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ISBN 10 : 400023028X
Content Description
若きユングの最初の患者にして恋人,後にフロイトに師事して独創的な精神分析家,児童心理学者として高い評価を得たザビーナ・シュピールライン。
しかし母国ロシアに戻った彼女を待っていたのは、スターリン時代の粛清により弟三人を銃殺され、自らも侵攻してきたドイツ軍に娘二人とともに虐殺されるという残酷な運命だった。
ユングとフロイトの決裂の原因となったスキャンダルの当事者という歪曲された烙印を押されたまま、先駆的な業績とともに歴史の闇に葬られていた波乱の生涯と学問を、膨大な史料と各国にわたる調査により丹念に跡付けた画期的な力作。
目次
プロローグ
第一部 ロシアでの幼年時代
第一章 父親の生い立ち――農民の息子から大商人へ
第二章 母親の生い立ち――帝政ロシアで初めて大学に入学した女性の一人
第三章 ロストフ・ナ・ドヌーでの幼年時代
第四章 ロストフのエカテリーナ・ギムナジウムにて
第二部 スイス時代 1904〜1911年
第五章 神経症の時代
第六章 約束の地
第七章 ブルクヘルツリ精神病院
第八章 ユングの治療とザビーナの転移
第九章 友人の女性たち
第一〇章 チューリヒのロシア人女子学生たち
第一一章 ザビーナの孤独
第一二章 ユングからフロイトへの報告
第一三章 医学博士の試験に合格する
第三部 ミュンヒェン―ウィーン―ロストフ―ベルリン 1911〜1914年
第一四章 論文「生成の原因としての破壊」
第一五章 ウィーンでフロイトに師事する
第一六章 ロストフでの結婚
第一七章 ベルリン時代 1912〜1914年
第四部 二度目のスイス滞在 1914〜1923年
第一八章 ローザンヌ――『風』
第一九章 ジュネーヴの精神分析家
第二〇章 東か西か?
第五部 ソ連の実験室 1923〜1942年
第二一章 「マシニザーツィヤ」――新しい人間への夢
第二二章 ロシアを覆う闇
第二三章 ザビーナ・シュピールラインの死
エピローグ
解説 遠藤裕乃
訳者あとがき
注
図版リスト
年表
【著者紹介】
ザビーネ・リッヒェベッヒャー : デュッセルドルフ生まれ、スイス在住。社会学者、精神分析家、著述家。長年にわたって『新チューリヒ新聞』にコラム「心理学の最新動向」を執筆。また精神分析学におけるアウトサイダーに関する数多くの講演を行っている
田中ひかる : 1965年ボンで生まれる。千葉大学文学部史学科卒。一橋大学大学院博士課程単位取得退学。1997年一橋大学で博士号取得。現在、大阪教育大学准教授。専攻は歴史学、とくにアナーキズム史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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