シュテファン・ツヴァイク

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ジョゼフ・フーシェ ある政治的人間の肖像 中公文庫

シュテファン・ツヴァイク

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122075429
ISBN 10 : 4122075424
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

この男、陰謀好きにつき――



フランス革命から帝政、さらに復古王政へ。この激動期に現れた「完全なマキアヴェリスト」ジョゼフ・フーシェ(一七五九―一八二〇)。ある時はギロチンよりも効率的な方法で反動者を殺戮し、ある時は秘密警察を駆使し、ナポレオンをも心理的に追いつめる。陰謀と変節と裏切りの限りを尽くして生き抜いた政治的人間の生態を浮き彫りにする本格評伝。

『マリー・アントワネット』と並ぶ著者の代表作。改訳版。



目次

第1章 売りだすまで 1759―1793年

第2章 「リヨンの虐殺者」 1793年

第3章 ロベスピエールとのたたかい 1794年

第4章 総裁政府と統領政府の大臣 1799―1802年

第5章 皇帝の大臣 1804―1811年

第6章 皇帝にたいするたたかい 1810年

第7章 気のすすまない間奏曲 1810―1815年

第8章 ナポレオンとの決戦 1815年 百日天下

第9章 失脚と最期 1815―1820年

【著者紹介】
シュテファン・ツヴァイク : 作家。1881年、オーストリア生まれ。ウィーン大学で哲学を学び、第一次世界大戦中は、ロマン・ロランとともに反戦平和の活動に従事する。大戦後は、ザルツブルクに住み、数々の作品を発表。ヒトラーの政権掌握後、ロンドンに亡命。その後アメリカ、さらにブラジルへ移住するが、1942年、自ら命を絶つ

山下肇 : 1920年東京生まれ。ドイツ文学者。東京大学名誉教授。訳書にゲーテ『ファウスト』(日本翻訳文化賞)、ブロッホ『希望の原理』(共訳、日本翻訳文化賞)ほかがある。2008年没

山下萬里 : 1948年生まれ。ドイツ・オーストリア文学、比較文学専攻。拓殖大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 鐵太郎

    タレーランに比べフーシェは、どちらも陰険な変節漢ではあるけど、格が落ちる秘密警察の親玉という認識でしたがなんと。評判だけは聞いたことがありますが、このツヴァイク氏のフーシェはどうだ。嘘をつき、裏切り、主義思想を平気で変え、忠誠心など小指の先ほども持たず、大事なのはただ一人自分だけ。しかも、〔この微動だにしない冷血さこそ、フーシェ本来の天賦の才である(P25) 〕ときたもんだ。常に陰に回り、ロベスピエールからナポレオンまで、とうていかなわないはずの巨人たちを操り臍をかませた希代の「汚い男」を描いた傑作です。

  • しゅん

    フランス革命期に生きた、最も狡猾で卑怯な政治家の肖像。多数派を計算して風見鶏を演じ、恩を仇で返し続け、虐殺と破壊も平然と命じる。船乗りの家に生まれた貧相な少年が、田舎進学教師から当代きっての政治家になり、革命の混乱もナポレオンの帝政も生き延びる様を声高な文体で描く一代記。青年期にサロンで集まった仲間(のちに犬猿の仲)であるロベスピエールとの駆け引きと、最後の逆転が特に熱くなる。共和の理想のために争った時代においても、長く政権に居座った男が権力の快楽以外の理想を持たない謀略家だったことは肝に銘じていい。

  • じゅん。

    圧巻の読後感。この作家の人物描写が好みすぎて毎回鳥肌が止まらない。唯一、注意する点は、フランス革命期の知識が皆無だと少しついて行けなくなる点で、僕も一度読むのを中止し、新書を駆け巡ってから戻ってきました。笑 歴史小説のような、濃厚な文学を読んだような感覚ですね。今期トップ候補です。

  • sugsyu

     フランス革命の影で暗躍し、ついにはナポレオンに引導を渡した、といっていい男。天才的な政治家、策謀家、スパイ、警察長官…激動と殺戮の時代を、武力ではなく知力で乗りきる、その手腕はほとんど芸術的といっていい。ナポレオンの没落後、自らもまた旧王弑逆の因果が巡って失墜する晩年も含め。

  • kaizenai

    ジョゼフ・フーシェなんてフランス革命では端役、脇役もいいところで、日本人からはほとんど無視されているというのに、150年も前にこういう見事な評伝というか伝記というか、そういうものを書いてしまうツヴァイクはすごいな、というのが正直な気持ちだ。これが教養というものなのだろう。ともかく、日本ではいまだに神聖なもののように扱われるフランス革命を、こんな厚顔で冷酷な男が軽々と乗り越えてきたというのは非常に示唆的に思う。

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