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もののあはれ ケン・リュウ短篇傑作選集 2 ハヤカワ文庫

Ken Liu

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784150121266
ISBN 10 : 4150121265
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

巨大小惑星の地球への衝突が迫るなか、人類は世代宇宙船に選抜された人々を乗せてはるか宇宙へ送り出した。宇宙船が危機的状況に陥ったとき、日本人乗組員の清水大翔は「万物は流転する」という父の教えを回想し、ある決断をする。ヒューゴー賞受賞作「もののあはれ」、少年妖怪退治師と妖狐の少女の交流を描くスチームパンク妖怪譚「良い狩りを」など、第一短篇集である単行本版『紙の動物園』から8篇を収録した傑作集。

【著者紹介】
ケン・リュウ : 1976年、中華人民共和国甘粛省生まれ。弁護士、プログラマーとしての顔も持つ。2002年、短篇“Carthaginian Rose”でデビュー。2011年に発表した短篇「紙の動物園」でヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞という史上初の3冠に輝く。その後も精力的に短篇を発表するかたわら、中国SFの翻訳も積極的におこなっている

古沢嘉通 : 1958年生、1982年大阪外国語大学デンマーク語科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    2013年度ヒューゴー賞短編部門を受賞した表題作を含む8つの短篇を収録。私のベストは断然、表題作の「もののあはれ」だ。訳者の古沢嘉通氏は巻末の「良い狩りを」を推しているが。これらの作品に通底するのは、いつしか失われてしまったセンティメンタリズムである。もちろん、ここで言うそれは否定的なニュアンスにおいてではなく、ある種の根源的な「哀しみ」である。他の作品にも共通するが、SFのスタイルをとってはいるが、これらの作品群の内包するテーマはむしろ古典的なものであり、その通時性が未来的な形をとったものに他ならない。

  • ねりわさび

    SF短編集。表題作は日本を初期舞台にした宇宙探査モノで、ヒューゴー賞短編部門受賞作。ストーリー展開がスムーズで読みやすく感動的な短編が数多く収録されている。とても面白かったですね。

  • Vakira

    面白い訳だなと思っていたら原題もこのままローマ字で「もののあはれ」。折に触れ、目に見、耳に聞くものごとに触発されて生ずる、しみじみとした情趣や哀愁。この感覚 物語の中には芭蕉の句も登場する。ケンって日本人かと思ってしまった。チェスと碁。チェスには個性があってヒーローが存在するが碁はただの石だ。しかし もののあはれ この石 一つがヒーローであったりする。なかなか切ない。8編の短編集。不死の話であったり、量子の多重世界であったり、現代の妖怪の話であったり、表紙の狐が可愛い。「世界を救う準備はいいかい?」

  • ふう

    8編のSF短編集。初めての作家で、日本人らしき名前なのに「訳」とあったので、文章が難解なのではとおそるおそる読み始めました。難解でした。とても美しい世界と人間が描かれていて、その思いや静かな光景を想像しながら物語に惹き込まれていったのですが、何度読み返してもなかなか理解できない分もありました。とくに宇宙種族の本づくり。「だれもが本をつくる」そのフレーズは好きですが。もう1冊、ファンタジーの短編集「紙の動物園」があるそうなので、読んでみようと思います。

  • こーた

    かつて宇宙は、未来永劫変化しないものと信じられていた(あのアインシュタインでさえ、定常宇宙説を長いこと支持していた)。テクノロジーが進歩して、不死を選択できるようになったとき、はたしてわたしはそれを選ぶであろうか。医療の進歩により、老化と死を克服した世界。肉体から解放され、ネットワークのなかで永遠に生きられる世界。おお、それはなんて退屈なのだろうか。常に定まっているとは、まったく変化がないことと、おなじだ。ひとの世は、常ならざるからこそ面白い。わたしはそんな「もののあはれ」をこそ愉しみながら生きたい。⇒

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