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パリの憂愁

シャルル・ボードレール

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784783727798
ISBN 10 : 4783727791
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

現代詩を切り拓いた名著、待望の新訳。都市の喧騒と群衆をモチーフに、現代的で柔軟なミニマル・アートとして、散文詩という領域を拓いたボードレール。詩のみならず数多の文学作品に多大な影響を与えたこの「現代文学の決定的発端」が、最新の研究成果を踏まえた平明な訳と解説により、詩的現在のその先に蘇る。

目次 : アルセーヌ・ウセーに(序文)/ 異邦人/ 老婆の絶望/ 芸術家の“告白の祈り”/ 剽軽者/ 二重の部屋/ それぞれがキマイラを/ 道化とヴィーナス/ 犬と香水壜/ 不都合なガラス売り〔ほか〕

【著者紹介】
シャルル・ピエール・ボードレール : 1821年4月1日パリ生まれ。1832年から4年間をリヨンで過ごし以後はパリ在住。19歳頃からユゴー、ネルヴァル、バルザックらと交遊。1841年、インド行の船旅に出るが途中で帰国。パリのサン=ルイ島で贅沢なダンディ生活を始め、家族による民事訴訟の結果、準禁治産者となる。1845年、最初の美術評論「1845年のサロン」刊行。1857年、韻文詩集『悪の華』初版を刊行するが、全100篇中6篇が風俗紊乱の廉で削除。1861年、新作32篇を加えた『悪の華』第2版を刊行。以後はおもに散文詩の制作を中心とし、計50篇が没後『小散文詩』として刊行される。1864年からベルギーに滞在。1866年、ナミュールの教会の石畳に倒れ、失語症および半身不随となる。1867年8月31日パリにて永眠。詩の他に美術評論、文芸評論等、およびエドガー・アラン・ポオの仏語訳がある

山田兼士 : 1953年岐阜県大垣市生まれ。関西学院大学大学院博士後期課程満期退学。大阪芸術大学教授。日本フランス語フランス文学会、日本現代詩人会、日本文藝家協会、関西詩人協会、各会員。詩誌「びーぐる 詩の海へ」編集同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 松本直哉

    山田兼士氏の訃報を聞き、彼の訳したボードレールで追悼。それぞれの詩に付された解説それ自体がすぐれた詩人論になっている。たとえばバッカスの杖に指揮棒を譬え、そこに絡みつく蔓に紡がれる音楽を譬えてリストの音楽を称えた詩の、ほめ殺しのような皮肉な調子から、バッカスの乙女に撲殺されたオルフェウスの伝説に言及、芸術の神の死からリストの芸術の終焉を予告したという指摘は、深読みにしても鋭いと思う。確かに、詩人の時代は神々や英雄の活躍するワーグナーやヴェルディから小市民の哀歓を描くプッチーニやベルクへの過渡期だった。

  • ターさん

    ベンヤミン読破のため、新訳で再読する。まず、気づいたのは題名である。ずっと『パリの憂鬱』とばかり思い込んでいたのに、本書は『パリの憂愁』であった。訳者によると、「『憂鬱』が〈魂〉の状態を示す語であるのに対して『憂愁』は〈精神〉の状態を表す語である」分かったような分からないような。前者は病的な深刻さがあり、後者は文学的な香りがする。ボードレールの印象からすると「憂鬱」か。『パサージュ論』には、「はじめ予定されていた題名は『孤独な散歩者』だった」[J4,1]とある。ならば「憂愁」か。次は『悪の華』の再読する。

  • ゆたろう

    幾らかのとっつきにくさを想定して読み始めたのだが、実際は普遍的な人生と日常に寄り添った詩の集まりで、非常に馴染みのいい詩集だった。その存在自体も、表出も劇的ではない思索や感情の、その周辺に生まれる内省の劇的さ(これは当事者性に強く依存するので、故に生活の文脈に縛られた言葉では滅多に共有も回収もされない)が、それそのものとは少し離れた描写によってうまく再構築されている。

  • 🌾

    同じじゃあないか。今も昔も。都市に住む辟易さと悪魔的な魅力は変わらないのか。

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