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オブローモフの夢 古典新訳文庫

ゴンチャロフ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334103217
ISBN 10 : 4334103219
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

怠惰と無気力、無為に空しく日々を過ごす青年オブローモフ。その彼が朝目覚めても寝床から起き上がるだけの気力も湧かないまま、自分はどうしてこのような人間になってしまったのだろうかと、うつらうつら微睡むうちに見る夢を詩情豊かに綴った「オブローモフの夢」。長編小説『オブローモフ』の土台であり独立して書かれたこの章をメインに、抄訳付きで贈る。ロシア文学史上もっとも愛されるオブローモフとは、いったい何者か? 

【著者紹介】
イワン・アレクサンドロヴィチ・ゴンチャロフ : 1812‐1891。ロシアの作家。ヴォルガ河沿岸のシンビルスク市の富裕な穀物商人の家に生まれる。モスクワ大学文学部を卒業後、ペテルブルグで大蔵省の通訳官となり、以後33年間官吏生活を続けた。1852年にフリゲート艦パラーダ号による世界周航に参加。イギリス、アフリカ、シンガポール、香港、中国、日本(’53年長崎)、琉球などを訪れ、’54年帰国した

安岡治子 : 1956年生まれ。ロシア文学者。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • まふ

    全巻4部の大著「オブローモフ」の第1部第9章である。全巻完成の10年前に執筆され、そのまま第1部に加えられていたもの。「現代の寓話」的風情をもつ不思議な物語。ロシアの大地主の倅オブローモフは賢いのに働きたがらずの「超ナマケモノ」であり、彼の周りを様々な人々が蠢くが、大らかに死んでしまう。親友のシトリスは呆れて彼の下を去り、恋人だったオリガも去る。アガフィアはオブローモフを「あるがままに」受け入れて結婚する…。よくもこのような物語が1849年にロシアで生まれたものだ、と妙に感心した。 G590/1000。

  • やいっち

    「役所勤めもやめ、怠惰な日々を日々を送る青年貴族オブローモフ。朝、目覚めても起き上がる気力も湧かない彼が微睡むうちに見る夢を綴った「オブローモフの夢」。長編『オブローモフ』完成の十年前に発表され、作品全体の土台となったこの一章を独立させて文庫化した。」編集部の持ち込み企画だったらしい。さすが安岡治子氏が無難に仕上げてくれている。

  • そふぃあ

    岩波文庫版で全三巻の大長編であり、主人公オブローモフが目覚めベッドから起き上がるまでに丸々一巻を要するほど、遅々として話が進まないと言われている『オブローモフ』。本作では本編が230pに収められた抄訳版でたいへん読み易かった。怠惰で無気力な貴族オブローモフと、ドイツ人の血を汲む勤勉な実業家シトリツが対比的に描かれている。私はどちらかといえば空を眺めて過ごせたらいいタイプなのでオブローモフに共感する部分もあったが、もうどうしようもないねダメだねと彼に思う部分もあった。(続く)

  • フリウリ

    「オブローモフ」のうちの一章である「オブローモフの夢」の全訳のほか、全体の抄訳、さらに丁寧な解説から成り立っています。なぜ「オブローモフ主義/オブローモフ病」がロシアのみならず世界で注目されたのか、なぜ通訳として世界を巡っていた作者ゴンチャロフが怠惰な「オブローモフ」にこだわったのか、などについて解説されています。ベケットはオブローモフのファンで、「ゴドー」を書く前に読んでいたそうです。小島信夫「私の作家遍歴」、後藤明生「40歳のオブローモフ」も気にしています。1849(1859)年刊。8

  • Ex libris 毒餃子

    ロシア文学に燦然と輝く『オブローモフ』の抄訳。本編はクソ長いからこれを読んで概略掴んでおこう。

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