を跡付けている。舞踏の伝播は、あらゆる「誤解」とともに、ここではないどこかへ、日本への欲望を引き起こしながら、コンテンポラリーダンスの領域に途方もない影響を与えたのである。フランスのジャーナリズムと“身振り”の分析を駆使して、美学と文化史の観点から舞踏を論じることは、現代の舞踊史を読み直すことを意味する。「ジャポニスム」の歴史、ドイツ表現主義とのつながり、舞踏に関係づけられるヒロシマの記憶…舞踏をめぐるダイナミズムを明らかにし、身振りを介した日欧の歴史を亡霊のごとく浮かび上がらせる、革新的な日本文化受容論。
目次 : 序論 身振りのグローバル化のなかに舞踏をよむ/ 第1部 「新発見」から聖別/公認まで(瞬く間に成功した歴史/ 唖然とした批評家たち)/ 第2部 さまざまな誤解がもたらした舞踏の再創造(多様な舞踏を「舞踏」にまとめる―単純化された美学的カテゴリー/ 「ヒロシマの灰の上に生まれた」…?/ 異国趣味への欲望)/ 第3部 コンテンポラリーダンスのなかにある舞踏への欲望(感覚のなかの他所/ ひそかな欲望―再び現れた表現主義の身振り)/ 結論 国を越え、断続的に形成される身振りの歴史
【著者紹介】
シルヴィアーヌ・パジェス : パリ第8大学舞踊学科准教授。パリ政治学院卒業後、パリ第8大学舞踊学科で博士号を取得。国立舞踊センターのデータベース「Artists and Works」管理担当。舞踊研究者協会(aCD)発行のWeb学術雑誌「Recherches en danse」の編集委員も務める。2009年、慶應義塾大学アート・センター、国際舞踊連絡協議会主催「国際舞踏カンファレンス」にゲストスピーカーとして招聘される
パトリック・ドゥヴォス : 1955年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。専門は、日本の舞台芸術、フランス演劇。1991年野間文学翻訳賞受賞
北原まり子 : 1983年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程(演劇映像コース)修了。現在、同大学院博士後期課程在籍中、パリ第8大学舞踊学科留学中
宮川麻理子 : 1985年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程(表象文化論コース)修了。同大学院博士課程単位取得満期退学。開智国際大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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