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ISBN 10 : 4768459838
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2023年ブッカー賞最終候補作。
語り手の私(ラウラ)とアリナは親友で、20代のころはお互いに「子どもは産まない」と誓い合った仲だった。その意志をかたくなに貫く私とは裏腹に、アリナは結婚し、やがて子ども(イネス)を身ごもる。そんななか、ラウラはアパートの隣に暮らす母子家庭の男の子とだんだん交流を深めていく。男の子は感情をコントロールるすことが苦手で、衝動的な暴力を母親にぶつけがち。母親は子どもを育てていく自信を失い、故郷の妹に預けることを考えている。やがてイネスが生まれるが、イネスには生まれついて重度の障害があり明日を生きる保証もない状態だった。イネスの誕生と男の子との交流を通じ、登場人物たちの気持ちは揺れ動き、本人がそれまで思いもしなかった自らの気持ちに気づかされていく。イネスの生命や母という宿命、女として生きることの葛藤‥‥。だが、物語は思わぬ形で最後を迎えることになる。
【著者紹介】
グアダルーペ・ネッテル : 1973年メキシコシティ生まれの、現代メキシコを代表する女性作家。2006年に小説『宿主(El hu´esped)』が、スペインのアナグラマ社主催のエラルデ小説賞の最終候補になり、翌2007年にはヘイ・フェスティバルとボゴタ市が選ぶ〈ボゴタ39〉、39歳以下の期待のラテンアメリカ作家39人に選出される。2013年に『赤い魚の夫婦(El matrimonio de los peces rojos)』(邦訳は2021年、現代書館)でリベラ・デル・ドゥエロ国際短編小説賞を、2014年に小説『冬のあとで(Depu´es del invierno)』でエラルデ小説賞を受賞。2020年刊行の本書は2023年ブッカー国際賞最終候補作(ロザリンド・ハーヴェイ訳)
宇野和美 : 東京外国語大学スペイン語学科卒業。フェルナンダ・メルチョール『ハリケーンの季節』(早川書房)で、2024年、日本翻訳家協会より翻訳特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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