クリスティン・スモールウッド

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Books

精神の生活

クリスティン・スモールウッド

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784863855878
ISBN 10 : 4863855877
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2023
Japan

Content Description

不安定な地位にある大学非常勤講師のドロシーは、図書館のトイレで出血を確認する。流産したことを親友にも母親にも打ち明けることはできない。大学で講義し、セラピーに通い、産婦人科を訪れるが、どこにいても何をしていても世界から認めてもらえない気がしてしまう。3月の終わりからの1ヶ月半、予測不能なキャリアのなかで、自分の身体に起きた「流産」という不可解な出来事と知性によってなんとか折り合いをつけていく。

【著者紹介】
クリスティン・スモールウッド : 2014年にコロンビア大学で英文学の博士号を取得し、これまで5本の短編小説をThe Paris Review、n+1、Viceなどの文芸誌で発表している。また数多くの書評やエッセイをThe New Yorker、Bookforum、The New York Times Magazine、Harper’s Magazine等に寄稿する批評家でもある。現在、ブルックリンに夫と二人の息子と住んでいる

佐藤直子 : 東京都内の大学で非常勤講師として英語を教えている。現代アメリカ小説における「偶然性」のテーマに関晶がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヘラジカ

    流産によって変化した身体内にある精神世界、というよりも生々しい肉体を覆うように現実があって、更にその周辺を強固な思索が包み込むかのように描いている。茫洋としていながらも精妙にして知性的、そしてどこか傍観しているような語りの海に揺蕩う。性別も境遇も体験も、私には全てが遠いものであるにも拘わらず、読み終えた頃には小説自体が友人であるかのような親密な感覚を味わえた。訳者の言葉通り、精神と身体の関係を巡る普遍的な問題を扱っているからだろうか。時間が許すならば何度も読み返したい。非常に得難い読書だった。

  • まこ

    流産して血が出るのを汚いと感じ、周囲にすら言えない。ドロシーは仕事も子どもの事も中途半端で、上手くいっているからこその話を語る周囲と違う、だから言いづらい。自分の意思で子どもをおろしたギャビーを神聖化し、選ぶことの理想とした。流産がわかってからの数ヶ月、打ち明けられないけど明日に伸ばすことを知った。

  • no6

    流産後だらだらと出血を続ける主人公。親友も同じように薬を服用するがそれは第二子の堕胎のため。非常勤の不安定な身分のまま学会に出席するが、そこで成功した友人や(元彼や)元恩師と時間を過ごすことになる。このように内面も環境も不安定だけれども、成功もしてないけど破綻もしてない状況は身近に感じられ、分析し言語化するさまにはなるほどと思わされる。装丁=成原亜美(成原デザイン事務所)、装画=塩川いづみ

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