グアダルーペ・ネッテル

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花びらとその他の不穏な物語(仮)

グアダルーペ・ネッテル

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784768459317
ISBN 10 : 4768459315
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

まぶたに魅了されたカメラマン(「眼瞼下垂」)、夜、むかいの集合住宅に住む元恋人を見つめる女性(「ブラインド越しに」)、植物園に通い、自分はサボテンであり、妻はつる植物だと気づく男性(「盆栽」)、小さな島で“ほんものの孤独”を探す十代の少女(「桟橋の向こう側」)、トイレに残った香りの主を探す若者(「花びら」)、似た者同士の恋人とこじれた関係に陥る女性(「ベゾアール石」)。パリ、東京、メキシコシティ、ヨーロッパの架空都市を舞台に、ひと癖持ち合わせた登場人物たちが大いに躍動する。メキシコの実力派作家グアダルーペ・ネッテルの世界観全開の6篇の珠玉の短編小説集。

目次 : 眼瞼下垂/ ブラインド越しに/ 盆栽/ 桟橋の向こう側/ 花びら/ ベゾアール石

【著者紹介】
グアダルーペ・ネッテル : 1973年メキシコシティ生まれの、現代メキシコを代表する女性作家。2006年に小説『宿主(El hu´esped)』が、スペインのアナグラマ社主催のエラルデ小説賞の最終候補になり、翌2007年にはヘイ・フェスティバルとボゴタ市が選ぶ“ボゴタ39”、39歳以下の期待のラテンアメリカ作家39人に選出される。2013年に『赤い魚の夫婦』でリベラ・デル・ドゥエロ国際短編小説賞を、2014年に小説『冬のあとで(Depu´es del invierno)』でエラルデル・ドゥエロ国際短篇小説賞を受賞2017年よりメキシコ国立自治大学発行の「メキシコ大学雑誌(Revista de la universidad de M´exico)の編集長を務める

宇野和美 : 東京外国語大学スペイン語学科卒業。出版社勤務を経てスペイン語翻訳に携わる。東京外国語大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • buchipanda3

    メキシコ人作家による小説集。前に読んだ作品もそうだったが、この穏やかながら得も言われぬ不穏さに浸食されていく奇妙な読み味がクセになる。その不穏さもただ不気味と言うよりも人間の内にある繊細さが静かに悲鳴を上げているような、それがたまらず表出したような切なさもあった。社会の中にいる限り、誰もが抱えてしまいそうであり、その秘めた無意識の人間性を著者は冷静な愛おしさを持って剥き出しにする。「盆栽」は特に興味深い話だった。彼は自分を植物に例え、心を同化させる。どこかしっくりきて、何だかサボテンへの愛おしさを感じた。

  • どんぐり

    『赤い魚の夫婦』に続く、ネッテルの2冊目。ヘンなところに囚われた人が登場する6篇。『盆栽』は、雨天をきらうサボテンと、雨天を喜ぶつる植物をメタファーにして男女の性の不一致を描いている。濡れた女にからまれるのを嫌う男がいるんだな、もったいない。『花びら』は、トイレに残った香りに魅せられて女性を探す若者のフェチっぷり。特殊な臭いマニアって、それだけでは満足できないんだな。『ベゾアール石』は、抜毛癖(別名トリコチロマニア)の女と常に指で音を鳴らす男の強迫症カップル。やめられない、とまらない。→

  • (C17H26O4)

    偏愛したり執着したりする人々が描かれる。最初、小川洋子に似た印象を受けた。が、登場人物への眼差しが異なる。ネッテルは彼らに寄り添うことはしない。彼らを救わない。静かに暴くだけ。一編を除いて。『桟橋の向こう側』この話がよかった。<ほんものの孤独>を探す15才の少女が現実逃避先の島で同年代の少女ミシェルと出会い、救われた話。そうわたしは読んだ。<ほんものの孤独>は、人には言えない秘密として彼女の胸に納まり、彼女を少し大人にした。ミシェルもまた救われたはずだと思う。少女たちのかなしみの思い出にどこか慰められる。

  • キムチ

    薄いからと安易に手に取ったが、なかなか私の脳は受け付けてくれなかった。筆者は現代メキシコ文学の旗手。6編の作は何れも10分余で読めるものの、描かれる風景は技巧を凝らされている〜日常と非日常、健と病。。何が普通で何が特殊かの垣根を取っ払い、地球上に存す多種の生命体の一つに過ぎない人のむき出しの姿を希求していく。お気に入りは「盆栽」舞台は東京、園丁の名はムラカミ。春樹氏へのオマージュ?他作品は架空の血も舞台になっているが、この作品は活き活きした自然の呼吸を、緑を肌身に感じた。

  • ヘラジカ

    筋書きだけ見るならば似通った作品は幾らでも存在するかもしれないが、ソフトなボディ・ホラーめいた独特な眼差しが他に類を見ない異常な空気を醸成している。これは確かに”ネッテル・ワールド”と言う以外にないな。前短篇集と同じくページ数の少なさだけが惜しい。しかし、どの作品も濃密濃厚なので、あっという間に読めてしまうのに満足感は大きかった。表題の「花びら」も強烈だが、お気に入りはラストを飾る「ベゾアール石」。長篇小説の翻訳刊行を実現させるためにも、〈スパニッシュ・ホラー〉ブーム自体の後押しに微力ながら貢献したい。

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