クリストファー・デ・ハメル

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中世の写本ができるまで

クリストファー・デ・ハメル

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560098455
ISBN 10 : 456009845X
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ヴェラムの最高級品は本当に牛の胎児の皮製なのか?中世の修道士はどうやって羽根ペンを握っていたのか?挿絵のデザインは誰がどうやって決めたのか?インクで書き間違えてしまったら、どう対処したのか?写本の注文は、どんな風になされたのか?解説を聞きながら実物を鑑賞するような楽しみ。中世写本の制作にまつわる実践的技法の数々を、当時の職人たちの視線で語る画期的試み。写本研究の第一人者がいざなう羊皮紙のミクロコスモス、写本の文化誌。オックスフォード大学ボドリアン図書館所蔵の写本を中心に、貴重なカラー図版を79点収録。

目次 : 1 紙と羊皮紙/ 2 インクと文字/ 3 彩飾と装丁

【著者紹介】
クリストファー・デ・ハメル : 中世写本の第一人者。オックスフォード大学で博士号を取得、サザビーズで中世写本部門の責任者を25年間務めた。2000年よりケンブリッジ大学コーパス・クリスティ・カレッジのパーカー図書館特別研究員に着任、2019年に退職後、現在は同カレッジの終身研究員。『世界で最も美しい12の写本』は「ウルフソン歴史賞」と「ダフ・クーパー賞」をダブル受賞した

加藤磨珠枝 : 美術史家、立教大学文学部キリスト教学科教授。ローマ大学大学院に留学後、2000年に東京藝術大学美術研究科博士後期課程修了、博士(美術)

立石光子 : 大阪外国語大学英語科卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 六点

    活版印刷が普及する以前、人類が知識を頒布する唯一の手段であった、「写本」が実際にどのように、欧州で作られていたかを、羊皮紙の生産から始め、最終的に製本されるまでを通覧したものである。途轍もない労働の集積である。また、人間の知恵や工夫が、注ぎ込まれていることに息を呑む。挿絵やテキストの装飾の美しさは、職人の神技によるものであることは、洋の東西を問わないものであるなと思う。図版も美しく、読めない人間であるぬこ田にも大きな感動を与える。「美しいもの」に対する、新しい扉がぬこ田の前に開かれた、そんな気がした。

  • 以前から、中世写本の世界を知りたいと思っていた。日本語で中世写本の制作過程についての本が出版されるのは珍しく、嬉々として手に取った。まず装丁に惹かれた。目次の背景が写本。紙も上質。少しめくっただけでもう最高に美しい本だと思った。内容も、羊皮紙や羽根ペンやインクの説明、写本生を描いた写本画の図版、余白に描かれた写字生が写し漏れた文章のことなど、今まで眺めて美しいと感じるだけだった写本を−依然として文字は読めないが−より楽しむことができるようになった。図版を眺めるだけでも幸福な気持ちになる一冊。

  • 組織液

    中世写本の製作過程について、製本や筆写だけではなく、羊皮紙の作り方やインクの生成方法に至るまでを簡単に解説している本です。羊皮紙持ってるんでそれいじりながら読みましたw。当時の本は一冊で家一軒ほどの値段がするなんて話もありますが、ここまで手間かかるなら確かに相当な値段するでしょうね() ましてや装飾写本ともなると。描き終えた写字生が末尾に「酒飲みたい」とか「一番つまんない筆写だった」とか愚痴書いてるのほんと好きです。他の写本関連の本も読んでみたいですね。

  • Tomoko 英会話講師&翻訳者

    語学講座の先生が写本(manuscript)を紹介されるので、写真がありそうな本を借りてみた。飾り文字があったり、挿絵が入っていたり。p.23〜羊皮紙の作り方あり。羊の皮とは限らない。穴があいていたり、裂け目を繕ったりした羊皮紙もある。パピルスは巻物には向くが綴じられた本には向かない(繊維が折れる)。

  • ゆの字

    あとがきの「学術的背景をもたない愛好家にその魅力を伝える入門書」との言葉通り、素人の自分にもとても分かりやすくて興味深い内容だった。図版も豊富で、かつ美しく、もっと写本について知りたいという欲が出てきた。いいお値段だけど、それ以上の価値がある本だと思う。

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