ショーロホフ / 米川正夫 / 漆原隆子

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人間の運命 角川文庫

ショーロホフ / 米川正夫 / 漆原隆子

User Review :3.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784042103134
ISBN 10 : 4042103138
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2008
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ロシアの孤児アンドレイは、貧しくも愛する家族と幸福を築いていたが、第2次世界大戦に出征中にドイツ軍の捕虜となり、長く過酷な収容生活を送る。そして脱出後に知った妻と子供達の死。全てを失い深い絶望の中で流浪のトラック運転士となった彼は、ある日1人の幼い戦争孤児に出会い…。1人の人間の小さな幸福、戦争による絶望、それを救う大きな人間を描いた表題作他、ノーベル文学賞作家による短編5編。

【著者紹介】
ショーロホフ : 1905‐1984。ロシアを代表する作家。南ロシアのドン地方の商人家庭に生まれる。中学生時代にロシア革命が起こり、のちに赤衛軍の食糧徴発部隊員として働く。1922年にはモスクワに出て肉体労働に従事。24年「ほくろ」で文壇デビュー後、短編集『ドン物語』『るり色の曠野』を刊行。その後帰郷し、そこで執筆を続けた。ロシア文学の最高傑作・大長編『静かなドン』でスターリン賞受賞。65年にノーベル文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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『人間の運命』の他に、『夫の二人いる女』...

投稿日:2012/03/08 (木)

『人間の運命』の他に、『夫の二人いる女』、『子持ちの男』、『るり色のステップ』、『他人の血』が収められている。 基本的にソヴィエト体制に沿った路線で書かれているが、ソヴィエト政権成立の際の地方での(ここではドン河流域)旧体制(老人の昔語りで物語られる。)と新政権との国内戦での悲劇が書かれていて、こういった惨劇があったのかと、歴史を伝える上で貴重な作品もふくまれている。そして、第二次世界大戦(対ドイツ戦)での悲劇も。 ゴーリキーの『母』などは、社会主義体制を造るうえで旧体制(帝政ロシア)を悪いものだと簡単にとらえているように思えるが、ショーロフの作品では、旧体制派(ここではコサックや白軍)の立場からも書かれており、それが新鮮だった。 これらの作品を読んでいて心に強く思ったことは、愛は主義を超えるものだということだ。 残念ながらこの物語では(歴史的事実にもあったのだろう。)主義というものによって愛する者を殺さなければならない悲劇に陥る。 また、19世紀の小説で地主や農民をテーマにした作品が多いが、その流れがしっかりと20世紀まで続き、ソヴィエト体制のもとでどうそれらのテーマが変化していったのかを考える上でも興味深い作品集といえる。 (ここでは古い体質の農家と集団として書かれている。)

ユローヂィヴィ さん | 大阪府 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 新地学@児童書病発動中

    ノーベル賞作家のショーロフの短編集。ロシアの自然を描くこの作家の筆致は匂い立つように美しい。読んでいると、まるで彼の地に立って、ドン川の流れを聞きながら、濡れた土の匂いを嗅いでいるような心地になる。それと対照的なのが政治と軍隊で、本来はそんなものにはあまり関係がない農民たちの生活を飲みこんで、破壊してしまう。自分の家族を皆殺されてしまい、戦争孤児との出会いによって救われる男を書いた表題作が一番心に残った。戦争で独りぼっちになってしまった二人が肩を寄せ合って生きていく姿に、ショーロフの人間愛を感じる。

  • みっぴー

    これだからロシア文学はやめられない。佐藤優さんの解説が目当てで読んでみたのですが、素晴らしい内容でした。これを読むと子供を虐待なんて出来なくなると思います。軍に命令されて我が子を大衆の前で…なんで運命はこんなに残酷なのだろうか。何故私達の大切な物を奪ってしまうのか。辛いだけの人生はざらにあるし、結局人生に意味なんて無いのだろうと改めて感じた作品でした。逆に言えば、意味のあるものにしようと足掻くことが人生であると言えるのかもしれません…渇いた人生観ですみません。

  • ころこ

    以前、佐藤優が推薦していたので読む。解説は佐藤優である。「ロシア人(正確にはロシア人だけでなく、ウクライナ人、ベラルーシ人も含む)」とあるのをみると、戦争によって注目した人と、その前から知っていた人との文脈の差は明らかだ。意外と単純に解釈している佐藤の解説で、テクスト外の情報としてソ連における党派性の強さは参考になる。象徴性の網の目が解け掛かっている、加藤典洋風に言うと「上げ底の無い状態」で人間は何を行い得るか。暴力が身近にあるロシア人気質と党派性があって、意図せず強調される人間は、日本とは対極にある。

  • 空猫

    以前ショーロホフ(ノーベル賞作家だったのね)で図書館本の検索をしたら『戦争 (Little Selectionsあなたのための小さな物語)』しかヒットしなかったけれど、こちらを見つけたので借りてきた。が、訳文が独りよがりであまり頭に入ってこなかった。なんか皆さんはスラスラよめているようですが…おいらには合いませんでした。挫折。

  • ののまる

    『静かなドン』より先に、短編から入ってみた。佐藤優氏の解説によれば、これでロシア人なる者がわかるとあるけど、わりに中国人に似ているな。社会体制が似ていたことも関係あるのかな。【ノーベル文学賞】

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