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理不尽ゲーム

サーシャ・フィリペンコ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087735116
ISBN 10 : 4087735117
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

10年の昏睡から生還した青年が見たものは、ひとりの大統領にすべてを掌握された祖国と、理不尽な状況に疑問をもつことも許されぬ人々の姿―。目を覚ますと、そこは独裁国家だった。ベラルーシのディストピア的現状を文学の力で暴く。

【著者紹介】
サーシャ・フィリペンコ : 1984年、ベラルーシのミンスク生まれ。サンクトペテルブルグ大学で文学を学ぶ。テレビ局でジャーナリストや脚本家として活動し、2014年に『理不尽ゲーム』で長編デビュー。本書は複数の文学賞にノミネートされ、「ルースカヤ・プレミヤ」(ロシア国外に在住するロシア語作家に与えられる賞)を受賞した。現在も執筆を続けており、ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチからも高く評価されている

奈倉有里 : 1982年東京生まれ。東京大学大学院満期退学、博士(文学)。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ベイス

    ベラルーシの社会状況を伝えるこの小説は決して荒唐無稽ではない、というのだから驚きだ。大多数の市民が押し黙るなか、救いは抑圧的な状況にNOと心のなかで静かに闘志を燃やす市民の存在だろう。これが消えれば、もはや絶望しかない。小説としては、祖母のキャラが圧倒的。主人公が植物状態から脱するには祖母の死しかない、との展開は理解できるが、その死に直面していないのになぜ?とは思った。祖母の死後は物語から躍動が失われやや退屈した。祖母の献身が反映され、実を結び、主人公の覚醒後はもう少し能動的であってしかるべきでは?とも。

  • アキ

    ロシアと共同で軍事演習を行うベラルーシ。この小説は2014年「ルースカヤ・プレミア」文学賞を受賞したが、現在ベラルーシ国内では発禁処分となっている。ここで書かれた内容が、事実と異なるという理由で。フランツィスクが巻き込まれた1999年の群衆事故も、反体制派青年の殺害も(公式発表は自殺)も、数万人の抗議デモと多数の逮捕と処刑もすべて事実である。政治がからんだ瞬間に命だろうとあらゆる物事が全ての価値を失ってしまう世界に住む不条理。選挙前3%の支持率の大統領が80%の得票で勝利する国。昏睡とは隠喩に他ならない。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    ルカシェンコ大統領による独裁で知られるベルラーシの作家によるメタ・ディストピア小説。10年以上、祖母の愛により、昏睡状態から守られ、目覚めた少年が見たのは緩やかに、時に暴力的に人々の言動を取り締まり、生活を縛る理不尽な世界。同時にこれは他人事でもないのだ。また、『こびとが打ち上げた小さなボール』同様、未だにこの本が現実と重ねられて読まれる現状を憂う作者の言葉、そしてベルラーシで日常的に起こっていた理不尽な出来事が大規模デモなどのニュース報道でもなければ、世界へ知られないという登場人物たちの言葉が刺さった。

  • キムチ

    1984生の筆者、これは29歳で受賞した記念すべき秀作。奈倉さんのお陰で知的香り高い訳文となり、触れられたことに感謝。読み易い、現状を伝える言葉のチョイスが的確。本州よりも小さいベラルーシ。だがルカシェンコの存在や顔 紐付きの様に何かとあの人にべったりを表す。80%という信じ難い再選の支持率がその不正をも如実に。作品は自伝的要素濃厚、現実の社会現象も随所で綴られ、否応なくベラルーシ ミンスクを追体験するかの読書に。主人公ツィスクが言う呟き会話、感じ方、行動・・筆者の分身かとも。身体的〜社会的昏睡。題名に

  • ナミのママ

    目が覚めたら10年後だった、どんな思いだろう。ノートPCって何?弟ができている、TVのチャンネルが違う、さぞ戸惑うだろう。主人公のツィスクは高校生だった16歳で群集事故に巻き込まれる。目覚めたのは2009年だった。でも本当に戸惑うのは変わっていない国、政治…。「ベラルーシ社会そのもの」として描かれたディストピア小説。独裁国家ベラルーシの怖さがひしひしと伝わってくる。ニュースでの名前しか知らなかった国はこんな過去があったのか。祖母の残した手紙がせつない。 【ルースカヤ・プレミア賞】受賞

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