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ゾリ

コラム・マッキャン

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622074151
ISBN 10 : 462207415X
Format
Books
Release Date
September/2008
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

歌を愛し、詩を紡ぐ喜びを知るジプシーの少女ゾリ。社会主義政権下のスロヴァキアで文壇に躍り出た彼女を待つ運命は…。激しく揺れ動く東西ヨーロッパの戦後史を生きた、ひとりの女の人生を鮮やかに描く長編小説。

【著者紹介】
コラム・マッキャン : 1965年、アイルランドのダブリン生まれ。地元のジャーナリスト専門学校卒業後、『アイリッシュ・プレス』紙などに記事を書く。小説家を志してアメリカに渡り、北米大陸を自転車で放浪、その後テキサス大学で英文学を学ぶ。93年に来日、京都と北九州で英語教師として働くかたわらアジア各国を旅する。94年頃からニューヨークで本格的に文筆活動をはじめる。2003年には『エスクァイア』誌のWriter of the Yearに選出。その他受賞歴多数。ニューヨーク在住

栩木伸明 : 1958年東京生まれ。上智大学大学院文学研究科英文学専攻博士課程単位取得退学。現在、早稲田大学教授、専攻は現代アイルランド文学・文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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実在するジプシー(ロマ)の女性詩人をモデ...

投稿日:2019/01/13 (日)

実在するジプシー(ロマ)の女性詩人をモデルとした小説。 ゾリは、ナチスの魔の手が迫るスロヴァキアでファシストに家族を殺される。祖父とともにかろうじて逃れる、流浪の日々を送るものの、読み書きを習得し、自らの詩を紡ぎ出すようになる。しかし、読み書きは掟で禁じられていたため、追放されてしまう…。 政治の荒波のなかで、ひたすらに言葉の力を信じ、たくましくも生きのびた姿が印象的。ナチスや東ヨーロッパにおける反ユダヤ問題はそれなりに書かれているが、ジプシーに触れたものはまだまだ少ないだけに、そういった面でも貴重である。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 1930〜2003年までのゾリという名のジプシー女性のフィクション人生記。「立ったまま埋めてくれ―ジプシーの旅と暮らし」に出てくる人物から着想を得ているらしくそちらはルポなので、ロマ文化に知識が無い分そちらを読めば良かったか。しかしヨーロッパにおけるロマ差別の酷さが身にしみた。

  • 宮永沙織

    世の中にファシズムが蔓延っていた時代にスロヴァキアで生まれたゾリは、一カ所に定住せず、家馬車を住まいに送るジプシーだった。6歳の時に、ファシストのフリンカ親衛隊が彼女の家族を皆殺しにした。たまたま生きていた祖父と親戚のグループと旅の暮らしを続けた。固有の文字を持たないロマニ語の文化は口伝えで、ロマにとって文字を学ぶのはタブーだったが、祖父は読み書きの能力をひそかに保ち、こっそり「資本論」を読んでいた。

  • umeko

    ロマの歴史というよりも、ゾリという一人の女性の数奇な人生の物語です。物理的に欧州を放浪するだけでなく、ロマの文化や、近代化や、自分は何者かなど精神面でも彷徨い続けたゾリは、最後に何処にたどり着くのかと思いながら読みましたが、そうか、そうよねと言いたくなるラスト。彼女の迷いながらも歩みを止めない力強さに、勇気づけられました。

  • Mana

    実在したパプーシャ(小説ではゾリ)という女性をモデルにしたフィクション。彼女はジプシー初の詩人で、文字を読むことが掟で禁じられているジプシーの中において、資本論を読む祖父の方針で学校にも通っていた。戦後共産主義政権のロマ定住化政策の広告塔として「開かれたジプシー」のシンボルにされてしまい、ジプシー共同体から追放されてしまう。あくまで本書は小説だけど、結構ジプシーのことがしっかり書かれてるという印象。切実な感じが強く伝わってくる。

  • ほっそ

    桜庭一樹の読書本で知った本。私には「難敵」でしたが、完読しました。 関連本を読まないと、内容を理解するにはちょっときついかもしれません

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